婚約指輪は「要らない」と伝えていた私。代わりに彼がサプライズで贈ってくれたのは…【CLASSY.世代のブライダルリング物語 #13】

結婚指輪や婚約指輪は、人生をともに歩むお守りのような存在。最近では、クラシックな王道デザインだけでなく、ファッションジュエリーとしても楽しめるデザインを選ぶ人も増えており、選び方の幅もどんどん広がってきています。
今回は、CLASSY.カップルズの柳沢遥さんにインタビュー。「婚約指輪は要らない派だった」と語る遥さんに、その考えに至った背景や、当時のふたりのエピソードを伺いました。

PROFILE
柳沢 遥さん/拓希さん(30歳 アパレルプレス/31歳 不動産関係)
高校時代に出会い、長年“親友”として過ごしてきたふたり。大学3年生のときに交際をスタートし、約5年の交際を経て2020年8月にプロポーズ、2021年3月に入籍。共通の趣味は旅行とサッカー観戦。マイルを貯めては、近場でも飛行機で旅に出たり、サッカーの試合を観に行くなど、アクティブな週末を楽しんでいるそう。

婚約指輪にこだわらない選択。価値観を共有して築いた結婚のかたち

婚約指輪は要らない派だったという遥さん。その考えを、以前から拓希さんに伝えていたそうです。
「私自身、ダイヤモンド系のジュエリーが自分のファッションにあまり馴染まないかも…と感じていて。使う場面も限られるので、それよりもふたりで思い出を作れることにお金を使いたいという思いがありました。結婚の話が出始めた頃から、そういった価値観を共有していたんです」(遥さん)
結婚式や旅行など、“今”を大切にしたいという思いが、ふたりの間で自然と一致していたといいます。
「実家の母も婚約指輪は大切にしまっていて、特別な日にだけ身につけていたタイプ。それを見ていたこともあり、普段から身につけられるものや、思い出として心に残る時間のほうがいいなと感じたんです」(遥さん)

プロポーズで贈られたのは、指輪ではなく2足の靴

プロポーズは2020年8月7日、拓希さんの誕生日に行われました。遥さんが用意した韓国式のセンイルケーキでお祝いしたあと、拓希さんは1通の手紙を手渡してくれたそうです。
「手紙に『結婚してほしい』と書いてありました。彼のお父さんが亡くなったとき、私もそばで看取っていたこともあって…その時の想いやこれまでのことが丁寧に綴られていて、普段あまり感情を出さない人だからこそ、余計に心に響いて。思わず号泣してしまいました」(遥さん)

遥さんが「もちろん」と返事をしたあと、拓希さんが寝室から持ってきたのは、サプライズの靴。「指輪は要らないって言われてきたから」と言いながら贈ってくれたのは、“これからも一緒に歩いていこう”という想いを込めた靴のプレゼントでした。
「私がずっと欲しいと言っていたStella McCartney(ステラ マッカートニー)の靴をサプライズでプレゼントしてくれました。サンダルと冬靴の2足で、夏と冬、どちらの季節も一緒に歩む未来を思わせるようなセレクトでした。以前、一緒にお買い物に行ったときに何気なく見ていたのをちゃんと覚えていてくれたんだと思うと、本当にうれしかったですね」(遥さん)

入籍記念日には必ず履く、ふたりの思い出が詰まった靴

遥さんにとって、プロポーズのときに贈られたステラ マッカートニーの2足の靴は、今でも特別な存在だといいます。
「入籍日には毎年、外へ食事に行くのが恒例になっていて、そのときは必ずこの靴を履くようにしています。実用的だからこそ日常でも自然とコーディネートできるし、履くたびにプロポーズの瞬間を思い出せるんです。せっかく高価なものを選んでくれたのに、しまったままにしておくのはもったいないなと思って」(遥さん)

また、婚約指輪の代わりに「新婚旅行にお金を使おう」というふたりの約束も、拓希さんはずっと覚えてくれていたそうです。
「2021年に入籍したんですが、その頃はコロナ禍でなかなかヨーロッパに行けなくて……。ようやく今年の1〜2月に行けたんですが、私はその約束をすっかり忘れていて。でも彼はちゃんと覚えてくれていて、現地での食事代などを全部出してくれたんです。あのとき自分たちで話し合って決めたことは、やっぱり間違ってなかったなって思いました」(遥さん)

結婚指輪選びの決め手は「永久保証」

遥さんと拓希さんが選んだ結婚指輪は、日本のジュエリーブランド「FESTARIA(フェスタリア)」のシルバーリング。デザインはシンプルながら、マット加工が施された落ち着いた風合いで、ふたりお揃いのペアで購入したそうです。選ぶ際の決め手となったのは、「永久保証」がついていること。
「リングについていろいろ調べていたとき、”ブランドにこだわらないなら永久保証があるところもおすすめ”という話を聞き、探し始めました」(遥さん)

保証内容には、妊娠などで指のサイズが変わった場合のサイズ交換や、ダイヤが外れた際の修理、将来子どもに譲る際のサイズ直しなども含まれています。
「私の祖母も、結婚指輪のサイズが合わなくなり入らなくなったと言っていて。そういう身近な例もあったので、長く使えることの安心感はとても大きかったです」(遥さん)
また、「万が一失くしてしまったらどうしよう」という不安もあり、高価すぎない範囲で選びたいという思いもあったそう。ふたりで10万円ほどという価格帯も、現実的で魅力に感じたポイントでした。
「私自身、普段は大ぶりなリングをつけることが多いので、重ねてもなじみやすいかを重視しました。華奢な印象で、ゴールドのアクセサリーともケンカしないところも気に入っています」(遥さん)

一生ものの指輪だからこそ、大切にしたのは“その先の未来”

最後に、これから結婚指輪を選ぶ方へのアドバイスを遥さんに伺いました。
「憧れブランドのジュエリーに詳しい方もたくさんいると思います。でも、私のようにそもそも『どこで選べばいいんだろう?』と迷ってしまう人もいると思うんです。そんなとき、私たちが重視したのは“永久保証があるかどうか”でした」(遥さん)

10年、20年と月日を重ねる中で、生活スタイルが変わったり、指のサイズが変わったりすることもある結婚指輪。だからこそ、将来を見据えた安心感が「一生もの」としての価値をより高めてくれるのだと遥さんは話します。
「保証がついていることで、たとえば将来子どもに譲りたいと思ったときにもサイズ直しができる。そういう意味でも、その先の未来まで考えて選べたのはよかったと思っています。これからリングを選ぶみなさんにも、さまざまな選択肢があるということを伝えたいです」(遥さん)

取材・編集/藤井由香里

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