今月悩み相談を受けていただけるのは「伊勢谷友介さん」
’76年5月29日生まれ 東京都出身 血液型A型 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、同大学院美術研究科修士課程修了。●大学在学中の’96年よりモデルとし て活動開始。’99年『ワンダフルライフ』で映画初出演。’02年、初監督作品『カクト』、’12年『セイジ -陸の魚-』など監督としても活躍。’08年にリバースプロ ジェクトを設立。衣食住を始めあらゆる分野でのソーシャルビジネスを行う。教育にも関心を持ち、’19年4月開校のLoohcs(ルークス高等学院)の学長を務める。 近年の主な出演作は、映画『新宿スワン』『忍びの国』『翔んで埼玉』、ドラマ『花燃ゆ』『ボイス 110緊急指令室』など。映画『とんかつDJアゲ太郎』が公開待機中。
今月のアラサー女子の相談は…「頼まれると断れないのを何とかしたい」
ご相談事
仕事もプライベートも頼まれごとを断れず常にいっぱいいっぱいです。頼られると嬉しいけど「これも?」と思うようなことも断った時の相手の反応が怖くてNOと言えず。この性格はもう変えられないでしょうか。(30歳・メーカー勤務)
おこたえ
自分は何が一番大事なのか基準がないとNOって言えない
伊勢谷さんの回答「自分は何を大事にしているのかを明確にしよう」
全部を断りたいわけじゃないだろうから、自分は何を大事にしているのかを明確にすれば、〝断らないこと〞と〝断っていいこと〞がわかるんじゃないかな。その基準がないとNOとは言えないと思います。
基準って、その人の立ち位置によるんですよね。自分はどんなタイムテーブルやスタンスで仕事がしたいのか、何を頑張りたいのかがハッキリしていれば見えてきます。この方は便利に思われてるのかもしれないけど(苦笑)、流れで仕事を決めて、言われることをただやっていると往々にしてこうなりがち。
仕事って続けていくことで信頼を得たり、逆に失ったりもします。自分が好きなこと、やる気があることをしっかり続けていけば、その分野での信頼が積み重なってくるから、それを一生懸命やるべき。誰よりも得意な分野があれば、それ以外の仕事は頼まれなくなるんじゃないかな。
まず、自分をよく理解すること。〝あなたと私〞という自分もあるし、〝人類という種としての自分〞もある。言葉で言うとミクロとマクロの両方から自分の立ち位置を俯瞰して、自分がどう生きたいのかを選択してほしい。そうするとすぐNOって言えます。あと、もうちょっと自分に優しくなってください。相手の反応が怖いってことは、相手の気持ちを気にしすぎてるんじゃないかな。NOと言っても相手はそこまで気にしないかもしれないし。人に振り回されてるというより、自分で〝振り回ってる〞のかもしれないね。
「さまざまな社会活動をしていますが僕自身はすごくシンプルな人間です」
――ドラマ収録の合間に伊勢谷友介さんにお 話を伺いました。
オファーが来た時は「俺が警察学校の教官?」って少し戸惑いました(笑)。僕はいま高校の学長も務めていますが、役では悪いキャラがなぜか多くて(笑)。ちゃんとした警官ではないんだろうなと勝手に思ってましたが、やらせていただけるなら喜んでという気持ちでした。
僕が演じる片野坂は、実はいろいろ過去のある男。わけあって9年間も教官を続けていて組織の中ではくすぶっているような立場なので、あまり堅い男には見えないように演じています。今後の片野坂については急展開する予定ですが、どうなるのかは僕にもまだわからない(笑)。スタッフを信頼しながら、与えられた状況の中でどう成立させていくか――。それも連ドラの面白さだと楽しめる歳になってきました。
見どころは、〝心清らかな愛すべきバカとマジメ〞という主人公2人の軽妙なバディ感。すごいパワーを持った絶対的なヒーローではないけれど、社会を良くしようと彼らなりの正義を行使する姿は、とても若々しくて人間っぽくて気持ちがいい。片野坂は暴走しがちな2人を陰で守る存在で、2人の成長を愛情をもって見守っています。
俳優以外にもさまざまな社会活動をしていますが、僕自身はすごくシンプルな人間です。活動の理由は楽しく長く生きていたいから。〝人類の存続〞が目的ですが、未来のために人間はどう生きるべきかを考えながら、消費を選択でき、誰もがたやすく生きられる社会を作りたい。プライベートも同じです。自分が一番イキイキと過ごせる選択をしたい。それが自宅のトレーニングルームでありガーデニングであり。バイクのカスタムやスノボも、 すべては幸せに過ごしたいからなんです。
ジャケット、シャツ、パンツ、ベルト/すべて劇中衣装
『未満警察 ミッドナイトランナー』
警察学校を舞台に警察未満の2人が難事件に挑む、予測不能なフルスピードクライムサスペンス。理論派の本間快(中島健人・Sexy Zone)と体力派の一ノ瀬次郎(平野紫耀・King&Prince)のバディが仲間と刑事の力を借りながらも、学校の授業で得た知識を駆使して事件を解決していく。伊勢谷さんはかつては現場の捜査官で犯罪心理に精通したプロファイラーだった警察学校教官・片野坂譲を演じている。各回の豪華なゲスト出演者も話題。他の出演/吉瀬美智子、中村ゆり、原田泰造 他。●毎週土曜22時より日本テレビ系で放送中。
撮影/平井敬治 取材・文/駿河良美