アラサー女子にたまにいる、イタい女の特徴4つ【映画ソムリエ東の「大人女子のための映画塾」】
「そんな彼なら捨てちゃえば?」どこかで聞いたことがあるような、キャッチーな台詞。あの日の女子会で盛り上がった話題でしょうか。それとも、眠れぬ夜に親友にかけた電話で言われた言葉でしょうか。はたまた、母親からもらったアドバイスだったでしょうか。
これは2009年に公開した映画のタイトルです。エミー賞も受賞したあの語るまでもない名シリーズ『Sex and the City』の脚本家リズ・タシーロと同じくSATCのコンサルタントを務めたグレッグ・ベーレント。彼の共著『そんな彼なら捨てちゃえば』及び『恋愛修行 最高のパートナーと結婚するための恋愛心得』というベストセラーとなった原作本を映画化した作品で、さすがの恋愛バイブルを原作になっています。恋愛における男女の価値観の違いが洪水のように溢れ出しており、恋の駆け引きの商店街状態の映画です。
メモを取る手が止まらない。非常に勉強になる作品ですので、誰かに恋愛相談をする感覚で気軽に是非観てみてください。
?まずは10秒でわかる 映画『そんな彼なら捨てちゃえば?』の簡単なあらすじ
・同じ会社に勤めるジジ、ベス、ジャニーンの3人の女性は、プライベートも相談し合う仲
・何度失恋しても前向きなジジは、男の行動を都合よく解釈していたと反省
・ベスは同居7年目の恋人といつか結婚できると信じてきたが、別れを宣言
・幸せな結婚生活を送っていたはずのジャニーンも、夫の浮気が発覚
・勇気を出して、男のホンネに向き合った彼女たちに、見えてきた本当の幸せへの道
・それぞれが選んだ、最高のパートナーとは?
この映画はありがたいことに豪華女優たちが「これやると、あなたイタい女なんで気をつけて!」という要素を、全力でハウツーしてくれています。
劇中では誰の目から見ても「イタい」とわかるような目も当てられない行動が登場するのですが、恐ろしいことに振り返ってみたら、かつての私もやっている行動がいくつかありました。真夏に背筋がひやりとします。
ということで今回は、この映画「そんな彼なら捨てちゃえば?」の登場人物の女性たちに学ぶアラサーがやってはいけない!イタい女の特徴を厳選して紹介します。
イタい女の特徴❶ 何でもかんでも女友達に相談する女
アラサーになって何もかも、進行中の恋愛を女友達に相談しすぎる女性は側から見るとなかなかイタい存在です。10代から20代前半ならまだしも、アラサーの恋愛相談は限度があります。バランスが大事だと思いますので「今日はずっと◯◯君の相談しかしなかった〜」というのをやめる意識をしましょう。
そして同時におすすめできない理由があります。「連絡がこない」という相談に対して「忙しいだけだよ」と返したり「なかなか進展しない」という悩みに対して「あなたのことを真剣に考えすぎているんだよ」と返したり。基本的に女友達というのは、あの頭痛に優しい薬ではないですが半分優しさでできているので、好都合のアドバイスをしてくれることが多すぎです。現実を見る努力をしましょう。
イタい女の特徴❷ 都合の良いように解釈する思い込みの激しい女
人間と人間の化学反応が絶対必須の恋愛において、やりとりを全てポジティブに捉えようとするとただの勘違い女になってウザがられます。映画の登場人物は、気になる異性から連絡を全く貰えていないのにもかかわらず「彼は私の最初に注文したドリンクを覚えていたし、会えてよかったとも言った!」と周りに真剣に相談したり、連絡をくれない男性に対しては「私からの連絡を待っているのかも」だったり「私から連絡する!と言ってしまったからかしら?」とポジティブシンキングが悪目立ちしています。
物事のプラスの面を見ようとすることは決して悪いことではありませんが「空回りしている女=空気が読めない女」と同類です。空気が読めない女は、本命候補になりにくいので気をつけましょう。
イタい女の特徴❸ 仕事中も恋愛のことばかり考えている女
「教室の片隅で授業中、ぼんやりと大好きなサッカー部の彼のことを考える。気になって気になって仕方がないの。あの人、彼女とかいるのかなぁ?」これをやっていいのは学生までですから、気をつけてください。
劇中で主人公は職場でもひたすら恋愛話にいそしみ、恋愛至上主義ならではの重い雰囲気が見え隠れしています…。しまいには業務中も電話で意中の相手に留守電を残す始末なのですが、筆者の友人男性の話ですが「仕事中の時間帯、たくさんLINEが届いているといろんな意味で心配になる」と語っていました。不真面目な女性と思われるばかりか、重い女のレッテルまで張られるのである程度、限度を守りましょう。
イタい女の特徴❹ 彼女がいる男性にアクションをしてしまう女
相手がいるというのに、男性にアプローチしている女はイタいですし不幸フラグがピンピンです。こういった女性は「他人のものがよく見える」タイプの女性と「隠れ運命論者」タイプの女性と2パターンに分かれがちですが、この映画では後者が登場します。隠れ運命論者が厄介なのは、自分と相手が出会えたという事実を奇跡だと重大にしすぎ、冷静に捉えられず、まわりが見えなくなりがちです。また、相手がいる異性を狙う時点で自信もそれなりに持っている点も厄介です。
劇中では「既婚者」なのでさらに複雑でアウトな行動ですが、他の女性がいることを打ち明けられた時点であなたは2番手にしかなれませんし、アラサーで恋人がいる男性、ましてや既婚者にグイグイアクションしてしまう女性は周囲から引かれてしまうので要注意です。
以上のようにまさしく「人の振り見て我が振り直せ」の精神でちょっと意地悪かもしれませんがそんな視点で登場人物たちの成長を一緒に見届けるのもありかもしれません。
今回はせっかくですので、個人的に筆者が周りの男友達から聞いた痛い女の特徴も参考までに。「やたらとバースデーパーティ・お祝いプレートばかりしている写真をInstagramに載せる女」「SNSで新しい服の投稿ばかりをしている女性はお金遣いも心配」「別人ばりに写真加工する女」「自撮りだらけの女」と言ったSNS関連のポイントが目立ちました。承認欲求が過度な女をイタいと思うようですね。楽しいSNSも1歩間違えれば地雷の発掘装置になります。「仲良くなりたい人ほどSNSでは友達にならないほうがいい」と言うツイートがバズっておりましたが、よからぬ一面を見せてしまう可能性もあるのでSNSの使い方はそろそろ改めたほうがいいかもしれません。
作品の見所を、映画ソムリエのライターがさらに熱く解説!
男心を読み取る術でも参考になり、気楽に楽しめる割には学びの多い映画です。スカーレット・ヨハンソンやブラッドリー・クーパー、ベン・アフレック、ジェニファー・ガーナーといった超豪華キャストを眺めているだけでも楽しい時間です。
そして、最後にこの映画が最も素晴らしい部分を言及させていただきます。それは、男女の価値観の違いを散々に描きながらも、異なる価値観を持つ男女がお互い寄り添い、思い合っていこうとする姿にこそ価値があると伝えてくれるところにあるのです。なんという着地力。チームSATCはぬかりなく、やっぱり私たちを裏切りません。
恋愛下手だと思う方、彼の自分への気持ちに自信がない方、正直別れたい彼と付き合っている方、ぜひぜひ恋の学び舎「そんな彼なら捨てちゃえば?」をチェックしてみてくださいね。
この記事を執筆したのは
東 紗友美(ひがし さゆみ)
’86年、東京都生まれ。映画ソムリエ。元広告代理店勤務。日経新聞電子版他連載多数。映画コラムの執筆他、テレビやラジオに出演。また不定期でTSUTAYAのコーナー展開。映画関連イベントにゲスト登壇するなど多岐に活躍。
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Instagram:@higashisayumi