人気ドラマに学ぶ「仕事がデキる女」の特徴5つ【映画ソムリエ東の「大人女子のための映画塾」】
ゴールデンウィークは終わりましたが、引き続き、家でお過ごしの方も多いですよね。おうちで映画たドラマを見るのが息抜きになっているのではないでしょうか?そして、映画やドラマの中に、日常の生活で生かせるポイントが多くあることはご存知でしょうか。
本日はNetflix「本日のTOP10」において、現在第3位(5月7日付)。韓国青春ドラマ「梨泰院クラス」を見ていて気づいた、仕事ができる女性の特徴5つ、「さ・し・す・せ・そ」をご紹介します。まずは簡単なあらずじから。
?10秒でわかる 梨泰院クラスの簡単なあらすじ
●辛い過去から犯してしまった犯罪歴を背負って生きる主人公パク・セロイ
●ソウルの都市の1つである梨泰院(イテウォン)で「タンバム」という小さな飲食店を開く
●チョ・イソという勉強も、運動も、歌までも完璧、多芸多才女子キャラが彼をサポート
●紆余曲折しながらも、仲間と共に成功を目指す
●最終目標は、自分の暗い過去の引き金となったライバル企業に復讐すること
さ:先読みして挨拶
ビジネスでは先読み=予習しておくことはとても大事です。これは仕事内容そのものだけでなく、コミュニケーションの機会にも有効◎。たとえば自分への来客に対して、挨拶前に担当者の名前と顔を予習しておくイソの行動は、とても気持ちいい。会った人から「◯◯です」と名乗られる前に、最高の笑顔で「◯◯さんですよね!お待ちしておりました!」と発する。これは言われて嫌な気がする人はいないだろう。ネット時代、担当者の名前で検索して、予めある程度、情報を予習。自分から挨拶するのは好感度上昇に直結するはず。相手を立てつつも、実際には自分が環境をリードできるのもポイント。
し:質問をしてから自分の意見を述べる
的確なタイミングで自分の意見をまじえた質問をする能力が高いイソ。同僚への質問は言葉を濁さず、自分の意見を述べて、相手の意見も聞く。質問しながらも自分の想いをきちんとぶつけている姿勢に「この会社(事業)を成功したい、成長させたい」という意思をアピールすることができます。またライバルや敵に質問するときは、相手の急所を突く質問をしていることにイソの質問力を垣間見ました。単なる文句では聞いてもらうことは難しいけれど、質問という形だったら適切なタイミングでライバルをつつくことができます。相手の心を折るという少々ブラックなタイミングの際にも質問力は大事です。
す:スマホを使いこなせる
日々新しいサービスやアプリが誕生する中、できる女はスマホ界隈にも詳しいほうがベター。後輩からは尊敬されるし、スマホ関係に弱そうな先輩からは頼られること間違いなし。ガジェット関係の情報って日常生活からだとなかなか更新されにくいですが、空いた時間に調べてみるのもよさそう。イソはSNSを使用してお店を拡散するだけじゃなく、開店前の様子を気軽にライブ中継してみたり、ネタバレになるので書けませんが音声メモアプリの使い方や使用するタイミングも絶妙です。スマホを制する者が勝敗を握るようです…。
せ:精神的に強いこと
精神的に強い女性であることは、ビジネスにおいても当然大切。強靭なメンタルを育てるには、どんなことが大事か。たくさんあるけれど、イソから学べることですぐ実践できそうなことは3つ。まず自分を過度に責めないこと。他人と比較しないこと。そして、自分のブラックな部分も受けて入れていること。特にキラキラした女子たちほど、自分のブラックな部分を認めることを引け目と感じてしまうかもしれませんが、ブラックな部分もあるのも自分であると我を認めてしまうことで、精神が磨かれそうです。
そ:即決できる自信を持つ
千載一遇のチャンスとは、文字通り1000年に1度の機会。「少し考えさせてください」は、もはやNO!と一緒です。情熱はスピードで伝えます。イソは日頃から自分の人生に自信を持っているので大事な決断にも、あまり迷いません。「私はとても優れているので・・・夢、愛すべて叶えられるわ」と自分に言い聞かせたり、「夢を叶えてさしあげます」と社長であるセロイに伝えたり。彼女の自信はてらいがなく、清々しいです。自信を持って生きることと、即決力はどうやらつながりがあるようです。悩むのだったら、時間を決めたり。まずはグダグダ悩み続ける癖から改善していきましょう。
ドラマの見所を、映画ソムリエのライターがさらに熱く解説!
魅力1「ジャンルが絞りきれないぐらい内容が盛りだくさん」
復讐を軸にしつつも、若者たちの企業神話であり、ソウルの街にいまだに残る人種差別が描写されていたり、ジェンダーや多様性といった社会問題まで織り込まれているので、ジャンルはもはや1つに絞れません。もちろん、韓ドラならでは胸キュン要素も折り込み付き。毎エピソードの濃さを例えるならば、ブロッコリーのつぼみが凝縮している密度に近いほどかも。
魅力2「チョ・イソのキャラクターが完璧すぎて濃すぎる」
そしてキャラクター豊富な梨泰院クラスの中でもとりわけ印象深いキャラと言えば、チョ・イソ(キム・ダミ)という女子キャラ。チョ・イソといえば勉強も、運動も、歌までも完璧!何に関しても多芸多才。ソシオパス(※反社会的な行動や気質を特徴とする精神疾患)の傾向がありつつも、IQはなんと162。ビル・ゲイツのIQより地味に高い…。そして、同時に76万人のフォロワーを持つインフルエンサーでもあり外見も可愛らしい彼女。すべてを手に入れるために貪欲なメーガン妃が完全に嫉妬しそうな非常に華々しい経歴です。
魅力3「スーパー女子チョ・イソが主人公を強力にサポート」
スーパー女子イソは“自分で考えても退屈なルート”であった名門大学に通うことをあっさりと辞めます。人生の分岐点で選んだのは、梨泰院に生まれたばかりの店タンバムのマネージャーでした。大学に行かずに、小さなお店に就職したわけです。イソの存在は、タンバムに光を射していきます。
ちなみに、合計16エピソード総視聴時間18時間17分のこのドラマ。タイトルの「梨泰院(イテウォン)」という単語を読めない人が多い傾向なので、簡単に解説します(ちなみに私も、「梨がついた韓ドラ」呼ばわりしていた過去があります)。梨泰院というのは韓国の首都ソウルにある街の名前。米軍基地の近くに位置し、国際色豊かでインターナショナル。飲食店の多く、流行が生まれ、賑わっている街の名前です。ちなみに日本に例えると、六本木に近い場所と思ってOKです!(最近では、韓国でここ梨泰院にあるクラブで新型コロナウイルスの集団感染が発生したり…)
ちなみにこのドラマを日本の設定にアレンジしてコミック化した「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」というタイトルのWEBマンガもあります(現在も数話だったら無料で楽しめる。)https://piccoma.com/web/product/1533
いかがでしたでしょうか?ビジネスにはストイック、恋愛には献身的。そんな姿勢を貫くイソの出演シーンは学びが豊富です。ドラマを延々と観ているとだらけていると思われがちですが、ビジネスのヒントを覗くためと身を投じているのだと言い訳できるのも悪くないです。
今年のアカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』が描いた不条理な格差社会を背景に。ソウルの街で、権力だらけの財閥からの圧力には屈せず、自分たちだけで成功を勝ち取るために必死で闘う彼らの姿。いまこそ、このドラマをより感慨深くより感動的に鑑賞することができるタイミングに違いありません。
『梨泰院クラス』
Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中
この記事を執筆したのは
東 紗友美(ひがし さゆみ)
’86年、東京都生まれ。映画ソムリエ。元広告代理店勤務。日経新聞電子版他連載多数。映画コラムの執筆他、テレビやラジオに出演。また不定期でTSUTAYAのコーナー展開。映画関連イベントにゲスト登壇するなど多岐に活躍。
http://higashisayumi.net/
Instagram:@higashisayumi