自分が日頃、当たり前のように使っている言葉の漢字表記、あなたはどのくらい知っていますか? たとえば会話で使うだけだったり、平仮名や片仮名で表記している場合も少なくないでしょう。
今回は、そんな“普段使っているのに読めない漢字”をピックアップしてご紹介します。ぜひ全問正解を目指してみてくださいね。
1.「欣然」
「欣然」は、「欣然と努力する」のように、「嬉しく喜ぶさま」「喜んで物事をする様子」を意味する言葉です。「欣然」と意味が似ている言葉には「嬉々として」「満悦」などがあります。「欣然」は、「欣」を正しく読めるかどうかがポイントです。
そんな「欣然」の正しい読み方は……
「きんぜん」です。
「喜ぶ」という意味の漢字に「欣」が使われるのは、少し意外なイメージがあるかもしれませんね。
実は、もともと「欣」には「喜ぶ」「楽しむ」「うきうきする」といった意味があるのです。漢字の意味もセットで覚えるようにすると、間違いにくくなるでしょう。
2.「遖れ」
「遖」が「滴る」という漢字に似ていることから、思わず「したたれ」「てきれ」などと読んでしまいそうですが……。いずれも誤りです。「遖れ」は、「見事だ」「感心した」など、褒めるときに発する言葉で、実際に耳にしたことはあっても、自分で使うことはあまりないかもしれませんね。
そんな「遖れ」の正しい読み方は……
「あっぱれ」です。
「遖れ」よりも「天晴れ」の方が馴染み深いのではないでしょうか? 「遖れ」も「天晴れ」も意味は同じですが、「遖れ」の方も覚えておくと、より知的な印象を与えられるでしょう。
3.「匍匐」
「『匍匐』といえば、『ぶどう』でしょ?」と思う人もいるかもしれませんね。でも、「匍匐」を「ぶどう」と読んでしまうのは誤りです。ぶどうの場合、漢字表記は「葡萄」になります。
一方の「匍匐」は「腹ばいになって進むこと」を意味する言葉です。腹ばいとは、お腹を地面にぴったりくっつけること。「匍匐前進」という言葉を聞いたことはありませんか?
そんな「匍匐」の正しい読み方は……
「ほふく」です。
先ほどの「匍匐前進」は、「ほふくぜんしん」と読みます。ちなみに「蒲伏」と書いても意味は同じで「ほふく」と読みますよ。
4.「艝」
「樰(ゆき)」や「鱈(たら)」など、「雪」が使われる漢字はいくつかありますが、今回は「ふねへん」に「雪」と書いて「艝」。この漢字自体、初めて見たという人もいるのではないでしょうか?
「艝」とは「雪や氷上を滑らせる乗り物」のことで、まさに“読んで字のごとく”な漢字です。
そんな「艝」の正しい読み方は……
「そり」です。
ちなみに、「轌」と書いても「そり」と読みますよ。
4つの漢字、あなたはいくつ正しく読めましたか? もしかすると、漢字表記そのものを見るのが初めてで、何と読むのかまったくわからなかった……というものもあったのではないでしょうか。
普段使う言葉は、できれば漢字の読み方も併せて覚えておきたいものです。ぜひこの機会に、漢字表記も覚えてみてくださいね。
参考文献
現代言語セミナー〔編〕『つい他人に試しくなるもっと読めそうで読めない漢字』角川ソフィア文庫
文/大内千明 画像/Shutterstock(asife、Goran Bogicevic、Romrodphoto、Olesya Kuprina)
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