「30代は自分で掴みにいくこと、発信することを大事にしていきたい」
――映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』で主演を務めた千葉雄大さん。
「最初は戸惑いました。役自体は楽しみでしたが、主演のプレッシャーとか考えてしまって。でも現場に入ったら一人じゃないし、一人で背負えるものなんてたかが知れてる。事件が絡み合う複雑な内容ですが、みんなでディスカッションできる和やかな現場でした」
――演じたのは、IT業界から転身した刑事の加賀谷。彼自身も秘密を抱え苦悩する難しい役どころ。
「完成作を観た女性陣からは、じれったいとかハッキリしろよとか言われたんですけど(苦笑)、僕自身は加賀谷ほどナヨナヨしてないし、ハッキリしてるんで! 誤解しないでいただきたいです(笑)」
――ミステリーでありホラーであり、ラブストーリーでもある今作。
「全方位を網羅する作品ですが、それぞれに厚みを出すには、お芝居で血を通わせなければいけない。主演は初めてじゃないけど、今作では今まで見えなかった景色や知らなかった世界も知れたので、ちょっと大人になった気がします。もう30歳ですけど(笑)。より多くの方に観ていただいて楽しんでもらいたいので、あとは出し惜しみのないバラエティ出演とか(笑)、責任もって宣伝します!」
――デビューして10年。人間的に成長できることも俳優の魅力だそう。
「学生の頃は凝り固まった自意識もあり、偏ったところもありました。でも仕事を始めてからは出会う人も増え、いろんな人の考え方や気持ちに寄り添うと、今まで苦手だったことも素敵に思えてきたり。幅が広がった気がします」
――俳優としても人としても「枠にとらわれないでいたい」という彼。
「興味のあることはどんどんやっていきたい。もともと制作志望でもの作りに興味があり、お芝居だけでなく文章にして伝えることも好きなので、そんな仕事もできれば」
――そんな千葉さんも3月には31歳。
「デビュー時に思い描いていた20代とは180度違っていたけど、だから見えたものもある。20代にやってきたことは必然だったと思えますが、これからの30代はもっと自分で掴みにいくというか、自ら発信することを大事にしていきたい」
――女性の好みも変わったとか。
「何を考えてるかわからないミステリアスな女性に惹かれるって言ってた時もあるけど、今は全然。逆に怖い(笑)。タイプもなくなりましたが、自分のできないことをやってる人や芯のある人に憧れます」
千葉さんの「いま一番欲しいもの」は…?
――いま一番欲しいものは?
犬。もともと柴犬が好きだったんですが、今なら犬種はなんでもいいかな。本当はダルメシアンとか大型犬が飼いたいんだけど、一人暮らしだから現実的にはなかなか難しいし、留守番が多いと犬がかわいそうな気がして飼えないんです。
――いま一番会ってみたい人は?
ティモシー・シャラメ。アメリカの若い俳優さんなんですが、『君の名前で僕を呼んで』とか、彼の出演している映画が好きです。彼の着ているファッションも好きです。デザイナーがオートクチュールで作っているみたいで、すごく素敵なんです。純粋にファンですね。
――いま一番やってみたいことは?
ギリシャに行きたい。もともとエジプトが好きで、そこから派生してギリシャ神話を調べ始めたら面白くなりました。島の白と青
の景色もすごくいいなあと思って。子供の頃は考古学者になりたかったくらいで、神話の非現実的なところや遺跡が好きです。
INFORMATION
『スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼』
’18年公開の映画『スマホを落としただけなのに』の続編。刑事・加賀谷(千葉雄大)が連続殺人鬼の浦野(成田凌)を捕まえ、事件は幕を閉じたと思っていたが、同じ殺人現場から次々と若い女性の遺体が発見される。加賀谷の恋人・美乃里(白石麻衣)も謎の男に狙われ……。原作/志駕晃『スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼』(宝島社文庫) 監督/中田秀夫 脚本/大石哲也 ほかの出演/鈴木拡樹・田中哲司/井浦新●2月21日(金)全国東宝系にて公開
千葉雄大
’89年3月9日生まれ 宮城県出身 血液型O型●’10年『天装戦隊ゴセイジャー』でデビュー。’16年、映画『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。最近の主な出演作はドラマ『家売るオンナ』シリーズ、『プリティが多すぎる』『盤上の向日葵』『おっさんずラブ-in the sky-』、映画『スマホを落としただけなのに』『決算!忠臣蔵』など。主演ドラマ『いいね!光源氏くん』(NHK)が4月放送予定。
撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/堤 紗也香 スタイリング/寒河江 健 取材・文/駿河良美
ブルゾン¥175,000 Tシャツ¥36,000〈3パック価格〉 パンツ¥90,000 ※すべて予定価格(すべてプラダ/プラダ クライアントサービス)