仕事をしている時に、漢字が読めなくて困った経験はありませんか? ビジネスシーンでは時に、日常生活ではあまり見聞きしないような言葉を用いることがあります。できれば、そうした漢字も読めるようになっておきたいものです。
そこで今回は、ビジネスで使うかもしれない“読めると知的に見える言葉”をご紹介します。ぜひこの機会に、言葉の意味と併せて正しい読み方を覚えておきましょう。
1.「横溢」
「満ち溢れること」や「溢れるほど盛んなこと」を「横溢」と言います。「横溢」は単体で用いられることもありますが、四字熟語「活気横溢(イキイキとした気分が、溢れんばかりにみなぎっていること)」で用いられることも。
また、「横溢」で特に間違えやすいのが「溢」の読み方です。訓読みではないとしたら何と読むでしょうか。
正しくは……
「おういつ」と読みます。
ちなみに、「横溢(おういつ)」のほかに「溢」を「いつ」と読む言葉には、「溢美(いつび/褒めすぎること)」「溢悪(いつあく/けなしすぎること)」などがありますよ。
2.「炯眼」
「炯眼」は、「鋭い目」や「物事を明らかに見抜く鋭い眼力」を意味する言葉です。たとえば、「彼は炯眼を持っている」などといったように用いられます。
「炯」の右側にある「同」という漢字から、つい「どうがん」や「とうがん」などと読んでしまいがちですが、正しくは……
「けいがん」と読みます。
ちなみに、「炯眼」と同じように「物事を見抜く力」という意味を持つ言葉には「慧眼(けいがん)」などがありますよ。
3.「恬淡」
「恬淡」には、「心静かで無欲なこと」や「あっさりしていること」といった意味があります。「恬淡」は、「恬」の読み方がポイントです。「活」という漢字に似ていることから、思わず「かったん」などと読み間違えがちですが、「恬」は「かつ」とは読みません。
そんな「恬淡」の正しい読み方は……
「てんたん」です。
また、「恬淡」のほかに「恬澹」と書いても「てんたん(意味も同じ)」と読みます。
4.「収斂」
化粧品の通販サイトや、化粧品に関する雑誌やインターネットの記事などで「収斂化粧水」という言葉を見たことはありませんか?
「収斂」には「収縮すること」や「集約すること」といった意味があり、「収斂化粧水」とは“肌の引き締め(収縮)”が期待できる化粧品のことを言います。
そんな「収斂」の正しい読み方は……
「しゅうれん」です。
普段は「収れん」と「斂」がひらがな表記されることが多いため、いざ漢字表記になると、どう読めば良いのか戸惑ってしまうかもしれませんね。
今回の漢字は、普段の生活ではあまり使わない言葉も多く「この言葉自体知らなかった」というものもあったかもしれません。しかし、そういった言葉こそ、読み方を知っているとより知的に見えることでしょう。
ビジネスシーンなどで不意に出てきた時にも、さらりと読めるよう、ぜひここで覚えておきましょう。
参考文献
田中春泥『読めるようで、なぜか読めない漢字』(PHP研究所)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Alexander Hoffmann、Galaxy love design、Kite_rin、Syda Productions)
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