仕事をしていて、漢字が読めずに困った経験はありませんか? ビジネス用語の中には、プライベートや日常の会話ではまず出てこないような、難しい読み方をする言葉が少なくありません。
そこで今回は、“会社で使うかも!? 意味とともに知っておきたい漢字”をご紹介。仕事をするうえで、役に立つであろう漢字をピックアップしてみました。
1.「瞞着」
思わず「こうちゃく(膠着)」と読んでしまいそうな「瞞着」。「瞞着」とは「誤魔化すこと」や「欺くこと」を意味する言葉です。
プライベートの会話であれば「騙す」「欺く」といった言葉を用いるかもしれませんが、ビジネスシーンでは「瞞着」が用いられるケースもあるでしょう。
「瞞着」は、「欺く」や「誤魔化す」よりもやや硬い言い回しと言えます。
そんな「瞞着」の正しい読み方は……
「まんちゃく」です。
また、「瞞着」と意味が似ている言葉として、よく挙げられるのは「欺瞞(ぎまん)」。「欺瞞」にも「欺く」「騙す」といった意味がありますが、「瞞着」のほうがやや軽めの印象です。
主に「欺瞞」は、相手を騙した結果、損害を与えたり不利益を生じさせたりなど罪深い重大なことに対して用いられます。
2.「宥和」
「相手の態度を大目に見て、仲良くすること」を「宥和」と言います。
たとえば政治においては「宥和政策(相手の意見を尊重して、譲歩することで問題の解決を図る政策)」というものがあり、世界史の授業やニュースなどで耳にしたことがある人もいるかもしれませんね。意味と併せて覚えておきたい言葉です。
そんな「宥和」の正しい読み方は……
「ゆうわ」です。ちなみに、「宥」という漢字には「なだめる(宥める)」「ゆるす(宥す)」といった意味があります。
3.「招聘」
「招聘」とは「礼儀を尽くして人を招くこと」を言います。たとえば「研究員を招聘する」といったように用いられる言葉で、「招聘」を用いるのは招く側が目上、招かれる側が目下の場合に限られます。そのため、目上の相手に「招聘」と言うのは誤りです。
また、「招待」も「人を招く」という意味の言葉ですが、「招待」は目上や目下を問わず、広範囲で人を招くことを意味します。「招待」と「招聘」、それぞれの使い分けに注意したいですね。
そんな「招聘」の正しい読み方は……
「しょうへい」です。ちなみに「招聘状(しょうへいじょう)」とは、いわゆる「招待状」のことを言います。
4.「諮る」
「会議に諮る」など、人から意見を聞いたり、相談したりすることを「諮る」と言います。
「諮る」は素直に「相談する」「意見を聞く」というよりも堅い印象を与える言葉です。仕事や改まった場では「諮る」を用いると良いでしょう。
「諮問(しもん)」や「諮詢(しじゅん)」など、「諮」を「し」と読む言葉が多いことから、つい「しる」と読んでしまいがちですが、正しくは……
「はかる」と読みます。また、「はかる」と同じ読みの言葉には「図る」「計る」「謀る」などさまざまなものがありますが、それぞれ意味が微妙に異なるため、混同して覚えないよう気を付けましょう。
いかがでしたか? もしかすると、これまでに仕事で目にしたことのある漢字もあったかもしれませんね。今回ご紹介した漢字については、ぜひこの機会に正しい読み方、そして言葉の意味を覚えておくと良いでしょう。
正しい読み方と意味をセットで覚えておけば、上記の漢字が急に出てきたとしても焦らず落ち着いて対応できるはずですよ。
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参考文献
一校舎漢字研究会〔編〕『きっと誰かに教えたくなる読めるようで読めない漢字2500』永岡書店
文/大内千明 画像/Shutterstock(ROMSVETNIK、fizkes、G-Stock Studio、Rawpixel.com)