前田敦子さん(34)「『お母さんだから』『もう30代だから』…何かの枠に自分を当てはめすぎずに生きていたい」【舞台『ポルノ』インタビュー】
20代の頃のようにはいかない。体力も、肌も、恋愛も、働き方も。年齢を重ねるほど、これまで当たり前だったことが少しずつ変わっていく。そんな揺れのなかで前田さんがたどり着いたのは、「自分で自分の機嫌を取る」というシンプルな答えだったそう。若さにしがみつくのではなく、魅力を更新していくこと。誰かに幸せにしてもらうのではなく、自分の人生をちゃんと楽しむこと。今の前田さんの言葉には、しなやかに前へ進むためのヒントが詰まっていました。
Profile
1991年7月10日生まれ、千葉県出身。俳優として映画や舞台、ドラマなど幅広い作品で活躍。2021年に独立し、子育てをしながら俳優活動を続けている。芸能活動20周年を迎え、今年2月に写真集『前田敦子写真集 Beste』が発売。
若さにしがみつくんじゃなくて、魅力を更新したい
――アラサーの頃を振り返って、いちばん心が揺れていたのはどんなことでしたか? 当時の自分に今、声をかけるとしたら何と言いたいですか?
30代に入ったとき、まず実感したのは体力の変化でした。思っていた以上に、気持ちって体に引っ張られるんだなって感じたんです。体力が落ちると、心まで少し弱くなる。肌も含めて、今まで当たり前だったことが少しずつ変わっていく感覚があって、そこに戸惑いはありました。
でも、40代の女性たちが「40代ってすごく楽しいよ」と話しているのを聞いて、とても救われたんです。30代で弱っている場合じゃないなって。だったら、若い頃に戻りたいと思うより、この先の自分をもっと素敵にしていこうと思えたんですよね。そこから少しずつ考え方が変わりました。若さにしがみつくんじゃなくて、大人の女性としてどう魅力を更新していくかを考えるようになったんです。そうやって視点を変えられたときに、気持ちも前向きになれました。当時の自分に声をかけるなら、「焦らなくて大丈夫。失っているんじゃなくて、ちゃんと次の自分に向かっている途中だよ」と伝えたいです。あの揺れも、切り替えるために必要な時間だったんだと思います。
無理のない、しなやかなシルエットに近づきたい
――2月に発売された写真集でも、磨き上げられたスタイルが話題です。体型維持やコンディションづくりで、普段から意識していることはありますか?
何かを急に変えることって、やっぱり難しいと思うんです。今回も、写真集のために急に鍛え始めたわけではなくて、何年も前からピラティスを続けてきた積み重ねがありました。撮影前に「じゃあ、ここをもう少し整えよう」と調整できたのも、その土台があったからだと思います。大人になって改めて感じるのは、やっぱり何でも継続がいちばん大事だということですね。
今回いちばん意識したのは、細くなりすぎないことでした。ただ体重を落とすだけではなくて、女性らしさはちゃんと残しながら引き締めたい。そのバランスをどうつくるかをずっと考えていました。背中とお尻を中心に整えていったことで、無理のない、しなやかなシルエットに近づけたかなと思います。
――最近、女優さんにお話を伺うと、ピラティスを続けている方が本当に多いですよね。やはり姿勢や体幹への効果が大きいのでしょうか?
わかりやすく言うと、“自分で動く整体”みたいな感覚に近いかもしれません。ただ鍛えるというより、体の位置を整えながら、その状態で筋肉を使っていくんです。だから、体のバランスそのものが少しずつ変わっていく感じがあって、私はすごくしっくりきました。
これまでジャイロトニックやパーソナルトレーニング、ヨガもいろいろ試してきたんですけど、その中でいちばん合っていたのがピラティスでした。たぶん、いろいろ試した先にたどり着く方が多いのも、すごくわかる気がします。
自分で自分を幸せにできることのほうが、ずっと強い
――結婚する・しない、関係を続ける・終える…など、CLASSY.読者は、パートナーシップに迷いやすい世代でもあります。そんな揺れの中にいる人へ、今の前田さんが伝えたいことはありますか?
いろいろな経験をして思うのは、「自分で自分の機嫌を取れる」って、すごく大事だなということ。私自身、それがいちばん自分に合っている生き方だと感じています。
――自分で自分の機嫌を取る。
はい。20代の頃は恋愛もたくさんしましたし、そのぶん感情も揺さぶられてきました。恋愛って、幸せなときは本当に大きいけれど、苦しいときは他のこと以上に気持ちが落ちるものでもあるじゃないですか。そういう経験をしてきたからこそ、今はまず自分の人生をちゃんと楽しむことが大事だと思うようになりました。
今は、仕事をしている時間や、子どもと過ごしている時間、自分らしくいられる時間を楽しめている自分のことが好きなんです。そういう毎日を大切にした先に、もし素敵な出会いがあったら嬉しい、くらいの感覚でいて。だから、一人でいることもまったくネガティブには感じていません。
迷っているときって、つい「誰かがいること」が正解に見えてしまうこともあると思うんです。でも、自分で自分を満たせるようになると、見える景色はすごく変わる気がします。まずは自分の人生をちゃんと楽しむこと。その先にある選択のほうが、きっと私らしいんじゃないかなと思います。誰かに幸せにしてもらうことより、まず自分で自分を幸せにできることのほうが、ずっと強いと思うんです。
何かの枠に、自分を当てはめすぎずに生きていたい
――前田さんご自身が、今後どんな女性になっていきたいか、将来の展望をお聞かせください。
「お母さんだから」とか、「もう30代だから」とか、何かの枠に自分を当てはめすぎずに生きていたいです。今の私が着たいものを着て、やりたいことを自然に選べる女性でいたいなと思っています。これまでも、あまり「こうならなきゃ」と決めすぎずに来たんですけど、その自然体のバランスは私に合っていた気がしていて。だからこれからも、自分の気持ちに正直でいながら、いろんなことに挑戦していきたい。その先で、「これが今の私にとって大事なことなんだ」と思える目標や、新しい自分に出会えたら嬉しいです。年齢や立場に縛られず、そのときをちゃんと楽しみながら進んでいける女性でいたいです。
Information
舞台『ポルノ』は、坂の多い町・坂上町を舞台に描かれる、美しくも醜悪な恋と欲望の群像劇。議員選に立候補した国旗耕二は、「高齢者や歩行に障害のある人のため、町にあるすべての坂をエスカレーターにする」という大胆な公約を掲げる。しかし支持率は思うように伸びず、妻・美和子とともに思いもよらぬ行動へ。7人の男女を演じるのは、玉置玲央、前田敦子、鳥越裕貴、藤谷理子、小野寺ずる、岩本晟夢、うぇるとん東。実力派キャストがぶつかり合うスリリングな物語。
東京公演 2026年4月2日(木)~12日(日)@下北沢・本多劇場
福岡公演 2026年4月15日(水)・16日(木)@西鉄ホール
大阪公演 2026年4月25日(土)・26日(日)@サンケイホールブリーゼ
トップス/Cygne パンツ/Sov シューズ/銀座かねまつ アクセサリー/BELLESIORA
撮影/加治屋圭斗 ヘアメイク/髙橋里帆(HappyStar) スタイリング/南まりい 取材/池田鉄平 編集/越知恭子
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