長濱ねるさん(27)「嫌われるのが怖かった私が、人と会うのが楽しみになった理由」

仕事に全力で向き合う日々のなかで、人との関わり方や自分らしさへの感覚にも変化が生まれてきたという長濱ねるさん。忙しさの中で見失いかけた“好き”をファッションで思い出す時間や、人との距離が少しずつ近づいていった実感。軽やかに変化を楽しむ先輩の存在にも背中を押されながら、変わり続けることを楽しみたいという30代への思いを、等身大の言葉で語ってくれました。

Profile

1998年9月4日生まれ、長崎県出身。2019年に「欅坂46」を卒業。その後俳優として活動し、2023年NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に出演。以降「おコメの女-国税局資料調査科・雑国質-」等、話題作に出演し、今年3月放送「未来電車“あの日”を知らないあなたへ」では主演を務める。その他、日本テレビ『news zero』コメンテーター、ラジオ『NTT Group BIBLIOTHECA THE WEEKEND LIBRARY』のナビゲーターなど、知性と感性を生かしマルチに活躍。

踏み出してみたら、人との時間が好きになった

――長濱さんも今年で28歳になりますが、20代を振り返ってみて「頑張っておいてよかった」と思うことはありますか?

20代前半から中盤くらいまでは、人と必要以上に関わらなくてもいいかなと思って過ごしていた時期がありました。周りからどう見られているのかとか、こう言ったら嫌われてしまうんじゃないかとか、そういう怖さがどこかにあって。一人でいるほうが楽でしたし、家で本を読む時間も好きで、友達がたくさんいなくてもいいかなって思っていたんです。でもここ2〜3年、俳優の仕事を通して出会いが一気に増えて。同世代はもちろん、違う分野の方とも知り合うようになって、以前なら断っていたようなご飯にも「行ってみようかな」と思えるようになりました。

実際に行ってみるとすごく楽しくて。現場では見えない一面を知れたり、「こんなことを考えているんだ」と感じる瞬間がたくさんあって。もっと早くから人と関わっていればよかったな、って少し思うくらいです。尻込みしていたけれど、踏み出してみたら楽しいんだなって。今はそれを実感しています。

――昨年、広瀬アリスさんを取材した際に、長濱さんのお名前が挙がりました。4歳差とは思えないほどの仲だと伺ったのが印象的でした。

えー、うれしいです。ドラマ『366日』でご一緒したのがきっかけなんですが、同い年の幼なじみ役だったので、監督からも「5人の空白の時間を埋めてほしい」と言われていたんです。その中でアリスさんや眞栄田郷敦さんを中心に、みんなでご飯に行ったりして距離を縮めていって。本当に昔からの友達みたいに過ごしているうちに、アリスさんの優しくて気さくで柔らかいところに、私も自然と心を開いていって。気づいたら、すごく近くにいる存在になっていました。

“好き”を思い出す時間を大切にしています

――長濱さんが、ファッションやメイクで「自分らしさ」を出すために意識していることはありますか?

忙しくしていると、「自分って何が好きなんだっけ?」と分からなくなる瞬間があるんです。
SNSを見ていると、いろんな人の感情や価値観が流れ込んできて、自分が何にときめいていたのか分からなくなることがあって。だからこそ、あえてファッション誌を読んだり、ショッピングに出かけたりして、「あ、私これが好きだったな」と思い出す時間を大切にしています。自分をつくっている“好き”を、その都度そっと確かめ直すような感覚かもしれません。

――そういう内面の“好き”が、外見にも表れている感覚はありますか?

このお仕事をしていると新しい出会いが多くて、自分なら選ばなかったメイクや服に触れる機会もたくさんあるんです。「ブラウンのリップってこんなに可愛いんだ」とか、「こういうパンツスタイルも素敵だな」と、少しずつ新しい扉を開いてもらっているような感覚があります。もともとはカジュアルやジャケット、クラシカルなワンピースが好きで、その軸はあまり変わらないんですけど、気づいたらメンズライクなアイテムにも惹かれるようになっていて。好きの幅が広がっていくのが、今はすごく楽しいんです。新しい出会いを楽しみながら、できるだけ自分の扉を閉じないままでいたいなと思っています。

変わり続けることを楽しめる30代に

――30代に向けて、「こんなふうに年齢を重ねたい」というイメージはありますか?

身のまわりに、憧れる30代、40代、50代の方がいて。アリスさんもそうなんですけど、共通しているのは、すごく軽やかで、変化を自然に受け入れているところなんです。自分が変わっていくことを楽しんでいる感じがして、そういう在り方にすごく惹かれます。この10年で、なんとなく「長濱ねるってこういう人」という像を自分で作ってきてしまった気がしていて。でもこれからは、いちばんそれを裏切るのは自分でありたいなと考えています。まだ知らない自分に出会い続けていたいというか。

お芝居でも、観る方に毎回少し違う印象を持ってもらえる存在でいたいですし、そうやって変わり続けていくことで、プライベートももっと軽やかに広がっていくんじゃないかなって。そんな30代を迎えられたらいいなと思っています。お仕事でも、受け身ではなく、自分から関わっていきたいという気持ちが少しずつ強くなってきています。

Information

ドラマ『ストーブリーグ』は、Lemino・WOWOWにて全8話で放送中。韓国で社会現象を巻き起こした同名ドラマの日本リメイク。野球未経験のGMが万年最下位球団の再建に挑む“オフシーズンの戦い”を描く。新GM・桜崎準役の亀梨和也を中心に、長濱ねる、野村萬斎らが共演。崩壊寸前の球団に大胆な改革を仕掛ける桜崎の決断は、スター選手のトレードだった。勝利と組織の本質に迫る逆転の人間ドラマ。

撮影/上村透生 ヘアメイク/恩田のぞみ(Shiseido Co.,Ltd.) スタイリング/山本杏那 取材/池田鉄平 編集/越知恭子

Feature

Magazine

最新号 202605月号

3月27日発売/
表紙モデル:堀田 真由

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