長濱ねるさん(27)「つい頭が休まらない感覚に」頑張りすぎる自分の救い方【ドラマ『ストーブリーグ』インタビュー】

新しい役に向き合うたび、「自分にできるのかな」と不安になることがある——そう語る長濱ねるさん。今回、日本版『ストーブリーグ』で演じたのは、信念で人を束ねる女性リーダーという新たな挑戦でした。プレッシャーの中で学んだ現場での在り方や、共演した亀梨和也さんの姿から感じたリーダー像。そして忙しい日々の中で心を整えるために大切にしている時間について聞きました。

Profile

1998年9月4日生まれ、長崎県出身。2019年に「欅坂46」を卒業。その後俳優として活動し、2023年NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に出演。以降「おコメの女-国税局資料調査科・雑国質-」等、話題作に出演し、今年3月放送「未来電車“あの日”を知らないあなたへ」では主演を務める。その他、日本テレビ『news zero』コメンテーター、ラジオ『NTT Group BIBLIOTHECA THE WEEKEND LIBRARY』のナビゲーターなど、知性と感性を生かしマルチに活躍。

最初は「自分にできるのかな」という不安がありました

――今作の原作でもある韓国版『ストーブリーグ』は社会現象にもなりましたが、ご覧になりましたか? 作品の印象と、日本版への出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

韓国オリジナル版は社会現象になるほどの作品だと聞き、全話拝見しました。働くことの美しさや、好きなものを守ろうとする人たちの熱さに強く共感しましたし、野球を通して“組織を立て直す物語”として描かれている点にも惹かれました。知らなかった野球の世界が丁寧に描かれていて、とても面白かったです。だからこそ日本版への参加が決まったときは、「自分にできるのかな」という不安が率直にあって。でも台本からは野球への深いリスペクトが伝わってきたので、その世界の中で自分にできることを模索しながら、精一杯向き合いたいと思いました。

――万年最下位のプロ野球チーム「ドリームズ」の再建に挑む編成本部長・蒔田理紗を演じられましたが、どんな人物だと捉えていましたか?

理紗は血気盛んで、熱くなりすぎて周りが見えなくなることもあるんですが、その根っこには“ドリームズが好き”という純粋な思いがある人だと思っています。チームの力になりたいという気持ちがとても強いんです。GM(ゼネラルマネージャー)には食ってかかる一方で、お姉ちゃんの前では妹らしさも見せる。そのギャップも魅力的だなと感じました。また編成本部長として大きな責任を背負っている人物なので、「どんな人だからここまで来られたのか」を考えることが役を理解するヒントになりました。理紗がどれほどチームを愛しているのか、その芯だけはぶらさずに演じたいと思っていました。

――野球未経験ながらチーム再建を担うGM・桜崎準を演じた亀梨和也さんとは初共演でしたが、現場で印象的だったことは?

お会いする前は、役のイメージもあって、寡黙でクールでロジカルな方なのかなと想像していました。でも実際にご一緒すると、とてもチャーミングで可愛らしい一面もあって。そのギャップが素敵だなと思いました。そして何より、座長として常に広い視野で現場全体を見て、みんなのために動いてくださる姿が印象的でした。

「結果」と「信念」、その両方を大切にしたい

――女性で編成本部長という“人を束ねる立場”を演じる中で、感じた難しさや気づきはありましたか?

そこは最初かなり苦戦しました。理紗はみんなの前に立って引っ張っていく存在なので、どんな言葉をかける人なのか、どんな信念で動いているのか――その熱量をどう表現すればいいのか、ずっと探っていた感覚がありました。さらに、野球未経験のGMに対する不信感から、少しずつ信頼していくまでの感情の変化も大切にしたくて。その揺れをちゃんと辿れるように演じたいと思っていました。

――理紗も信念を持ってチームを導く人物ですが、俳優として「結果を出すこと」と「信念を貫くこと」のバランスはどう捉えていますか?

映像作品は、観てくださる方と直接向き合える機会が少ないので、「何をもって結果と言えるのか」は今でも正直よく分からなくて。ただ、この作品が誰かの日常の中でちょっとした力になったり、肩の力が抜けるきっかけになれたら、それだけで俳優を続けていく意味はあるのかなと思っています。

信念についても、自分の中でまだはっきりした答えがあるわけではなくて。芯のように持ち続けたい気持ちと、現場で生まれるものを受け取って変わっていく柔らかさ、その両方が必要なんだろうなと感じています。誠実に役と向き合い続けることしか今の自分にはできないので、それが結果として誰かに届いたらいいな、と思っています。

意識して“脳を空っぽにする時間”をつくっています

――CLASSY.読者は長濱さんと同世代で、仕事もプライベートも頑張り続けてしまう女性が多い世代です。忙しい日々の中で、心と体のバランスを保つために意識していることはありますか?

正直に言うと、今の自分はかなり仕事に気持ちが傾いていて、バランスが取れているとはあまり思えていないんです。家に帰っても台本を読んでいたり、気づけばずっと役のことを考えていたりして、頭が休まらない感覚があります。だからこそ最近は、意識して“脳を空っぽにする時間”をつくるようにしています。本を読んだり、好きなレゴに触れている時間はスマホからも離れられます。そうすることで、仕事を考えない時間を作るようにしています。

――そうした時間を意識するようになったきっかけは?

仕事が好きだからこそ、つい考え続けてしまうし、もっと頑張りたいと思ってしまうんですよね。でもあるとき、友人に「3カ月会っていないね」と言われたり、「久しぶりだね」と思ったらもう1年ぶりだったりして、“そんなに時間が過ぎていたんだ”と気づくことが増えて。同世代の友人たちが結婚や出産などそれぞれの人生を進めていく姿を見たとき、自分の人生を考えたら、人としての幅をもっと広げていかなければいけないなと思ったんです。
それからは、仕事以外の時間もきちんと確保しようと意識するようになりました。人としての幅を広げていく時間も大切にしながら、お仕事もプライベートも無理なく続けていけたらいいなと思っています。

Information

ドラマ『ストーブリーグ』は、Lemino・WOWOWにて全8話で放送中。韓国で社会現象を巻き起こした同名ドラマの日本リメイク。野球未経験のGMが万年最下位球団の再建に挑む“オフシーズンの戦い”を描く。新GM・桜崎準役の亀梨和也を中心に、長濱ねる、野村萬斎らが共演。崩壊寸前の球団に大胆な改革を仕掛ける桜崎の決断は、スター選手のトレードだった。勝利と組織の本質に迫る逆転の人間ドラマ。

撮影/上村透生 ヘアメイク/恩田のぞみ(Shiseido Co.,Ltd.) スタイリング/山本杏那 取材/池田鉄平 編集/越知恭子

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最新号 202605月号

3月27日発売/
表紙モデル:堀田 真由

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