【選択的夫婦別姓制度】CLASSY.リーダーズ&カップルズに聞いた「私たちが思うこと」
生き方も働き方もそして結婚も、従来の価値観から飛び出して、より自分らしく自由な形を模索している私たち。今回は、CLASSY.リーダーズ&カップルズに「選択的夫婦別姓制度」について、思うことを聞いてみました。
樟 杏莉さん(29歳・アパレルマーケティング)
『男性が家族を養うという考え方は少しずつ薄れてきているのに、「姓だけは夫に揃えるもの」という前提が今も強く残っていることに違和感を覚えます』
同棲している彼とは対等な立場でいたいという思いから、家賃や生活費はすべて折半。お互いに仕事を頑張りながら、将来の貯蓄も各々でしっかり築いていきたいと考えています。彼は一緒になる女性にも「自分らしく心地よく生きてほしい」という価値観の持ち主で、結婚する日が来たら、姓は公平な方法で決めよう!と話してくれたことも。私にとって結婚は、人生の区切りではなく延長線上にあるもの。だからこそ、何の話し合いもないまま姓が変わってしまうと、これまでの人生をリセットされてしまうような感覚に…。彼が女性だけが姓を変えるべきだとは思っていないことはありがたい一方で、どちらかが自分の姓を手放す現実には、やはり寂しさがあります。家庭内のジェンダーギャップが少しずつ薄れてきた今こそ、性別に関係なく、“自分らしさ”を守れる選択肢がもっと当たり前に広がっていけばいいなと思っています。
林谷絢音さん(27歳・法律関係)
『結婚後の弁護士資格。日本では旧姓登録が可能でも、海外では公的書類上の氏名との一致が求められ、旧姓での手続きには大きな負担が伴う現実。国内外で一貫したキャリアを築くためにも、選択の柔軟性が必要だと感じます』
4月から弁護士として働きます。昨年入籍し、戸籍上は夫の姓になりましたが、社会人になってから志した弁護士という道を支えてくれた親への感謝も込めて、登録名は旧姓を選びました。夫もこの選択については十分に理解してくれています。今後は5年以内に留学し、海外の弁護士資格の取得にも挑戦したいと考えています。ただ、調べを進める中で、海外では戸籍上の氏名を基準に手続きが進むことが多く、旧姓で資格を取得すること自体は不可能ではないものの、同一人物であることを証明するための書類準備や説明など、手続きが非常に煩雑になることを知りました。もしこのまま選択的夫婦別姓が認められなければ、日本では旧姓、海外では新姓という形でキャリア形成をせざるを得なくなる可能性があります。国内外問わず同じ名前で弁護士として歩んでいきたい、その思いが強かった分、この現実を知ったときは少しショックでした。名前は、これまで積み重ねてきた努力やキャリアそのものと深く結びついているもの。だからこそ、制度ひとつで将来の選択肢が狭まってしまうことに、やるせなさを感じます。
新居芙美恵さん(31歳・アパレル関連会社勤務)
『夫婦別姓でも幸せなパートナー関係を築いている海外の友人たち。日本に住む私たちにも別姓を選ぶ権利が認められてもよいのでは?と思います』
海外では、夫婦が別姓であることは特別なことではありません。一方、結婚時にどちらかが姓を変えなければならない国は国連加盟国のなかで日本のみ。もともと自分の姓に強いこだわりはありませんでしたが、生まれたときから一緒だった名前を手放すことには寂しさを感じます。夫婦が同姓でなくても成立している国があるのに、なぜ日本では夫婦別姓が実現できないのか、戸籍制度のあり方も含めて疑問を持つようになりました。事実婚は医療面をはじめとした制約を聞くと、個人的にはあまり前向きになれず……。また、たとえ日本で夫婦別姓を認められたとしても、その選択を認める価値観への移行にはきっと時間がかかると思います。必ず同姓でなければいけない、別姓でなければいけないという極端な選択だけでなく、各夫婦が自分たちに合った最適なあり方を選べる柔軟な考え方が広がり、それを支える仕組みも整ってほしいと感じています。
本田敦子さん(28歳・金融系勤務)
『母親も自分も一人っ子。「いい苗字なのに。残せないのは悲しいよね」と話し合ったことも』
昨年入籍し、夫の姓になりました。旧姓は特別珍しいものではありませんでしたが、それでも27年間ずっと名乗ってきて、呼ばれてきた大切な名前。姓が変わることを「人生第二章の始まり」と前向きに捉えようとしているものの、ふとした瞬間にこれまでの自分から離れていくような寂しさを覚えることがあります。私も母も兄弟がいないため、新姓になるということは、これまでの姓が途絶えてしまう可能性も。母が結婚した頃は、夫婦別姓という考えが全くと言っていいほど浸透しておらず、「苗字を変えることは当たり前」と自分に言い聞かせながら、モヤモヤとした気持ちを抱えていたそうです。現在の日本では、ビジネスシーンで通称名の使用が認められていますが、旧姓申請の手続きは想像以上に大変で、転職先では渋々新姓で登録することに。これまでの苗字で呼ばれる機会がほとんどなくなった今、より旧姓への名残惜しさを感じています。
島津由佳さん(28歳・化粧品会社)
山下智之さん(28歳・商社)
『「どうして私が姓を変えないといけないんだろう?」妻の一言で、今まで自分の中で当然だと思っていた“結婚すると夫の姓になる”は固定観念だったと気が付きました』(山下さん)
『結果的に別姓になっている私たちですが話し合いなしに“女性側が姓を変えるのが当たり前”にはしたくないと思っていました』(島津さん)
私たちは入籍する前にどちらの姓にするかをとことん話し合いました。きちんと話し合いがないまま女性が姓を変えるのが当たり前、という考え方には少し違和感があって…。実際、話し合う前は、彼も自分の姓にしてくれるものと考えていたようです。原則的夫婦別姓の中国にルーツを持つ彼ですが、日本国籍を取得した家族や友人の多くが夫の姓に揃えていることもあり、それが自然な流れだと感じていたのだと思います。ところが、婚姻届を出す段階で、片方が外国籍だと姓を統一する必要がないということが発覚。その結果、これまでの姓のままで生活することに。正直なところ、夫婦で姓が違っても何の支障もなく、むしろ様々な手続きが不要になったりと、メリットの方が多く感じられます。名前が変わらないことで、気持ち的に安心感もありました。夫婦別姓を望む友人も多いので、外国籍の人と結婚する人だけでなく、誰もが選択できる環境に変わってほしいと思っています。
撮影/イ ガンヒョン 取材/岸本真由子 編集/陣内素実 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年3月号「選択的夫婦別姓制度についてもっと話したい!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。
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