梅澤美波さん(27)「実は暑苦しいんです(笑)」乃木坂46キャプテンになって気づけたこと

乃木坂46の3代目キャプテン・梅澤美波さんの2nd写真集『透明な覚悟』。そこから放たれるエネルギーは、可憐さや透明感が際立つグループにおいて、少し異色かもしれません。前編で本人が「カッコいい女性になりたかった」と語る通り、本作には大人の包容力や慈愛が満ちているからです。今の彼女の強さを語る上で、キャプテンとしての「覚悟」は欠かせない要素。後編では、その立場になったからこそ気づけたことを中心に話を伺いました。

Profile

1999年1月6日生まれ、神奈川県出身。2016年に乃木坂46の3期生として加入し、2023年にグループの3代目キャプテンに就任。アイドル活動と並行して、俳優・モデルとしても活躍の場を広げている。近年の出演作に、舞台『キングダム』、映画・ドラマ『映像研には手を出すな!』など。2024年4月から『CLASSY.』のレギュラーモデルに。近年では、舞台や映画など、役者としての活躍も目覚ましい。

誰よりも、乃木坂46というグループにプライドを持っている

――2022年2月に乃木坂46初の「副キャプテン」に任命され、1年後にキャプテンに就任してから3年が経ちました。ここからは、梅澤さんのキャプテンシーを探っていきたいのですが、乃木坂46のキャプテンになったとき、最初にどんなことを心がけましたか?

人を指導する立場に立つとなると、全てのことに平均点を超えていないと、発言に説得力がなくなるじゃないですか。だから最初は、「私に何か言われたときに、違和感を持たれないような言動をしなければならない」というプレッシャーが重くのしかかってきて…。キャプテンとして説得力のある「生き方」をしないと、みんなが私から注意されたときに、素直に「はい」って言えなくなると思ったので、ダンスを上手く踊ろうとか、歌を上手く歌おうということよりも、グループに対する姿勢とか取り組み方、考え方をしっかり固めることを心がけました。

最初は何度となく、そのプレッシャーに押しつぶされそうになりましたが、私は誰よりも乃木坂46というグループにプライドを持っている自信があったので、自信をなくしかけた時は、それがいちばんの心の拠り所になりました。「乃木坂46はこう」と正確に言語化することよりも、「このグループの一員であることの誇りを誰よりも強く持とう」と心に誓ったんです。

――『透明な覚悟』のインタビューでは、グループのメンバーに「あなたたちは輝いているよ」と伝えることを心がけたとあります。

「自分は素晴らしいグループの一員なんだ」と思うことはプライドにもなる一方で、「私で大丈夫かな?」と自信をなくしてしまう要因にもなるので、メンバーの長所を見つけたら、どんな些細なことでも言葉にして伝えるように努めました。私も、先輩に褒められると嬉しかったし、自分という存在が周りにどう受け止められているかは、言われないと本当にわからない。ファンの方からはいろんな意見をいただいて、それが自分の自信につながったりもするんですが、同じ目線でいてくれるメンバーからもらう言葉はより切実というか…。自分たちも葛藤する中で、お仕事と向き合って、成果を出す。その過程を見てくれているメンバーからの言葉は、心の奥に届くものがあったので、「継承」という意味でも、私もそうしたいなと。

アイドルの悩みと社会人の悩みの共通点

――たとえば、メンバーが悩んでいる様子のときは、梅澤さんの方から積極的に声をかけるのですか?

相談は、されたら親身になりますけど、自分から「何かあった?」という声のかけ方はしません。その子にとって一番接しやすい人、話しやすい子、それぞれ悩みを話したい対象がいるはずなので、そこは出しゃばらずに。なんとなくそばに座って、話したい感じになったら聞きます。ただ、とくに後輩は素直でわかりやすい子たちばかりなので、辛いとき、悩んでいるときは、大体顔に書いてある。一緒に過ごす時間が増えていくと、本人が隠しているつもりでも、精神が不安定なときは手に取るようにわかるようになるんです。その領域まで行けると、「ああ、距離が近づいたんだな」と(笑)。

10代からこの世界にいて、最近気づいたのは、人はみんな似たような悩みや葛藤を経て成長していくんだな〜ということです。先輩たちも同期も、人との付き合い方やコミュニケーションの取り方で悩みながら、大人になっていったと思うんです。で、今は後輩たちが同じような悩みを抱えている。

面白いのは、ファンの方からいただくお悩みも、「上司が〜」とか「部下が〜」とか、意思の疎通に関するものが多いこと。場所が芸能界でも一般企業でも、学校やアルバイト先でも変わらないんですよね。どこであっても、「社会」というのは人が集まって成り立っているものなんだな、とあらためて実感しています。

――キャプテンとして、厳しく注意をしなければいけない局面に立ったときはどうするんですか?

キャプテンになりたての頃は、気になったことだけを本人に伝えた時期もありました。でも最近何か注意するときは、いいところも一緒に伝えることを意識しています。私とのコミュニケーションが、「今日、〇〇を注意された!」という印象だけで終わっちゃうと、精神的なダメージが大きいかもしれないじゃないですか。だから今は、「こういうところが素敵、だけどもうちょっとこういうところがあったらいいかもしれないよね」というような柔らかい伝え方を心がけるようになりました。ただ、このやり方が合う子もいれば、思ったことをバシッと言った方が伝わる子もいて。その子にとっていちばんいいやり方を探っていかなければならないので、そのためには日頃のメンバー観察というか。メンバーをちゃんと見ないとダメだなと思っています。

母と姉とは以心伝心。家族がいちばん私に甘いです(笑)

――優しさと厳しさとユーモアの中に、令和のリテラシーも踏まえたコミュニケーションですね。「理想の上司」に選ばれてもおかしくない完璧なキャプテンシーのように見えます。

いえいえ、本当にそんな大それたものではなくて…。後輩の前ではなるべくピシッとするようにしていますが、私は完璧なわけじゃないですし、同期には「自信がないよぉ…」みたいに、弱音を吐くこともあります。同期は、自分の欠点やダメなところを曝け出しても受け入れてくれるので、そこは、しっかり者として振る舞うところとのバランスが取れているのかもしれない。

でも、そもそもキャプテンという肩書きがなかったら、悩んでいる子がいても、今みたいに踏み込めなかったと思うんです。何か異変に気づいても、「私が言っていいのかな?」と躊躇している子が多いと思うので、今の私は、そういう「言いたくても言えない子」たちの思いも背負ってやっている感じです。

私、キャプテンとしてはかなり暑苦しいんですよ(笑)。ライブとか、変に気合いを入れすぎて、暑苦しい言葉をめっちゃ並べてしまったり、カミカミになってしまうこともあったりして。根が体育会系というか、思いが強く溢れちゃう。でもそこは、この立場になってから引っ張り出されたキャラクターなので。キャプテンという肩書きをいただいたことには、今は感謝しています。

――ご家族は、キャプテンになってからの変化に驚いていらっしゃいますか?

はい(笑)! 特に母は、ライブを観にくるたびに、「いつからそんなに喋れるようになったの?」「いつそんなに立派になったの?」と毎回驚いています。ただ母から、「元気?」という連絡の来るタイミングが、決まって私が悩んでいるときだったりして。「うわ、なんでわかるの?」っていつも思うんです。私の性格を誰よりも理解している姉からは、今も時々、「無理してるんじゃないの?」と言われたり、何か不安を抱えてステージに立っていたりすると、「今日ちょっと他のこと考えてたでしょ」とか、全部バレるんですよ。でも家族は、本当に私に甘くて。ライブの後は決まって、「美波がいちばん輝いてたよ!」みたいな、親バカなメールをくれます(笑)。

父は、仕事の上では人を引っ張っていく立場でもあるので、仕事のことで電話しているのを近くで聞いたりすると、家族としては知らなかったすごくリーダーっぽい一面が垣間見えて、「あ、一番心強い人が近くにいたな」と。私は父のことをとても尊敬しているんですが、人を引っ張っていくのがすごく上手で、相談したらすごく的確なアドバイスをくれるんです。私がキャプテンという重責を自分なりに全うできているのは、父のDNAを受け継いだおかげかもしれません。

Information

撮影・東 京祐

書名:乃木坂46 梅澤美波2nd 写真集『透明な覚悟』
撮影:東 京祐
光文社刊
発売日/2月3日(火)
定価/2800円(税込み)
判型/A4判ソフト
内容/168ページ
〈封入特典〉メッセージ入りポストカード1枚(全6種)

通常版のほかに、セブンネットショッピング限定カバー版、
楽天ブックス限定カバー版、Sony Music Shop限定カバー版も発売

▶︎写真集 公式Xアカウント @umeminami_2nd

撮影/東 京祐 取材/菊地陽子 編集/越知恭子

Feature

Magazine

最新号 202603月号

1月28日発売/
表紙モデル:堀田 茜