堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載。今回のテーマは“一人の時間”。“おひとりプロデューサー”として活動するまろさんから、一人の時間がもっと味わい深くなりそうなお話を伺いました。
結婚しても、一人で過ごす時間も大事にしたい。一人旅のコツも知りたいです!
【今月の茜のモヤモヤ案件】
結婚してからも〝一人でいるのが好き〟と言うと変な風に捉えられるときがあってモヤモヤします。おひとりさまのプロが考える、一人時間のメリットとその過ごし方が知りたい!
〈今月話し合いたいこと〉
一人=孤独?どんな風に捉えたらもっと楽しくなるのか考えたい
堀田:3年ほど前に番組でご一緒してからずっと、まろさんのインスタの旅記録や「おひとりさまホテル」の漫画を読んでいるので、またお会いできてうれしいです。前回はコロナ禍で、一人時間の充実をいろんなメディアが扱っていた時期でしたよね。それまでは「一人で過ごすなんて」と悲観的に捉えられることもあったように思いますが、今はだいぶ肯定的に考えられるようになった…と思いたいのですがどうですか?「結婚したばかりなのに一人でいたいと思うなんて」と言われたりすることもあるので、一人が好きだと言うことの難しさはずっと感じています。
まろ:すでにもう共感だらけです。私が一番最初に「一人が好き」と感じたのは女子高時代の一週間にわたる修学旅行。寝ても覚めても誰かと一緒じゃないですか。一人時間が皆無。みんなでワイワイできたのは楽しかったのですが、その時間の長さに疲れてしまって。ふと「一人になりたい」と思ったんです。
堀田:一緒です!私も女子校出身だし、一人が好きだと思い始めたのもその頃。みんなで騒ぐのももちろん好きだったけど、一人になった瞬間の静けさにホッと脱力できる自分に気付きました。そこから「一人って楽しいよね」と言い合える友達ができていくようになって。
まろ:私もその修学旅行中、みんなが来ない場所を見つけたときに、やっと気持ちのリセットができて息ができる感覚があって、それが幸せでした。私はその頃盛り上げ役だったから、人が集まってくれる幸せもあったんですけど、一人の時間が確保できてこそなんだなって。仕事を始めてからもやっぱり同じ。新卒でテレビ局に入社して大勢で行動することが多かったのですが、わずかなランチ休憩だけでも一人になるとリフレッシュできた。この一人時間の良さを言葉にできたらいいのにな…と思ったのが、今の仕事を始めたきっかけです。
本当の自分に気付けるのは一人時間だけどそれは誰かとの時間があってこそ
堀田:一人でいるとその日インプットしたことを改めて考え直したり、気持ちの整理ができたりしませんか?この時間があると、人や空気感に惑わされず、本来の自分の気持ちを見つけられるなって。たとえば、友達と買物に行って、一緒に何かを選ぶ楽しさはもちろんあるけれど、本当は必要でないものを買ってしまったりするんですよね。
まろ:その場のノリを冷静に判断して、あえて流されちゃう、という事故が起きますよね。
堀田:そう、空気を壊すのも嫌だからつい買ってしまったり。あれってなんででしょうね。謎の自己犠牲が発生します(笑)。
まろ:私も無意識のうちに気を遣っていることは結構あるんだな、と一人になったときの解放感で知ります。ただ一人旅を始めておもしろかった気付きのひとつが、誰かと旅行するときにモヤモヤすることが減ったんですよ。自分のこだわりは一人のときに発揮できるから。堀田さんも自分時間を大事にされているからこそ、誰かといるときにはあえて流されてもいいと思っていらっしゃるのかなって(笑)。
堀田:そうかもしれないです。好奇心は人一倍あるので、誰かが作る空気感や興味に乗ってみたい気持ちもあるんですよ。
まろ:私はこの間、友達の推し活に海外までついて行きましたよ。1曲も聴いたことのないアーティストでしたけど、ライブに行ってみました。去年はスキー好きな友達に雪山に誘われて20年ぶりに行ったりとか。大人になって、さらに一人が好きだと、苦手なことや興味のないことを避けながら生きられちゃうじゃないですか。でもこれって世界を狭めてることにもなるから気をつけなきゃと思っていて。興味がなくても行ってみると、みんながそれを好きな理由がわかっておもしろいし、友達が楽しそうな姿を見るとそれもうれしかったりして、一人で過ごすのと違う良さがある。
堀田:いいですね。私も友達の推し活、ついて行ってみたいです。一人の時間で心の余裕が持てていれば、誰かとの時間も尊重できるんですよね。結果、友達との関係も良好になるならそれが一番。
一人でいる心許なさを知ると人の温かさに気付けたり頼る練習になったりいいことが多いですよね
一人でいなければ知ることのない出会いやいいハプニングもある
まろ:私の場合は一人時間と、誰かといる時間のバランスも大事みたいで、どちらかに偏るとそれもストレスに。堀田さんは特に、お仕事で大勢に囲まれる時間も多いうえ、ご結婚されてパートナーとの生活もあるから、一人時間の確保が難しかったりとか、「一人が好き」と言うことで世間が向ける目が冷たかったりということも起きてしまうのではないかと思うのですが、どうですか?
堀田:そうですね。はじめに言ったとおり「結婚してまで一人が好きなんて…」と言われることもあります。あと私は当事者ではないですが、子どもがいると「子どもがいるのに親が一人で遊んでるなんて」と批判されちゃったりすることもあるようで。もっと一人時間への理解が進むといいな、なんて思っています。私は一人の時間があることで、パートナーや仕事先の人にも余裕を持って接することができるタイプなので、みんなにやさしく生きていくためには必要な投資時間を、批判の目に晒されるとなると辛い。
まろ:本当ですね。そんな人のために、私も一人時間のメリットをもっと伝えていけたらと思っています。「一人旅をどんな風に過ごしたらいいですか」ともよく聞かれます。一人がまだ苦手だったら、短時間で済むランチやお茶から始めるのもいいし、夜ご飯に出たいけど夜のレストランに一人でいるのはハードルが高いと思えば、オープンしてすぐの時間からだと、人が少なめで店員さんと会話もしやすかったりしておすすめです。そのあと夜カフェに行ったりする時間も取れるし。
堀田:一人で夜カフェ、素敵ですね。一人旅でちょっといいレストランに行きたいとき、どうしたらいいかと思っていたので早い時間に予約するのは真似したいです。
まろ:あとは一人でいるからこそ店員さんや現地の方とコミュニケーションが取れる楽しみもあります。向こうも大勢だと話しかけることを躊躇すると思うけど、こちらが一人だとそのハードルが下がるかなって。誰かといるときとは違うコミュニケーションが生まれるのも、一人時間の楽しみだと思います。
堀田:一人でいるからこそ新しいコミュニケーションが生まれるって、すごくおもしろい。
まろ:そうなんですよ。あとは人にSOSを出す訓練にもなります。この間一人で韓国に行ったとき、お店のウェイティングシステムが私のスマホでうまく使えなくて困ったことになって。私は一人でなんとかしようとしちゃうところがあるんですけど、店員さんが目配せしてくれていたから勇気を出して頼ってみたんですね。そうしたら丁寧に教えてくれてそれがすごくうれしかった。あぁ人ってこんなに助けてくれるものなんだな…と勉強になったし、人のありがたみを感じて、私も人にやさしくしようって思えた出来事でした。自分の一歩で人の親切心に触れる瞬間が生まれたことが、いい経験になりました。
堀田:私も基本一人でなんとかしようとするし「今忙しそうだから声かけるのやめておこうかな」と場の様子を自分で判断してしまうので、そういう機会を失っているのかも。「ひとり」と言っても、いろんな一人の形がありますね。
まろ:私が運営している「おひとりくらぶ。」という一人時間をテーマにしたコミュニティも「一人でいる楽しさを誰かとシェアしたい」という仲間が集まっています。「一人時間が好きな人が、誰かと繋がる」というおもしろさがありますよ。
堀田:誰かと繋がる社会だから、一人になる。でも一人だからって孤独ではない。まろさんのおかげで深い話になりました。今日のお話をふまえて、一人の時間がもっと味わい深くなりそうです。
まろ:そう、一人時間っておもしろいですよね。やっぱり一人が好きじゃなかった!という答えがあればそれもいいし。取り巻く環境や状況で感覚も変化していくので、決めつけすぎることなく、その時間が好きな今を楽しんでもらえたら、と思っています。
対談したのは…
まろ
●1992年生まれ。東京都出身。ひとり時間の意義を伝え、過ごし方の提案をするおひとりプロデューサーとして活動。自身のメディア「おひとりさま。」、ひとり時間で繋がるコミュニティ「おひとりくらぶ。」を運営。漫画『おひとりさまホテル』(漫画:マキヒロチ/新潮社)の原案を手がけるほか、著書に『おひとりホテルガイド』(朝日新聞出版)、『ひとりがいい旅』(ワニブックス)。企業のひとり客向け企画のプロデュースなども。
ほったあかね
●モデル、俳優。1992年10月26日生まれ、東京都出身。CLASSY.をはじめ多くの女性ファッション誌、ドラマに出演。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)レギュラー。『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(J-WAVE)ナビゲーター。2024年4月に結婚。
【堀田さん分】ニット¥23,650(MIESROHE╱MIESROHE ルミネ新宿1店)ピアス¥1,650(アネモネ╱サンポークリエイト)リング¥37,400(メゾンヴァジック╱ヴァジックジャパン)
※まろさんの衣装はすべて本人私物です
撮影/杉本大希 スタイリング/川瀬英里奈[堀田さん分] ヘアメーク/日高 咲(ilumini.) 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年2月号「堀田茜のほったらかしにしたらアカン!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
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