『暴君のシェフ』でブレイク!イ・ジュアンさん(29)初の東京ファンミの裏側「日本で次に訪れたい場所は…」

Netflixでも配信中の韓国時代劇『暴君のシェフ』で注目を集めたイ・ジュアンさんが今年12月、日本で初めてのファンミーティングを開催しました。日本語を学び、ファンと直接触れ合う日を心待ちにしてきた彼が語るのは、夢が叶ったいまの心境や、プライベートで各地を訪れた際の思い出、そして俳優人生のターニングポイントとなった作品への思い…。飾らない言葉の端々から、静かな情熱と誠実な人柄が伝わってきます。30歳を目前にした最旬俳優の素顔とは?

Profile

1996年1月24日生まれ。韓国出身。身長184cm、体重73kg。2018年、ドラマ『SKYキャッスル』で俳優デビュー後、『女神降臨』『五月の青春』『王の愛 ウォル〜幻想恋歌〜』などに出演。2025年8月から放送された時代劇『暴君のシェフ』で演じた大道芸人・コンギル役で強烈な印象を残した。同ドラマはNetflixで世界配信され、日本でも人気急上昇。また、同年9月、日本の芸能事務所アービングと業務提携し、日本での本格的な活動をスタートさせた。

「まさか自分にこんな日が来るなんて」初来日で叶ったひとつの夢

――今回がお仕事での初来日だそうですね。12月7日、初めて日本でファンミーティングを開催されましたが、最初、日本でファンに会えると聞いたときはどんなお気持ちでしたか?

「まさか自分にこんな日が来るなんて!」と驚きました。心のどこかで望んではいましたが、現実になるとは思っていなかったので、不思議な気持ちでした。

――日本での活動に興味はあったのでしょうか。

ずっとありました。ですから、今回、日本でファンミーティングを実施できて、一つの目標が叶った感覚です。

――日本語がとてもお上手ですが、いつごろから勉強を始めたのですか?

1年半ほど前からです。日本進出を目標に始めましたが、まだまだ勉強中です。

ピアノも歌も、ありのままで。ファンミに込めた素直な気持ち

――ファンミーティングでは、どんな姿を見せたいと思っていましたか?

飾らない、素のイ・ジュアンです。日常に近い一面を見ていただきたくて、ピアノや歌も準備しました。ただ、ピアノは大勢の前で弾いた経験がなかったので間違えないか不安でとても緊張したのですが、「ファンは自分を見に来てくれているのだから、少しくらい失敗しても大丈夫」と自分に言い聞かせて、なんとかやり切りました。

――歌も披露しましたが、もともと歌は得意だったのですか?

得意ではありません(笑)。ただ一生懸命歌いました。

来日は7回目。忘れられない、美しい街並み

――プライベートでも日本に来られていると伺いました。

今回で7回目になります。東京は2度目。これまでに静岡、沖縄、大阪、福岡を訪れていて、福岡には2回行きました。

――印象に残っている場所はどちらですか?

沖縄ですね。今年2月に初めて行きましたが、エメラルドグリーンの海が本当に美しくて感動しました。古い町並みや、石垣やレンガなど、沖縄特有の建物の雰囲気もとても気に入りました。

――静岡では富士山は見られましたか?

実はそのときは雲がかかっていて、全景は見られなかったんです。3泊4日ずっと…。でも今朝、滞在先の窓から富士山が見えて、「えっ!? うそ!」と驚きました。朝からとても気分がよくなりました。

――今後、日本で行ってみたい場所はありますか?

北海道です。冬の札幌がとてもきれいだと聞いていて、来年はクリスマスを札幌で過ごせたらいいなと思っています。

コンギル役は「自分へのプレゼント」

――イ・ジュアンさんといえば、時代劇『暴君のシェフ』で初めて知ったという方も多いと思います。この作品は、ご自身にとってどんな作品になりましたか?

自分のなかでは大きなターニングポイントです。新しい挑戦でしたし、もうすぐ30歳になる自分へのプレゼントのような作品だと感じています。

――コンギル役はオーディションで決まったと伺いましたが、どんな気持ちで臨みましたか?

正直、不安はたくさんありました。でも、できることは全力を尽くすことだけだと思って臨みました。

――コンギルは大道芸人であり、複雑な過去を持つ役でした。演じるうえで意識したことはありますか?

「秘密を抱えている人物」だと聞いて、どう表現するかを考えましたが、あの時代最高の大道芸人である以上、その秘密すら見せてはいけないと思ったんです。だから最後まで、芸人としての顔だけを見せ続けることに集中しました。その積み重ねが、終盤でいちばん生きたのではないかと思います。仮面を被る役でしたが、仮面を外していても、心の内では常に仮面をかぶっている人物。そう分析しながら演じていました。

アクションスクールには200回近く通いました

――大道芸人のアクションや殺陣も印象的でした。

前作も時代劇だったので、その際にアクションスクールで徹底的に訓練しました。200回近く通った経験が、『暴君のシェフ』でも大きな自信になりました。

――同作は天才フレンチシェフ(「少女時代」ユナ)が朝鮮王朝時代にタイムスリップし、悪名高い君主と出会うラブロマンスコメディー。劇中、たくさんのお料理が登場しましたね。

コンギルも食べたネギと海鮮のチヂミ(パジョン)は本当においしかったです。また、イベントにキャストのみなさんと出席した際、ドラマに登場したビビンバやステーキなども食べましたが、どれも絶品でした。

――『暴君のシェフ』はNetflixにて世界配信されました。配信後、日本からの反響も感じましたか?

日本でもたくさんの方が観てくださったことは実感しています。ただ、「大きな反響」と言うには、まだこれからだと思っています。

撮影/茉那実 取材/服部広子 編集/越知恭子

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