毎日を必死で回していると、家事も育児も「正解」がわからなくなる瞬間がある。そんな不安に寄り添うように、DAIGOさんが語ってくれたのは―「できるほうがやる。それだけで夫婦はラクになる」というシンプルな答え。役割を決めず、チームで支え合うこと。今しかない家族の時間を大切にすること。そして、明日の朝からできる小さな習慣。“完璧じゃなくていい”と肩の力が抜ける言葉が詰まったインタビューです。
Profile
1978年、東京都生まれ。2003年に“DAIGO☆STARDUST”としてメジャーデビューし、2007年にロックバンド「BREAKERZ」を結成。以降、音楽活動を中心に俳優・タレントとしてもマルチに活躍中。現在はテレビ朝日系『DAIGOも台所〜きょうの献立何にする?〜』に出演するなど、親しみやすいキャラクターと幅広い活動で支持を集める一方、プライベートでは2児のパパとして育児にも奮闘中。
役割を固定しない、がうまくいくコツ
――CLASSY.読者には共働き夫婦も多く、家庭での役割分担に関心の高い世代です。DAIGOさんは、夫として家事や分担で大切にしていることはありますか?
僕たちはどちらも芸能の仕事という枠にいますが、仕事内容も忙しさの波もまったく違うんです。だからこそ、僕たちが基本にしているのは “できるほうがやる” というシンプルな考え方。役割を固定しない、ということですね。ありがたいことに、2022年から『DAIGOも台所』という料理番組を担当させていただいて、そこから本当に料理ができるようになりました。以前はほぼ“ゼロ”だったんですけど(笑)。
今は妻が忙しい日は、朝起きて子どもたちの朝ごはんを作ったり、お弁当の卵焼きやウインナーを小さく切ったり、ブロッコリーをやわらかめにゆでたり。夜はカレーを仕込んでおく日もあります。「番組に救われた」と言ってもいいくらいです。番組がなかったら、今どうなっていたんだろうって思いますね。
――料理以外の家事も担当されますか?
しますね。掃除機をかけたり、洗濯をしたり。洗濯は、ほぼ洗濯機におまかせですけど(笑)。ちゃんと使い方はわかっています。
できるときは僕がやるし、妻が忙しい時期は自然と僕の担当が増える。逆に僕が忙しいときは、妻がさっと動いてくれる。“その瞬間にできるほうが、無理なくやる”。それが僕たち夫婦のスタイルなんだと思います。
夫婦でチームになる感覚で、お互いに無理をさせない
――スケジュール調整はどうしているのでしょうか?
僕たちは、お互いの予定を全部タイムツリーで共有しています。妻が大阪で朝ドラの撮影をしていた時期もあって、「この日、仕事入りそう?」「どっちが子どもの寝かしつけに入れる?」と、そんなやりとりを、日々欠かさずしています。
もちろん実家の家族に頼ることもあります。でも、僕たちが意識しているのは、“どちらかが必ず子どもと一緒に寝られる体制をつくること”。そこだけは優先順位を高くしています。幼稚園の送り迎えも、その日の状況で柔軟に。「今日は僕が行くね」「明日はお願いね」みたいに、役割を固定しないことがポイントですね。
――まさに、コミュニケーションが鍵ですね。
本当にそう思います。ちゃんと話して、お互いに無理をしないこと。夫婦でチームになるという感覚で、協力しながら回しています。完璧じゃなくていい。でも、話し合うことで状況は必ず良くなる。僕たちは、そんなスタイルで日々を乗り越えています。
子供と一緒に歩ける今って、実は一瞬なんですよね
――家庭の顔、タレント、ミュージシャン…。DAIGOさんにはさまざまな役割があります。忙しい日々の中で、“これは大切にしている”という習慣はありますか?
娘の幼稚園の送り迎えは、すごく大切にしています。いつか、“パパと手をつないで歩く”ことなんて、きっとしなくなるじゃないですか。大学生になって手をつなぐことは…まあ、ないですよね(笑)。
だからこそ、「一緒に歩ける今」って、実は一瞬。そのことを考えると、一歩一歩がすごく尊く感じられて。その時間が、仕事の原動力にもなっています。
――忙しい日々の中でも、そういう“今だけの時間”が励みになるんですね。
そうですね。娘が幼稚園に行って、下の子も幼児教室に行きはじめて、ふと昼に少し時間が空く日があるんです。そんな日は、サンマルクカフェに寄って、デニッシュにチョコバナナとソフトクリームが乗ったやつを食べたり(笑)。朝からですけどね。紅茶派なので、紅茶を頼んで、ゆっくり味わうんです。
朝は本当にバタバタですよ。朝ご飯を作って、お弁当を詰めて、子どもを着替えさせて…。
その全部が終わったあとに訪れる、“ふっと肩の力が抜ける時間”。あの瞬間がすごく好きなんです。2〜3時間の自由時間をどう過ごすかを考えてみる。それ自体が、僕にとって大事なリラックスタイムですね。
続けられる形でやってみる。それだけで1日がラクになる
――日々、仕事もプライベートも頑張っているCLASSY.世代の読者に、DAIGOさんからひとつだけアドバイスを送るとしたら?
アドバイス、ですか。うーん…パッと浮かんだのは“ASH”。
――ASH?
“(A)朝は、(S)白湯から(H)はじめよう”。これ、意外といいと思うんですよ。朝って、眠いし寒いし、なかなかスイッチが入らないじゃないですか。でも白湯を飲むと、胃腸がじわっと温まって、体の暖炉が動き出すような感覚があるんです。若いうちは気づきにくいけれど、年齢を重ねるほど、「健康の上に、全部の生活が成り立っている」って実感するようになります。だからまずは、自分の体を整えることを大事にしてほしいですね。
――たしかに、白湯ならすぐできそうです。
この記事を夜に読んでる人でも、数時間後の朝には始められる(笑)。ハードルが高くないのがポイントなんです。鉄の鍋で沸かす人もいますけど、そこまで気張らなくて大丈夫。ポットのお湯を水で割ってもいいし、ケトルでもいい。大切なのは、続けられる形でやってみること。体が温まると、1日がすごくラクになります。ぜひ、明日の朝から試してみてください。
Information
『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』
12月12日(金)全国ロードショー
初のクリスマス・ムービーとなる本作は、「子どもたちの願いを叶えたい」という想いを胸に、トーマスたちがチームワークで奮闘する物語。オリジナルのクリスマスソングも多数登場し、仲間を思いやる心や温かな絆が描かれた1本です。ゲスト声優には、9年ぶり2度目のトーマス映画出演となるDAIGOさん、今回が人生初のアフレコとなる子役・倉田瑛茉さんが参加。

© 2025 Gullane (Thomas) Limited.
撮影/島津美紗 スタイリング/林峻之 ヘアメイク/山本奈穂 取材/池田鉄平 編集/越知恭子
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