里田まいさん(41)「夫とは仲良しです」結婚から13年、夫婦円満の2つの秘訣

トップアスリートの妻であり、2児の母でありながら、タレント活動やブランドプロデュースも手がける里田まいさん。前編では、悩みながらもひたむきに仕事に取り組んだ20代のアイドル・タレント時代の話や、CLASSY.世代のお悩みに答えていただきました。後編では、里田さんがいつも笑顔を絶やさず、ポジティブな状態をキープしている深い訳や、夫婦関係のコツ、起業した理由など、学びがいっぱいのインタビューをお届けします。

Profile

1984年生まれ。札幌市出身。2002年「カントリー娘。」の新メンバーとしてデビュー。卒業後はタレントとしてバラエティ番組やイベント、雑誌などで活躍。「クイズ!ヘキサゴンⅡ」から派生したユニット、Pabo、アラジン、里田まいwith合田兄弟、など数々のユニットにも参加。2012年プロ野球選手の田中将大氏と結婚。2014年に渡米し、7年間のニューヨーク生活を経て、帰国。2児の母。

仙台、NYに行っても「引退します」とは言いたくなかったんです

――お仕事がとても順調な中で、結婚して、仙台とニューヨークで専業主婦の時期を過ごされました。後ろ髪を引かれるような気持ちはなかったですか?

結婚したのは、夫がメジャーリーグに行く少し前でした。大事な時期だというのもわかっていたので「そこに私も一緒に専念したい」という価値観になりました。彼が、そう思わせてくれる人ということもありがたくて、本当に私は恵まれているなと思います。後ろ髪は引かれませんでしたね。

でも、「引退します」とは言いたくなかった。何があるかわからないし、状況は変わる。もし彼にケガなどがあって働けなくなった時、私が仕事を続けていれば違いますよね。
若い時ってまっすぐだから、偏った決断をしてしまいそうになるんです。その時はいいと思っても、20代って、そこまで決めつける年じゃない。状況も人の心も変わるから、あまり何かに依存しすぎない方がいい。人生には「まさか」があるから、どこかに仕事は置いておこうと。だから断言はしたくなかったんです。

 

――仕事をどうするか、旦那さまと相談されたのですか?

仕事に関して、夫から「こうしてほしい」と言われたことも一度もないですね。本当にありがたいです。お互い、仕事の方向性については自分で決めてきました。夫の仕事について、ニュースで知ったこともあるくらいです(笑)

妻として私にできるのは、“心配しないで思いきりやってきて!”と言えること

――メジャーリーガーの妻として、何か心がけていたことはありますか?

夫には、ケガなく結果を出して、充実した野球人生を送ってほしい。その思いから、「私はとにかく明るく元気でいよう」と決めました。それが自分にできることだと思ったんです。
英語が堪能なわけでも、人脈があるわけでもない私が彼のためにできることは何だろう?と考えたとき、「私のことは心配しないで、思いきりやってきて!」と言えるよう、いつも健康でいることを心がけていました。

 

――そのポジティブさは、自然体の里田さんのキャラクターですか?それとも、そうなろうと意識していたのですか?

最初からここまでではなかったかもしれないですね。メジャーリーガーの奥さんたちとの出会いも大きかったです。彼女たちは、みんなエネルギッシュでパワフル。もうそれだけで救われるぐらい。「明るく楽しくいる」と聞くと、なんか簡単そうだけど、実は簡単じゃなくて。勝負の世界なので、大変なこともたくさんあります。それを全部笑い飛ばすぐらいの精神力やパワーを彼女たちから感じて、自分もそうでいたいな、と思わされましたね。

「メジャーリーガーの妻」って、きらびやかに見えますけど、アスリートって、うまくいかないことの方が多いんです。妻たちは、その横でめちゃくちゃ頑張っているし、やり場のない思いを抱えて耐えていると思います。だからこそ、彼女たちは強い。大変な中でも一緒に励まし合って、いつも楽しくいるよう頑張りました。彼女たちから本当にたくさんのことを学びましたね。

相手のミスは責めない。むしろ“人のミスって安心する”くらいの気持ちで(笑)

「夫は勝っても負けても全然変わらないし、家庭にそれを持ち込まない人。私も彼が負けた日は胸が張り裂けそうになるけれど、すぐに気持ちを切り替えて変わらずいることを心がけています」。Instagramでも夫婦ショットがたびたびアップされる仲良しぶり(写真:本人提供)

――お話から、すごく素敵な夫婦関係が伝わってきます。仲の良いご夫婦でいる秘訣は何ですか?

言葉ですね。「伝え方」に尽きるような気がします。家族にはぶっきらぼうになったり、感謝をうまく伝えられなかったりしますよね。でも、そういう言い方は、友達には絶対しないじゃないですか。大切な相手ほど「大事にしなきゃ」と頑張るし、言葉も選びます。私たち夫婦も、お互いに強い言い方はしないですね。相手に何かお願いする時は、ちょっとしたことでも「ありがとう」と声をかけます。別にそれを大切にしようね、という約束をしたわけでもないのですが、そのおかげで仲良しです。

あとは、お互いのミスを責めないのも、円満の秘訣かもしれません。私自身「郵便ポスト見てね」って言われても何回も忘れてしまうので、相手のミスは責めません。むしろ、人のミスは安心する(笑)。夫からも、ミスを責められたことがないんです。ミスをしたことを隠されるよりは、ミスしましたって言える関係性でいることを大切にしたい。夫婦でも、親子関係や仕事でも同じですよね。

起業できたのは、NYの女性に勇気をもらったから

――ブランドの起ち上げなど、新たな挑戦もされています。どのような想いがあって始められたのですか?

NYの友人たちは、子どもを産んで起業する人や、すぐに仕事復帰するという人がすごく多かった。今は子育てが大変でも、その先の自分の人生もある。 少し無理をしてでも、自分のやりたいことを頑張ってみる、という姿がいいなと思ったんです。

彼女たちに共通しているのが、自分の趣味を持っていることと、思い立ったらすぐ行動を起こすこと。そこはすごく見習いたいなと。私に何かできることがあるかな?と思ったのがきっかけです。プロデュースしているブランドでは引き続き、自分の中ですごくこだわって、温めて、丁寧に差し出せるようなものを、時間をかけて作っていきたいなと思っています。

好きなことでリフレッシュして、いつもご機嫌なお母さんでいたい

――今、何か夢中になっていることはありますか?

最近テニスをやっていて。週に1回のレッスンと、そのためにジムも週に1、 2回。それがもう楽しくて!子どもがいない時間に、自分がリフレッシュできる時間です。

母親って、本能的に家族とか、子どもの事をどうしても優先してしまう。でも、あえて自分の趣味を早めに持とうと思ったんです。まだ動けて元気なうちに、ちょっと無理してでも、やっておこうと。

そう思ったのは、私の71歳の母の影響。母もテニスを長年やっていて、そのお仲間たちと楽しんでいるという話を聞くと安心するんですよ。元気で楽しんでいる親がいると、子どもって安心するんだって気づいたんです。

今、うちの子たちは手がかかりますけど、母のような70代になるためには今からやっておかないと!と思って。毎週テニスでめちゃくちゃリフレッシュして、ご機嫌で家に帰ります。

 

――趣味を持つことで、気持ちの面でも変化はありましたか?

NYで一男一女を出産。「異国の地での子育ては想像以上に大変で、上の子が3歳になるまではうまく周りに頼ることができずにいました。現地の友人や両親にも助けられました」。写真は昨年、親子での夏休みショット。(写真:本人提供)

夢中になれることができてからは、余計なことをあまり考えなくなりました。人がどうとか、周りがどうとか、そういうことが気にならない。「周りは周り」と言いながらも、やっぱり気になってしまうのが人間ですよね。SNSのコメントに心を持っていかれないようにするのは難しいけれど、何かに夢中になっていると自然と意識が向かなくなる。

言葉が簡単に飛び交う世の中、色々と言われることもありますが、楽しいことがあると気にならなくなるんですよね。私は強い人間じゃない。だからこそ、夢中になれることを大切にして40代を過ごしていきたい。ご機嫌になって帰ってくるお母さんを続けます!

information

「本当に毎⽇使えるものを作る」がコンセプトの里田まいさんプロデュース“THE MINE COLLECTION”から「毎⽇着られる割烹着」とエプロンが登場。毎⽇着られるデザインと着⼼地にこだわり、⾥⽥まいさんのアイディアが細部に宿る一枚。丈夫で繰り返し洗濯でき、ノンアイロンで気持ちよく着られる割烹着です。

カラー:ライトグレー、ネイビー、ブルー
価格 :1万円前後
発売時期:2026年2⽉頃予定
https://theminecollection.jp

ニット¥29,700(エンリカ) ベスト¥36,300 パンツ¥23,100(ともにティッカ)靴¥64,900(ネブローニ) スカーフ¥22,000(マニプリ) イヤリング・靴下/スタイリスト私物

【SHOPLIST】
エンリカ enrica.jp
ティッカ ticca.jp
ネブローニ nebulonie.jp
マニプリ manipuri.jp

撮影/山村祐太郎 ヘアメーク/桑野泰成 スタイリング/徳永千夏 取材/加藤みれい 編集/越知恭子

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最新号 202601月号

11月28日発売/
表紙モデル:山本 美月