【アーティストfoxcoさん独占イタンビュー】ロンドンでのお買い物事情やベストバイなどファッションについて深掘り

先日、初の空間も含めたインスタレーションの展覧会を東京にて行ったfoxcoさんがCLASSY.に初登場! インタビュー後編では、アーティストとしてワールドワイドに活躍する彼女のファッションや2024年のベストバイ、構成する大切なものをキーワードに深掘りしてきました。

「最近はかっちりとした服も好き」と話す真相とは

――とっても素敵なセットアップですね。それはもしかして…?

トム・ブラウンのものです。このアシンメトリーのミニスカートがとてもかわいくてお気に入りです。CLASSY.さんに初めて出させていただくということで私なりの一張羅でコーディネートを組んでみました! ミニ丈なので子供っぽくならないよう、シースルーのハイソックスとシャネルのヒールでレディに仕上げてみました。

――とてもお似合いです! ちなみに30歳の節目で購入したものってありますか?

シャネルのツイードジャケットです。その年にちょうどショーに呼んでいただいてお借りした衣装だったのですが、とっても気に入っていたので後からお問い合わせして購入させていただきました。ジャケットに腕を通すと背筋も通って、似合う女性でありたいと強くなれる気がします。服が持つ力を感じた一着で、本当に買ってよかったなと思います。

――SNSで私も拝見しました、とても素敵なお召し物でしたよね。では、キャリアの起点で購入したものってありますか?

エルメスのリングです。まさに今日つけているものですね。私がイラストレーターとして独立を決めたときに買ったものです。その当時のエルメスのクリスマスアニメーションやキャンペーンを見て、「私もこういう感動やあたたかさを渡す人になりたい」と強く思った瞬間でした。

foxcoさんが2024年買ってよかったBEST BUYとは

――お買い物上手な印象ですが、2024年に出会ってよかったものなどはありますか? 

最近はお買い物というより、個展関連のグッズがどうしても多くなってしまいますが、原画の色合いをとてもよく表現したDNPさんに制作いただいた複製原画ボトル、フィギュア、中でも一番はキャンドルが思い出深いです。Yenabellさんにお願いをして作っていただきました。見えない存在もテーマになっている展覧会なので、同じく“見えない”香りが展覧会の記憶として残ってくれるといいなという、願いも込めました。トートバッグも刺繍にしておばけいぬが星座となっているのですが、昼と夜を繰り返したり、命がグルグルとめぐったりしているような表現をデザインにしています。

グッズ以外でいうとロンドンにあるのですが、ドリスのリップやエルメスのカシミアスカーフ、アスティエとサカイのプレートも買ってよかったものです。ドリスのリップは本店に行った時に購入しました。つける度に行ったときの高揚感を思い出しますね。エルメスのスカーフはメンズ60サイズのシルクとカシミアのものを購入しました。手でなので首周りに纏いやすくてお気に入りです。プレートはパリへ旅行に行ったときに出会ったもので、とてもかわいくて一目惚れしました。

――旅先でのこういった出会いは特別に感じてしまいますよね。お買い物する上で気をつけていることやマイルールはありますか?

昔はかわいいと思ったものを衝動買いしていることが多かったのですが、最近はずっと使えるかどうかを考えるようになりました。できるだけ長く使える、そして心ときめく素敵なものを買っています。

foxcoを構成する6つの要素

――ファッションもfoxcoさんを構成する大切な要素にはなると思いますが、ほかに自分を構成する6つを挙げるなら?

では、最近の私を構成している6つをご紹介したいと思います。

1つはおばけいぬ。今回メインでのアートピースで、購入もできる作品なのですが、ここ2年ほどずっとメインテーマに据えてポーズや光りかたや形を彫刻家の方と話合って制作したものでとてもこだわり抜きました。

2つ目はチーム。展覧会に際して最近は個人ではなくチームでの動きが多くなってきたので、今の私を構成する大切な一つです。

3つ目は。犬はわたしのミューズのような存在で、お世話にもなっている感覚があります。今回オンラインショップで販売する INDEPENDENT DOGSプロジェクトのスウェットは保護犬・猫施設に売上の一部を寄付します。

4つ目はデザイン。展覧会にはイラストレーション以外にグラフィックデザインまわりも制作しました。デザインも楽しいし、私を構成してるひとつだと思います。

5つ目はイラストレーション。イラストはわたしを構成する大切な要素。今回のものはロンドンで制作した「The Longest Night」のために書き下ろしたペインティングです。

最後6つ目は。2年前にロンドンに渡り、冬の長さ、暗さ、そしてそこに灯る光にフォーカスした作品が作りたいとずっと思っていたので、夜が今わたしを構成するひとつです。決して暗い夜ではなく、朝を楽しみ待ち侘びる感覚がこの2年間で感じていたことです。

――すべてが今のfoxcoさんを構成するものであり、今回の展覧会にも表現されていると実感しました。ちなみに夜のルーティンなどはありますか?

お風呂でちょっとキャンドルを焚いて過ごしてみたり、ダラダラしたり。とにかくゆったりと過ごすことが多いです。仕事とプライベートを切り離すのがとても難しい職業ではあるので、いい香りのものをそばに置くことは大切にしています。今回作ってくださったキャンドルの香りを楽しみながらリラックすることが最近のルーティンです。

――では最後に、2025年挑戦してみたいことはありますか?

今はこの年明けひとつめの展覧会でインスタレーションを展示することが一番挑戦したいことだったので、まさに「一つの挑戦が叶った」タイミングでした。ロンドンで学んだアニメーションも登場しますし、この2年のロンドン生活でのインスピレーションやいままでを表した集大成のような空間です。人と何かを制作をする喜びや楽しさはロンドンで生活して学んだことだったので、今回の制作期間もとても充実した時間を過ごすことができました。チームだとできることが増えるのでこれからも楽しみです!

――京都の新風館で行われたポップアップも大盛況でした。

以前はエースホテル内で展示をさせていただいたのですが、その際に訪れた新風館さんがとても素敵で、何かできたらいいなと思っていた矢先、素敵なお声がけをいただけました。展覧会ではなくポップアップなので少しアットホームな雰囲気で、関西方面の方に多くいらしていただきとても良い時間を過ごせました!

foxcoさんって?

1990年6月25日生まれ、東京都出身。“foxco(フォクスコ)”という名前でアーティストして活動。高校時代をカナダ、大学1年間をパリ第一大学(ソルボンヌ)芸術学部で過ごし、イラストを描き始める。その後外資系IT企業にて広告運用のコンサルをしながら、2016年の冬にイラストレーターの仕事をスタート。その後、2017年6月に独立。個展はもちろんのこと、ファッション誌のイラストワークやブランドとのコラボレーションなど多くのフィールドで活躍。2022年にロンドン芸術大学大学院へアニメーションを学ぶために留学し、2024年に卒業。現在はロンドンを拠点に世界で活躍するアーティストに。

「The Longest Night」とは

1月8日〜19日の期間限定で東京・青山のスパイラルガーデンにて行われた、focxcoさん自身では初となるインスタレーションを含む展覧会。メインの手法であったイラストレーションやペインティングに加え、アニメーションやインスタレーションなどの新たな表現をここで披露。また、イギリス・ロンドンでの生活を通して広がった価値観やインスピレーションをもとに、新たな可能性や世界観を表現することができたまさに自身最大規模かつ、集大成のような空間が広がります。

撮影/飯塚康平 取材/石津愛子 構成/大島滉平

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最新号 202504月号

2月28日発売/
表紙モデル:宮本茉由

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