結婚前に見抜きたい!【モラハラ彼氏】の特徴と上手な別れ方

なんで結婚前に気づけなかったんだろう…という後悔を回避するために!「結婚した途端に彼の態度が豹変した」というあるあるなエピソードを語ることがないよう、専門家に解決策を聞いてきました。読者が経験したモラハラ実例とともにお届けします!!

結婚前に“モラ彼”を見抜く方法が知りたい!

「モヤっとすることもあるけど実害があるわけじゃないし…」の違和感を無視するな!10年以上モラハラ対策を発信&カウンセリングし続けるJoeさんに確認事項を聞きました!

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こんな彼は、モラハラ予備軍かも!?

【モラハラセンサーその一】
いつも誰かの悪口を言っている
今はあなたの悪口でなくても、いつもそんな話をしているということはいつか自分が言われる対象になりうる可能性大。悪口を言うのは自分の満たされなさの表れ。誰かを下げて自分の正当性を証明した気になり、束の間救われる自愛のやり方に慣れてしまっている人です。これはSNSでも多く見られる現象。息をするように悪口を吐き出している人がいますよね。それが癖になっていて、何年もそのやり方で生きているはず。結婚生活がはじまると、ハラスメントでなくても愚痴の聞き役になったり、自分が悪口を言われる場面も少なからず出てきますが、そのパターンで生きてきた人にとってはそれが日常。悪口を言うような精神状態の逆境を力に変える発想はありません。「人の悪口多いな」と少しでも思ったら要注意。

【モラハラセンサーその二】
身内に偉そう
深い関係ではない相手には社交的だったりヘラヘラしていたりするのに、家族に対しては態度が変わって偉そうな人。それはあなたが身内になったら態度が変わる可能性を十分に含んでいます。今あなたに丁寧な態度だったとしてもそれはまだ釣っていない魚で優しくしないと逃げてしまうから(余談ですが浮気相手に優しい人はこれと同じ理由)。結婚した後もそうでい続けるケースは稀。身内だけは別の扱いになるのが彼にとってのスタンダードです。また、自分より立場が弱い人…会社の部下だけがいる環境とか、店員さんやタクシーの運転手さんに途端に偉そうになる人も同じ。自分の優位性が高い場面になると遠慮がなくなり、平気でその場を支配しようとする人、多くいます。

【モラハラセンサーその三】
自分より母親の顔色異常なほどのマザコン
異常なほどに母親の言いなりだったり、媚びていたり、顔色をうかがうマザコン。結婚したら自分にもそう接してくれるんじゃないか…という淡い期待は捨てましょう。母親だけでなく、実家の家族たちに必要以上に執着している様子があれば、それもまた危険信号。「その二」と似ていますが、彼にとって家族に見せるのは別の自分。普段あなたの前では凛としているのに母親の前では急に子供っぽくなるなど、えげつない人格切り替えの背景には、なにかしらの精神的な歪みがあります。もし彼にとってあなたが第二・第三の家族と捉えられた場合、その歪みからくるものを何らかの形でぶつけられるかもしれない…と思っておくほうがいいでしょう。正直「みんなの前で平等にやばい人」のほうが裏表なく一貫性があるので対処しやすいです。

【モラハラセンサーその四】
こだわりが強すぎる
「これはこうじゃなきゃダメ」が多い人や、「俺のこだわりはこれだからこうしてくれない?」の相談でなく「こうするのが常識だよ」と自分ルール(彼からすると常識)を強要してくる人。はっきり言って結婚するべきではありません。たとえばTVのリモコンを使ったとして「リモコンの場所はここだから使ったらすぐ戻して。置き方はこう。なんでこう戻せないの?」と、自分と考えが同じで当たり前だと思いこんでいる人。常識はみんなにとって同じでないことを理解できない人はどんどん要求してくるし、あなたが全部応えられるわけもないですよね。彼からすると「お前のほうが常識外れだ」という受け取り方だし、話し合いをしても「迷惑を被ってるのは俺のほう」という解釈をしてしまう。あなたが許容できる範囲のこだわりだったとしても、強要をされるようであればそれはモラハラです。

ちなみにこんな考え方はモラを誘発してしまうかも...

「この人には私しかいない」

この考えは彼に問題や欠陥があると認識している表れ。「彼のことは私しか理解ができない」という“活躍欲”によって心がときめいて、一緒にい続けてしまう方は多くいます。でもそれは彼が調子に乗るだけ。それなのに結婚してしまい「こんなはずじゃなかった。私はボランティアじゃない」と訴える方が多いのもまた現実。この考えで結婚を視野に入れるなら、彼の欠陥を受け入れるボランティア精神は何十年継続できそうかを一度考えてみてください。モラハラを防ぐには「愛情で優しく包もう」の慈愛精神でなく、早い段階で「調子に乗るなよ」と凛とした態度を見せて2人の関係性を自分が操作する覚悟も必要です。優しさと冷たさを上手に使い分けて。

教えてくれたのは…モラハラ対策カウンセラー・Joeさん

モラハラ対策カウンセラー・Joeさん
各SNSやブログ、メルマガでモラハラの分析、対処法の提案を発信。「離婚しないモラハラ対処法Joeメソッド」が多くの支持を集める。著書に『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』(SBクリエイティブ)他多数。

もし、“モラ彼”と付き合ってしまったら。

別れを選ぶより先に、相手の改善を考えたい…。その手段と、モラハラの関係性ができてしまう理由をカップルカウンセリングのセラピストである先生に聞きました。

こちらも攻撃的にならない。自己肯定感を保ち、困ったら専門家に頼るのも手

モラハラをしてしまう人には自尊心の低さが隠れていることが多く、自分の弱さを認めることが辛いので、優位に立って相手をコントロールしようとしたり、相手が間違っていることにしたがったり、攻撃したりという行動に発展していきます。モラハラされる側も、相手が機嫌良く過ごしているほうが楽だと考え、気遣いを超えた範疇まで我慢を続けてしまいがち。その積み重ねでモラハラする側は「こうすれば自分の思い通りになる」と無意識の行動学習をして、上下関係を作り上げてしまいます。彼にモラハラを直してほしいと考えるなら取れる手段は3つ。

攻撃的にならない伝え方をする。モラハラをする人は批判されることに敏感。「私はこうされたらこう感じて辛いんだ。こうされるのはあまり好きじゃないよ」などとアイメッセージ(自分が主語になる言い方)で伝えましょう。「こういう風に言ってくれると助かるよ」と解決策の提案もできるといいですね。コミュニケーションは相互作用なので、こちらが攻撃的に言うと相手も攻撃的になってしまうもの。これはモラハラ関係でなくても、すべての人間関係に言えることですよね。ただ、伝えたメッセージを受け取るかどうかは相手次第。発信側はそれ次第で今後の関係性について考えてみると良いと思います。

相手と立場を対等に保ち、自己肯定感を維持すること。自分に責任を帰結させないこと。「これをした私が悪かったんだ」という考え方はとりあえず物事が片付いた感じがするのである意味楽。でも何の解決にもなりません。相手の不適切な行動を許す必要もありません。パートナーシップって、相手が嫌なことはしないことが基本ですよね。時折「許さないほうが悪」の流れに陥ることもありますが「私が嫌だから許せない」という主張は何ら間違いではありません。許さない姿勢、これ以上は無理、という境界線は決めておいて。

セラピーに頼る。そういう場所に頼る時点でハードルが高いかと思いますが「最近2人の関係がうまくいってないから専門家に話を聞いてみない?」とライトに誘ってみれば相手のせいという印象も与えずスムーズだと思いますよ。

“モラ彼”との別れ方は...?

何度話しても改善に向けた努力が見られない場合や、言動がエスカレートしてきたときには別れの選択を。自分の安全を最優先にすべく、気をつけたいことは。

①安全を確保し別れ話を/日時と場所を知人に共有

②人が多い場所で(メールやLINEも可)

③一貫した態度で臨む

①②相手に暴力的な傾向がある場合、家など2人きりの密室は避けて。第三者がいる状況なら相手のヒートアップをある程度は抑制できるので、カフェで話をするなど安全が確保できる環境を作ってみてください。直接話さなければいけないルールもないので、メッセージのやりとりでも十分です。「私には一切の話し合いの余地はありません」と一貫した姿勢を。許したくなる気持ちが出てきてしまうこともあるかと思いますが相手はその隙を見逃さないので、論破されたり、相手が期待を抱いてストーカー化してしまう可能性も考えられます。

実際モラ彼と別れるのに苦労した人も

モラハラがエスカレートし、私の人格否定が日常になり、その言葉を受け入れなければ大声で怒鳴られることが続くようになったので別れを告げたら彼がストーカー化。怖くて強い態度を取れなかったから隙をつかれたのだと思いますが『お前は俺がいないと生きていけないんだ』と家や会社の前で待ち伏せ。SNSで嫌がらせをしてきて自分の存在を誇示してきたり。連絡先や住まいを全部変えてやっと断絶できました。相手に萎縮してしまう前に別れを選ぶべきだったと思っています」(30歳・IT関連業)

教えてくれたのは…臨床心理士、公認心理師・吉田 亜里咲先生

臨床心理士、公認心理師・吉田 亜里咲先生
臨床心理士、公認心理師によるカップルセラピーを提供する『COBEYA』セラピスト。11月末、モラハラ被害者向けの講義・ワーク・カウンセリングが全10回セットになったオンラインプログラムをローンチ。詳細はCOBEYAサイトへ。

こんな彼は『モラハラ予備軍』かも!違和感エピソード7つ

女子会で盛り上がる、“元カレがこんな彼だった話”。CLASSY.読者にアンケートを取ってみたら出るわ出るわ、モラハラエピソード…人の振り見て我が振り注意!

1.「〇〇ってさ、鼻低いよね」

容姿についての特徴をただ話すだけにとどまらず「コンプレックスだからいじられるのが嫌だと言っているのに、執拗に指摘してきて、やめてくれない」(27歳・広告関連業)というがっかりエピソードから、「直しようがないのに『胸が大きかったらもっと好きだったかも』と言われた」(32歳・自営)「痩せなかったら結婚はナシね」(30歳・飲食関連)など、見た目を引き合いに違う条件を提示された人の声も。

2.「髪型はこう、服装はこういうのがいいよ」

彼の好みに合わせると褒めてもらえるのがうれしくてつい彼の好きを追求しちゃってたけれど、それがよくなかったのか彼好みじゃない服を着ていると『今日やる気ないね』とあからさまに不機嫌な顔をされるようになった」(32歳・アパレル関係)「まるでブラック校則だった彼。巻き髪NG、派手な下着NG、ヒールのある靴は自分とデートするときだけOKと、意味のわからないルールを押し付けられるのに、こちらが彼の服装のダサさを指摘すると不機嫌に」(26歳・IT関連)など、容姿の指摘とはまた違う強要エピソードも。

3.「う~ん、悪くはないんだけど...この調味料入れたらもっと美味しくなるよ」

私の作るものを全部味変してくる人とは一緒にいられないと思った」(34歳・マスコミ関連)「甘口の卵焼きで育ったのでそれを出したら彼はしょっぱい卵焼き育ちだったらしく『変なの』と言われた。自分と違うことは『変』で片付けてくることが多くて、あまりの心の狭さに別れを選びました」(29歳・金融関連)など、育った文化の違いを受け入れられない人…。食事は毎日のことだから押し付けになると厳しいですよね。

4.「エアコン、俺がいないときはちゃんと消してね」

俺が生活の中心だと思っている亭主関白系の彼に当たると大変。「明らかに亭主関白なご家庭で育った彼は、私が作ったご飯も自分が好きなだけ取って私に残された量が1/4しかないなど日常茶飯事」(29歳・サービス業)「私が自分で稼いだお金かつ、自由に使っていい枠のお金で買ったものに対して『そんなことにお金使うなら俺に還元してほしい』と謎理論」(27歳・美容系)などジャイアンエピソードも多く寄せられました。

5.「その話、あと何分?」

話し合いができない彼もモラハラ一味と考えてよし。「機嫌が悪いと突然無視がはじまる。理由を聞いても『俺のこと何もわかってないね』の返事。はい、わかりません」(36歳・医療関係)「2人で決めた生活習慣を守らない彼。何度注意しても『次からやるよ』と受け流すだけなので怒ったら『そんなことどうでもよくない?』と言い出した挙句『もう寝たいんだけど、その話、あと何分?』。一緒に家庭は築けないですよね」(32歳・金融関連)

6.「今のままじゃ全然ダメだよね、もっと仕事頑張ったら?」

ハイスペで頭がよくて私より3倍以上稼いでいる彼。私は私なりに頑張っていて余裕がないのに、彼からすると私が怠け者に見えるのか『資格とか取ったら?』『もっと頑張ってる人、いっぱいいるんだよ?』と他人と比較されるのが辛かった」(33歳・事務職)。またその真逆を行くがっかりエピソードも。「忙しそうにしていると『養ってあげるから仕事辞めたら? 女なんだからそんなに働かなくていいでしょ』とよく言われた。女なんだから、という言葉に彼の女性蔑視を感じました」(34歳・自営業)

7.「...育ちが悪いんだね」

食事のマナーが常時完璧な人ってどのくらいいるんですかね。お箸の置き方や置き場所が悪かっただけで逐一指摘され『親になんて言われて育ったの?』と親を引き合いに出してくる人がいました」(30歳・メーカー勤務)「一緒に歴史物の映画を見ているときなど、私が知らないことがあるといちいち鼻で笑われ学歴マウントを取られる。何でも知ってる人がいいならそういう人と付き合ってくださいと早めに別れました」(31歳・公務員)過去の環境まで否定してくるのは立派なハラスメント。

撮影/水野美隆 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 画像/AC 再構成/Bravoworks,Inc.
CLASSY.2025年1月号「その彼、もしかして“モラハラ予備軍”かも?」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。

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表紙モデル:藤井夏恋

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