【CLASSY.撮りおろし】菅田将暉さん「ど真ん中でやるんだから 『ここにいます』という何かを残したかった」

公開中の映画『アルキメデスの大戦』主演の菅田将暉さんにインタビュー

――主演映画『アルキメデスの大

――主演映画『アルキメデスの大戦』で天才数学者・櫂直(かい ただし)を演じた菅田将暉さん。戦争の悲劇を戦場ではなく、戦艦大和を巡る海軍内の駆け引きで描いた大作です。
「新しいと思いました。海軍を舞台にしたサラリーマンサクセス物語というか。海軍でも会社でも組織である以上、それぞれの立場や地位によって思いがぶつかり合うのは、今も昔も変わらないと思うんです。また、僕のことを〝鬼ちゃん〞って呼んでくれてる子供たちが、この作品を観ておじいちゃんやお父さん、お母さんと戦争について話ができればいいし、日本という国を知るきっかけになればと思いました」

――櫂は数学で戦争を止めようとします。
「でも結局、櫂は数学で闘ってないですからね(笑)。最終的には体使って汗かいて頑張る話ですから。櫂の一喜一憂する人間味と周りの人たちとの関係がすごく大事だったので、ヒューマン物としても熱量が高く、面白くなったと思います」

――黒板に数式を書きながら、長ゼリフを機関銃のように話すシーンは圧巻です。
「数式は全部本物で一見難しそうに見えるけど、代入問題なので難しくはなくて。実は数式の前の方程式を導くのがすごく難しい。数学は好きだし、得意でした。数学の教師志望でもあったので」

――共演には舘ひろしさん、橋爪功さんはじめそうそうたる重鎮俳優が居並びます。
「皆さん、役へのアプローチも発声方法も全然違っていて。それぞれのやり方でのし上がってきた方々なので、同じ空間にいるだけで幸せで本当に面白かったです。僕からしたら皆さんレジェンドですから」

――その大先輩方が菅田さんの演技を大絶賛。舘さんは「初めて男に嫉妬した」とか。
「嬉しいし良かったです。これだけの方々のど真ん中でやるんですから、先輩方に食らわせたいじゃないですか。『ここにいます』という何かを残したかった」

――20代も後半となり、今後の目標は?
「ここからはどれだけ代表作を作れるかという道なき道。ひとつひとつ丁寧にやっていって、国民的作品みたいな、わかりやすい代表作が作れれば」

――今や誰もが認める演技派人気俳優となった彼。女性の好みは変わりましたか?
「明るいコがいいです。昔は小難しいこと言ってましたが(笑)、明るいコがいい。最近思うんですよ。明るいってすごいなって。男でもいるけど女性の明るさはチャーミングさが段違い。周りも笑顔になるし、すごくハッピーだと思います」

菅田さんの「一番好きなもの!」はコレ♡

いま一番ハマっているものは?

いま一番ハマっているものは?
「寝る前にコンビニで買った柿ピーを食べること。わさび味の柿ピーがおいしくて(笑)。でもちょっと前に、風呂上がりに柿ピーの小袋を踏んじゃって、粉々になった柿ピーが部屋中に飛び散って、1時間くらい掃除して……。それ以来ちょっと食べるのをやめてます」

一番お気に入りの映画は?
「ベタで申し訳ないんですけど、最近、映画館で観た『グリーンブック』は面白かったですね。’60年代の黒人差別の強いアメリカ南部を舞台に、人種を超えた繋がりを描いたロードムービーです。基本的にバディものが好きなんで
すが、なんて言うんですかね、あのバディものの良さは。友情でもなくビジネスパートナーでもなく、恋愛とは違う瞬間が生まれるというか……。男と男のやりとりがすごく素敵でしたね」

一番感動した本やマンガは?
「いま、『ONE PIECE』が面白いんですよね。半年くらい読まないで、ためておいて一気に読むんですが、最近そのターンが来て読んでみたら、『〝ワノ国〟編がおもろ!』みたいな。尾田栄一郎先生がずーっと昔から『〝ワノ国を描きたい。自分の趣味を爆発させます』とおっしゃっていたとおりで愛情を感じます」

菅田将暉

’93年2月21日生まれ 大阪府出身 血液型A型●’09年『仮面ライダーW』でデビュー。以降、多数の映画やドラマに出演し、’13年『共喰い』で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も多くの映画賞を受賞し、’17年『あゝ 荒野 前篇』で第41回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。最近の主な出演作は、映画『帝一の國』『火花』『銀魂』シリーズ、ドラマ『dele』『3年A組-今から皆さんは、人質です-』など。映画『タロウのバカ』が9月6日に、『糸』が’20年に公開。

撮影/イマキイレカオリ ヘアメーク/古久保英人(Otie) スタイリング/伊藤省吾(sit or ) デザイン/副島かおる 取材・文/駿河良美 編集/中畑有理
※この記事は、CLASSY.2019年9月号を再構成したものです。

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