普段からビジネスの場で使っている言葉遣いや言い回し。果たして本当に正しい使い方ができているのでしょうか?
この記事では、そんな“ビジネスで正しく使いたい日本語”をご紹介。特に普段から使われる傾向の多い言葉をピックアップしましたので、ぜひ正しく使えているかチェックしてみてくださいね。
1.「ご苦労様でした」
仕事が終わって退社する際のあいさつや、相手をねぎらう言葉として使われる「ご苦労様でした」や「お疲れ様でした」。「ご苦労様でした」も「お疲れ様でした」もほぼ同じ意味の言葉ですが、目上の人や社外の人に対して「ご苦労様でした」と言うのはNGですよ。
ビジネスにおいては、目上の人や社外の人には「お疲れ様でした」、部下や後輩など目下の相手には「ご苦労様でした」を使うのがルールです。
とはいえ、なぜ目上の人に対して「ご苦労様でした」がNGなのかは諸説あり、はっきりとした根拠はありません。そのため、自分が属している組織に合わせて臨機応変に変えていくと良いでしょう。
2.「お名前をいただけますか?」
相手の名前を知りたい時、どんなふうに声をかけているでしょうか。よく「お名前をいただけますか?」あるいは「お名前を頂戴できますか?」と言っている人がいますが、日本語として適切とは言えません。
というのも「いただく」や「頂戴する」は「もらう」の謙譲語です。つまり、言い直せば「あなたの名前をもらっても良いか」ということになってしまいます。言われた方は「名前を『くれ』と言われても……」と困惑してしまうかもしれませんね。
もし相手の名前を知りたい時は「お名前をお聞かせ願えますか?」や「お名前をお聞かせいただけますか?」と聞くのが良いでしょう。
さらに「失礼ですが」「おそれいりますが」を添えると、より丁寧な印象になりますよ。
3.「お茶をいただいてください」
相手にお茶を飲むことをすすめる時、「お茶をいただいてください」という言い方をするのはNGです。一つ前の「お名前をいただけますか?」でもお伝えしましたが「いただく」は「もらう」の謙譲語。自分をへりくだる時には使えますが、相手の動作に対して使うことはできないのです。
この場合は「飲む」の尊敬語「召し上がる」を使い「お茶を召し上がってください」と言うようにしましょう。
いかがでしたか? 知らずに使ってしまっている日本語もあったのではないでしょうか?
周りの人たちに信頼してもらえるように、正しい日本語を覚えるようにしましょう!
参考文献
浦野啓子『問題だ!そのバイト語』(東洋経済新報社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(HBRH、fizkes、pathdoc、Roman Samborskyi)
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