【モデル・藤井サチさん(27)】選挙のたびに街頭演説に足をはこぶ理由とは?〈衆院選2024〉

今週末の10月27日は衆議院選

今週末の10月27日は衆議院選挙!急な解散と急な総選挙で、まだ誰に投票しようか考えることすらできていないCLASSY.読者も多いはず。そこで、最近はモデル業だけでなく報道番組などにも出演している藤井サチさんに、選挙や政治と私たち世代がどう関わっていくべきか、どうやったら楽しめるかのヒントになるよう、お話を聞いてきました。

「この人にしか言えないことってなんだろう」という視点で演説を聞いています

――今年7月に行われた「東京都

――今年7月に行われた「東京都知事選挙2024」では、主要な数人の候補者の街頭演説に足を運んだそうですね。演説を聞きに行くようになったきっかけを教えてください。

私の場合は「政治をもっと楽しく知りたい」と思ったことが、街頭演説に行くようになったきっかけでした。実際に演説の場に足を運ぶと、候補者自身の雰囲気だけでなく、応援している人やボランティアのみなさんの性別や年齢層を肌で感じることができるんです。演説後には、候補者に直接質問する機会もあって、画面越しでは得られないものを得られるところに、街頭演説の面白さを感じています。選挙戦の序盤から終盤にかけて、演説内容に修正を加える候補者もいて、そこも興味深い点。例えば、都知事選のときの蓮舫さんは、初日の演説で結構な時間を使って自民党の裏金批判をしていたんです。私はそれよりも彼女のビジョンを知りたいな、と思いながら聞いていたのですが、案の定、メディアやSNSでも同様の意見が多くて。別の日の演説を聞きに行ったら、自民党批判よりも自身の具体的な公約の話に時間を割いていたので、世の中の反応を見て修正したんだな、と。そんな変化を直に感じ取れるのも街頭演説ならではだと思っています。

――都知事選の際、全候補の演説を聞いた中で、印象に残っていることは?

AIエンジニアの安野貴博さんの演説が印象に残っています。AIでプラットフォームを作って、そこで集めた意見を政策に反映するアクションを起こしていた人で、選挙戦が進むにつれて政策の内容が変わっていく過程が印象的でした。それから、安野さんの妻である里奈さんの演説力の高さにも驚きました。言葉の力、引き込む力が本当に強くて。安野さんを心から尊敬していて、「勝たせたい!」という意気込みがすごく伝わってきました。小池百合子さんの演説には、反百合子派の人も多く、“天下り百合子”の垂れ幕や“自民党と癒着してる”と書いたプラカードを掲げている人たちが多数いました。妨害も激しかったのですが、その様子を観察することで、人々が怒っていることや反対していることが分かったりもして、新たな気づきにもなりました。最近だと、ライブ配信しながら妨害する人もいるんです。そういう場面を目の当たりにすると、今の時代特有の問題点も浮き彫りになっているな、と思ったり。現場で起こるいろいろなことを目にするところにも街頭演説を聞く意義を感じています。

――どんな視点で街頭演説を聞いていますか?

私は「その人にしか言えないことってなんだろう」という視点で演説を聞いています。例えば、自民党の裏金批判は誰でもできる。それよりも、この人だけが持っている言葉とか、具体的な政策や財源の裏付けなど、“その候補者にしか語れないこと”を求めていて、そういう演説ができる候補者に魅力を感じます。逆に、聴衆に話しても分からないだろうというスタンスで表面的なことばかり語る候補者は、その姿勢が透けて見える。あとは、都知事選のときの小池さんが特に当てはまるのですが、演説する土地に合わせて内容を変える候補者もいて、それは個人的にはいいことだと思っています。その土地の事情を把握している証拠だから。小池さんの演説は3箇所聞きに行きましたが、それぞれの区の問題点や対策を必ず最後に話していたんです。隣に区長が並んでいたり、聞いた多くの方が説得力あるなと感じたんじゃないかなと思いました。

「日本が先進国で唯一、30年間賃金がほとんど上がっていないのを知ってその深刻さを改めて痛感」

――何歳ぐらいから選挙に行くこ

――何歳ぐらいから選挙に行くことを、きちんと意識し始めましたか?

母がジャーナリストなので、政治の話は食卓で日常的にしていました。でも、選挙を意識し始めたのは、二十歳を超えてから。それまでは友達と政治の話をすることもなかったし、政治について語ることで意識高い系って思われたらどうしよう、という気持ちの方が大きかった。「選挙なんて行かなくてもいいでしょ」と考えていた時期も正直ありました。

――選挙や政治を自分ごととして捉えることで、変わったことはありますか?

私の場合は、より危機感が高まりました。例えば、周りには結婚や出産を考え始める友人が増えていますが、中には「お給料が上がらないから無理だわ」という声もあって。いろいろ調べていく中で、日本が主要先進国で唯一、30年間賃金がほとんど上がっていないという事実を知って、その深刻さを改めて痛感したんです。選挙や政治に積極的に関わることで本気で変えていかないと、という危惧を抱くようになったのは、変化のひとつ。すごく極端なことを言うと、何も変えようと努力をしないで今の世の中に子どもを産むことは無責任で自分のエゴなんじゃないか、とさえ考えてしまうことがあります。社会の問題を自分ごととして捉えたことで、次世代のためにも現状を変えないと、大好きな日本がどんどん廃れていってしまう、という感覚が強くなりました

 

次の記事では、同じくCLASSY.モデルのトラウデン直美さんに、選挙について思っていることをお伺いします!

【着用クレジット】ブラウス¥28,600(ティーチ)【ショップリスト】ティーチ info@teechi.jp

撮影/花盛友里 ヘアメーク/笹本恭平(ilumini.) スタイリング/三好 彩 取材/坂本結香 編集/永吉徳子

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10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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