たとえ同じ漢字であっても、言葉次第で読み方が変わることってありますよね。中には、そのまま素直に読めそうな言葉でも、意外な読み方をするものも少なくありません。
そこで今回は、“そのまま読むのは間違いな漢字”をピックアップしてご紹介。すべて読めたら、かなりすごいかも!?
1.「終の栖」
そのまま素直に「しゅうのす」と読んでしまう人もいる「終の栖」。
「一生のうち、最後に住む場所」のことを意味する言葉です。言葉の意味から、何となく読み方をイメージできた方もいるのではないでしょうか。
そんな「終の栖」の正しい読み方は……
「ついのすみか」です。
「終の棲家」あるいは「終の住み処」などと書かれる場合もあります。
2.「香具師」
ネットスラングとしても知られている「香具師」。
「香具師」には「縁日などの露店で祖製品を売る」といった意味があります。
つい「かぐし」と読んでしまいそうですが、そのまま「かぐし」ではありませんよ。
正しくは……
「やし」と読みます。
また「やし」は「香具師」以外に「野師」とも書くそうですよ。
3.「杮落とし」
「舞台などの初興行」のことを「杮落とし」と言います。
よく「杮落とし公演」といったように使われ、テレビのニュース番組などで聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
「杮落とし」をそのまま読むと「かきおとし」ですが、正しくは……
「こけらおとし」と読みます。
元々「柿(かき)」と「杮(こけら)」は実は違う漢字。違いは漢字の右部分で、「柿(かき)」は「市=なべぶた+巾」ですが、「杮(こけら)」は、縦棒が突き抜けて1本になっているんです。
見た目はほとんど同じなので、混同されることが多く、読み間違えられることも多いのでしょう。
4.「三行半」
「三行半を突き付ける」という言葉を聞いたことはありませんか?
「三行半」とは元々「夫から妻へ別れを告げるための離縁状」という意味がありますが、現在では関係性を問わず「相手に別れを突き付けること」といった意味で使われることも。
そんな「三行半」の正しい読み方は……
「みくだりはん」です。
たとえば、よく会社に対して「三行半を突き付ける」という人もいますが、本来の意味から考えると誤った使い方になるので注意しましょう。
5.「出来する」
ついそのまま「できする」と読んでしまいがちな「出来する」という言葉。
「出来る」などの場合は「でき」と読むのが正しいですが、意外と「出来する」の正しい読み方は知らないという人も。ぜひこの機会に覚えておきたいですね。
そんな「出来する」の正しい読み方は……
「しゅったいする」です。「出来する」には「事件が起こる」といった意味がありますよ。
いかがでしたか? 思わずそのまま読んでしまった漢字もあったかもしれませんね。もし今回読めなった言葉があれば、正しい読み方を覚えて、次にその言葉が出てきた時に迷わず読めるようにしておきましょう。
参考文献
出口宗和『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見文庫)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Ruslan Guzov、supawat bursuk、shutterpix、zef art)
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