大人になると間違いに気がつく機会が少ない“漢字”。もしかしたら誰にも指摘されず、間違ったまま使っているかもしれません。今回は、そんな“読み間違えたら恥ずかしい漢字”を5つ集めました!
あなたは全部正しく読めているのか、チェックしてみてください。
1.「衷心」
「衷心」には「真心」「心の中」といった意味があります。“嘘偽りない心からの気持ち”を表す場合に使われ、たとえば「衷心より感謝申し上げます」「衷心よりお悔やみ申し上げます」といったように用いることが多いです。
「衷心より~」のほかに「衷心から~」と書くこともありますが、よりフォーマルな文章では「衷心より~」といった表現が用いられています。
そんな「衷心」の正しい読み方は……
「ちゅうしん」です。
よく「もしん」と読んでしまいがちなので気を付けましょう。また「衷心」と「忠誠心」も混同しやすいため、注意が必要です。
2.「素面」
「素面」は、同じ読み方で「白面」とも書きます。誰しも仕事の時などは「素面」の状態になっているはず。でも、お酒が入ると……?
そんな「素面」の正しい読み方は……
「しらふ」です。
「素面」には「お酒の入っていない、普段の状態」という意味があります。「すめん」と読むのも間違いではないですが、「しらふ」と読めるとデキル感が伝わります。
ちなみに「素面」の類義語には「素顔」「正気」などがありますよ。
3.「挙って」
「あげって」「きょどって」「こぶしって」……。さまざまな読み方ができそうなこちらの漢字ですが、なかなか一発で正解を読み当てられる人は、そう多くはないでしょう。
「挙って」には「一人残らず」「全員で」といった意味があります。たとえば「挙って参加する」「町中が挙ってイベントを楽しむ」というふうに使われる言葉です。
そんな「挙って」の正しい読み方は……
「こぞ(って)」です。
元々「こぞりて」という言葉が促音(小さな「っ」または「ッ」で表される音)化して「こぞって」になり、「皆が手を挙げる」という語源から「挙って」という漢字がうまれたそうですよ。
4.「拾得」
「落とし物を拾う」ことを「拾得」と言います。また、よく拾った落とし物のことを「拾得物」と言いますよね。言葉としては聞き慣れているかもしれませんが、漢字表記になると意外と読み間違えやすい言葉です。
「じゅうとく」「しゅとく」ではありませんよ。
「拾得」の正しい読み方は……
「しゅうとく」です。
また、読み方だけでなく漢字で書く際も間違えやすい「拾得」。「拾」と「捨」の漢字を混同して「捨得」と書いてしまわないように注意しましょう。
5.「矜持」
「矜持」には「自信」「誇り」「プライド」といった意味があります。
実際に「矜持を保つ」「プロとしての矜持を持ち……」といったように使われるのですが、もう読み方はお分かりでしょうか?
そんな「矜持」の正しい読み方は……
「きょうじ」です。
「矜」に使われている「今」という漢字が音読みで「きん」と読むため、「きんじ」と間違われやすい漢字です。
以上5問、全て正しく読めていたでしょうか? 間違えていた方は、今後は読み間違えないようにしっかりと覚えていってくださいね。
参考文献
根元 浩『杏仁豆腐はキョウニンドウフが正しい!大人が読み間違うと恥ずかしい漢字』(中央公論新社)
村石利夫『日本語「間違い」辞典 温厚?温好?一所懸命?一生懸命?どっちが正しい!?』(ベストセラーズ)
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
文/CLASSY.Web編集室 画像/Shutterstock(Studio KIWI、Rido、Syda Productions、 Dean Drobot、 Mangostar)