話題のドラマ『RoOT / ルート』でW主演を務めている河合優実さんと坂東龍汰さん。ドラマや映画で大活躍中の二人へのスペシャル・インタビュー後編では、同じ事務所の先輩後輩であり息もぴったりなお互いに対する印象と、お二人が実践している〝ウェルビーイングなこと〟について伺いました。
――今作が地上波連続ドラマ初主演というお二人。実際に同じ事務所の先輩である坂東さんと後輩の河合さんが、お互いの「ここがすごい! ここが好き! ここがカッコいい!」というポイントをお一人ずつお聞きしました。まずは河合さんから。
河合 もとから知っている仲ではあったんですが、今回初めて撮影現場での姿を見ていると、坂東さんって会う人会う人にすぐ心をオープンにできるというか。それが物を作る場所だと「こういう作用があるんだな」と感じて。自分から発信するオーラやムードで、撮影現場の空気を絶対に楽しい明るい方向に持っていくことができる人で、それは天性のものだなと思いましたね。
――お仕事の先輩ということから離れて、いち男性として素敵だなと思うところは?
河合 いやあ、ない(笑)。友だちというか先輩なので(笑)。でも人として大好きですし、ピュアですね、坂東くんは。北海道でのびのび育ってシュタイナー教育を受けている彼は、きっと子供の頃に育んできた心がずっと根っこにあるから、いろんなお仕事をされてるけど出会ったときから変わらずピュアで。すごく素敵なところだと思います。
――河合さんにとっては、どんな先輩ですか?
河合 坂東くんと私は事務所に入った時期も近かったので親近感がありましたし、入ってすぐにいろんな話を聞いてくれて安心しました。確実に一番身近な先輩なので、お仕事の先輩というより身内のような感じがしますね。
――坂東さんにも同じ質問をお聞きします。
坂東 僕は、優実ちゃんのお芝居が好き! 毎回、違うし、枠におさまらないお芝居じゃないですか。一緒にやっていて発見があるし楽しいし、吸い込まれるような魅力を持っている女優さんだなと思って。そこが好きですね。カッコいいと思うところは…私服がおしゃれ! オールブラックで革ジャンとか着ていて。僕は基本、現場に行くときはそんなにキメていかないというかキメられないというか(笑)、スウェットとかで行っちゃうんですけど、優実ちゃんは毎日カッコよくちゃんとレザーの靴とか履いてきて。革ジャンとかカッコよく着ていて憧れますね。僕もちゃんとしなきゃって思います。
――後輩だけど、河合さんにはかなわないって思うところはありますか?
坂東 あーやっぱり、あの落ち着きにはかないませんよね。基本的に僕はずっと話してるというか、落ち着きがないので(笑)。優実ちゃんの23歳とは思えぬ、あの落ち着きと醸し出す雰囲気で現場が引き締まる感じがするので。持って生まれた才能ですし、魅力なんだなと思いますね。
――お二人に伺います。仕事への向き合い方やプライベートの過ごし方など、メンタル的な面で意識している〝ウェルビーイングなこと〟があれば教えてください。
河合 〝ウェルビーイング〟って言葉をいつも意識しているわけじゃないけど、そういう考え方って大事だと思います。疲弊しちゃうこともあるけど、体と心に余裕を持つことが大事だなと常に思って休むときはちゃんと休むし、好きな映画観たりテレビ観たり自分が楽しいと思うことは暮らしの中から無くさないようにしてますね。
坂東 現場でもね、ピリピリするよりはね…。そういうシーンのときは仕方ないし、みんなにも派生してシュッと引き締まるときは当然あると思うけど。必要以上にピリピリしてると伝わっちゃうからね。そういうのは極力、避けたいです。
河合 本当に、スタッフさんにちゃんとワークライフバランスを大事にしてもらいたいと思う。
坂東 俺らはね、出てない日もあるけど、ずっと仕事しているスタッフさんが本当に心配になるんだよな。倒れちゃわないかなとか。
河合 ちょっとでも、こっちが何か癒しになるようなことができればと思うし…。
坂東 歌うたうとかね。
河合 歌うたうの? 現場で?(笑)
坂東 歌って聴かせる。癒しボイスでね。俺らで漫才するとか。
河合 それはちょっとできないかも(笑)。ちゃんと自分が幸せでいたら、周りも幸せにできますからね。
坂東 そういう〝気〟をね、持ち込めば。
河合 そう。〝気〟を持ち込むことが大事かな。
――運動やトレーニングなど、健康や体力作りなどのために実践していることはありますか?
河合 私はウォーキングしてますね。今朝もしてきました。
坂東 マジ? この撮影のために?
河合 撮影のためってわけじゃないけど、むくみも取れますし。普段は車移動が多いからあまり歩かないので。歩数アプリを入れてるんだけど、1000歩すら歩かないときがあったりするから。
坂東 僕、この間ディズニーランドに行ったときは30,000歩、歩いた。
河合 えーっ。健康だね。
坂東 それはちょっと歩きすぎて疲れたけど(笑)。最近はマッサージに行ってます。数々のマッサージを試していて、昨日は〝オステオパシー〟をやってみたら体が相当ラクになった。なんか25歳くらいから体に不調を感じるようになったんですよね。首を冷やさないようにするとか、マッサージとかストレッチとか心がけるようになりました。
――河合さんはウォーキングではどれくらい歩くんですか?
河合 家の近所を5~6㎞、ペースを計るアプリを入れて、すごいスピードで音楽を聴きながら歩きまわってます。ちょっと不審者みたいですけど(笑)。ウォーキングだけど、すっごい汗かきます。
坂東 5㎞って結構あるね。
河合 1㎞8分台で45分間くらい歩きます。ランニングだと続かなくて。取り入れやすいのがウォーキングでしたね。以前はジムも行ってたけど、行かなくなりましたね。
――多忙な日々が続くとき、「これがあると頑張れる!」という自分へのご褒美的なものはありますか? 以前の取材では坂東さんは「焼肉!」とおっしゃっていました。
坂東 あー、焼肉っす! そこは変わらず、食べることが本当に好き。
河合 私も(笑)。食べるのが好きですね。焼肉も鮨も好きですけど…イタリアンが好きですね~。ご褒美的なイタリアンかな。焼肉も頑張ってよかったって思います。
坂東 焼肉って、マジ頑張れるよね。この店に行くって決めたら、そのために頑張って駆け抜ける。
河合 仕事終わりに美味しいもの食べに行くとなったら、ディナーのためにその日1日頑張れます。
坂東 物はないの? 自分へのご褒美にこれ買ったみたいな。
河合 私、すごい物欲がないほうだと思う。
坂東 わかる! 私もなのよ(笑)。私も貯金型で使わない。趣味のカメラもいただいたものや、おじいちゃんから譲り受けたものを使ってる。
河合 写真撮るのも映画観るのも自分の身になるし、ごはんも身になるじゃない? そういうほうがいいんじゃないかな? 何か物を買って消費するってことがちょっと苦手なんです。物を買っては捨てるみたいなことが、すごい苦手で。
坂東 僕も服とかマジで同じものばかり着てるし…。
河合 ね。ときめくけど、結局そうなるよね。
坂東 そう、ときめきはあるの。欲しいものはあったりするんだけど、結局買わなかったりする。去年はiPadを買ったんだけど、1年に1回、大きな買い物をすればそれで十分かな。
河合優実
‘00年12月19日生まれ 東京都出身●‘19年、俳優デビュー。‘21年公開の映画『由宇子の天秤』と『サマーフィルムにのって』で数多くの映画賞の新人賞を受賞。最近の主な出演作はドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』『不適切にもほどがある!』、映画『PLAN75』『少女は卒業しない』『四月になれば彼女は』など。今年6月に主演映画『あんのこと』と劇場アニメ『ルックバック』が公開予定。
坂東龍汰
‘97年5月24日生まれ 北海道出身●’17年、俳優デビュー。’18年『花へんろ 特別編 春子の人形』でドラマ初主演。‘22年『フタリノセカイ』で映画初主演。最近の主な出演作はドラマ『王様に捧ぐ薬指』『きのう何食べた? season2』、映画『春に散る』『バカ塗りの娘』、舞台『う蝕』など。今年5月に主演映画『若武者』、今秋には映画『シサㇺ』、’25年1月には主演映画『君の忘れ方』が公開予定。
『RoOT / ルート』
ビッグコミックスペリオール「ダルパナ」で連載中の漫画『RoOT /ルート オブ オッドタクシー』で描かれている若手探偵コンビの奮闘劇をもとにドラマオリジナルストーリーで展開。探偵事務所で働く玲奈(河合優実)と経験ゼロのポンコツ新人・佐藤(坂東龍汰)が、街の人々が複雑に絡み合う女子高生失踪事件に巻き込まれていく。他の出演:寺本莉緒 中村麗乃(乃木坂46) 稲葉友 篠原篤 渡辺いっけい 松尾貴史 ほか。原作:P.I.C.S/此元和津也 監督・脚本:土屋貴史●テレ東ほかにて毎週火曜深夜24:30より放送中。
撮影/木村 敦(Ajoite) ヘアメーク/上川タカエ<河合さん>、後藤 泰<坂東さん> スタイリング/杉本学子<河合さん>、李 靖華<坂東さん> 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理