日本では前後編の二部構成で劇場公開されている韓国の大人気BL作品『セマンティックエラーザ・ムービー』。アジア各国で大ヒットしている今作で吹き替えを担当されたのは声優として大きな支持を集めている榎木淳弥さんと増田俊樹さん。対談後編では忙しい日々を送っているお二人が考える〝ウェルビーイング〟についてお聞きしました
――CLASSY.では「まず自分が楽しむこと、ハッピーになることで周りも楽しくしていくという」という〝ウェルビーイング〟をテーマにしているのですが、自分がまず楽しむために大事にされていることを教えてください。
榎木 自分の楽しみの見つけ方ということで言うと、僕はもう仕事を始めて12年ほどになりますが、ありがたいことに仕事をたくさんいただけるようになって、満たされたと感じた時があったんですね。それ自体はとても幸福なことですが、僕の心がなんというか現状に満足したことで「燃えないな」と感じてしまって、その時に発想の転換をしてみたんです。「自分はまだ何者でもない、何も持っていないスタート地点にいて、ここからなんだ」と思い込むようにしてみようと。やってみると、すべての仕事が新鮮で楽しめるようになってきて、気持ちが変わりましたね。新人の時のようにゼロから頑張ろうと思ってやってみる。あまり荷物を背負いすぎずに、挑む気持ちを持つことが何事も楽しむ秘訣かなと思いました。
増田 そうですね、僕はまず自分が幸せになるために努力をして生きていて、「自分が幸せになったおかげで周りの人も幸せに」という広い視野まではまだたどり着けていないです。ただ、自分が楽しく過ごそうというところにはすごくフォーカスしていて幸せになりたい思う力は強いので、寝ている時や好きなことをやっている時など、自分の気持ちに忠実になれている瞬間はとても幸せだなと感じます。
――健康管理や体力をキープするために食生活や運動など、フィジカル面で実践している〝ウェルビーイングなこと〟があれば教えてください。
榎木 僕は腰痛持ちなので、マッサージは日常的にしています。腰だけほぐせばいいというものではなく、膝やももの裏など下半身全体の筋肉の強張りが良くないので、セルフケアは毎日やっていますね。どこの場所に痛みがあるのか、マッサージでほぐしてあげることで自分の体と向き合っているのだと思います。
増田 ジムに通っているのですが、ウエイトトレーニングの時に前よりも重い重量を持てたり、走る時の速度が上げられたり、そういう数字を更新できると強くなった気がして嬉しくなりますね。毎回数値を書き留めているので、同じ重量を試してみて「あ、なんか結構簡単に持てた」と感じたら、じゃあもう1個次の段階をやってみようと。そういうことをしている時間は楽しいです。
――忙しい時、疲れを感じた時などにリラックスする方法、リフレッシュするためにやっていることを
教えてください。
榎木 食べたい時に食べたいものを食べることです。我慢するとストレスが溜まってしまうので、ギリギリまで我慢して一気にリラックスをするというよりは、日々の小さいことでもストレスを溜めすぎないということを意識しているかもしれません。
増田 僕はとにかく寝ることですね。12時間くらい寝ます。二度寝、三度寝ってすごく贅沢な時間ですよね(笑)頭も体も、それがいちばん回復できる気がします。
――多忙な日々が続くと心身ともに疲れることもあると思います。「これがあると頑張れる!」というも
のはありますか?
榎木 僕はカフェに行くことが好きなんです。仕事の合間に行って、一回切り替える時間が自分にとっては大事ですね。読書が結構好きなので、カフェでは本を読んだりして気持ちを落ち着けて、それから次の仕事に行くとまた頑張れます。
増田 今は食事を少しだけ節制するタイミングなので、何か目標を達成した時に好きなだけ白米が食べたいですね。玄米も好きで食べているのですが、白米には白米の美味しさがあるので、ご褒美として食べられる時を楽しみに頑張っています。
榎木淳弥
‘88年10月19日生まれ 東京出身●『呪術廻戦』虎杖悠仁役、『め組の大吾 救国のオレンジ』十朱大吾役など多数のアニメ作品で主演を務めるほか『鴨乃橋ロンの禁断推理』一色都々丸役、『東京リベンジャーズ』乾青宗役、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ピーター・パーカー/スパイダーマン役吹替など。『2.5次元の誘惑(リリサ)』が今年放送予定。
増田俊樹
‘90年3月8日生まれ 広島出身●’11年『遊☆戯☆王ZEXAL』の神代凌牙役で声優デビュー。その後、幅広いジャンルの作品で活躍。近年の主な出演作は『僕のヒーローアカデミア』『「マッシュル-MASHLE-』、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』ほか『HIGHCARD season2』が現在放送中。
『セマンティックエラー・ザ・ムービー』
韓国で爆発的人気となり’18年BL小説大賞を受賞した『セマンティックエラー』の実写化作品。韓国のみならず中国や台湾でもヒットし社会現象化! 大学3年生のチュ・サンウ(パク・ジェチャン/吹き替え:増田俊樹)は、学科イチの秀才で変わり者。一方、4年生のチャン・ジェヨン(パク・ソハム/吹き替え:榎木淳弥)は、学校イチのカリスマでモデル並みのイケメン・モテ男。最低最悪の出会いから、ぶつかり合って惹かれ合い、お互いへの気持ちに気づき、恋が一気に走り出す。日本劇場では【前編・後編】2部作構成。前編・後編ともに公開中。ⓒ2022 Watcha All Rights Reserved.
撮影/杉本大希 ヘアメーク/fring<榎木さん>、 小野かおり(emu Inc.)<増田さん> スタイリング/高山良昭<榎木さん> 、 MASAYA(PLY)<増田さん> 取材/門脇才知有 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)