俳優・古屋呂敏さんのウェルビーイングは…「他人を思いやりたいなら、まずは自分を大切に」

ドラマ『VIVANT』(TBS)や恋愛リアリティー番組『オオカミちゃんには騙されない』(Netflix)など話題作への出演が続き、日に日に注目度の高まる俳優の古屋呂敏さんがCLASSY.ONLINEに初登場! これまでの活動について聞いた前回のインタビューに続き、今回はお仕事論や精神論など彼のパーソナルな部分に迫ります。

PROFILE

古屋呂敏(ふるやろびん)●1990年6月6日生まれ。33歳。俳優のみならず、カメラマンや映像制作など幅広いフィールドで活躍。TBS『VIVANT』やNetflix『オオカミちゃんには騙されない』などに出演。ハイブランドや化粧品メーカーなどの撮影も手がけ、カメラマンとしても活動中。マルチな才能を発揮する、今注目の存在。

「悩む」のは自分でその状態を選んでいるだけ

―前回のインタビューではあまり

―前回のインタビューではあまり悩むことがないと言っていましたが、もし壁にぶち当たった時は誰かに相談しますか?

自分で考えるかな。あまり人に相談はしないかもしれません。就活の時に、悩むって「悩むという選択を自分が選んでいるだけ」だと言われたんですよ。これって実は深くって。何かにとらわれた時には、一歩引いて俯瞰してみて、その事象に対して悩んでいる自分とそうじゃないと自分を選べるんだなって気づいたんです。なので僕は、なるべく悩まないという選択をしたい。悩む時間があるなら、その問題にもっとフォーカスして、その事柄が自分でコントロールをできることなのか、それともできないことなのかを考えます。自分ではコントロールできないんだったら、それ以上考えない。できるならどこができるのかを深掘りしていきます。こうして枝分かれの逆算をしていくタイプです。悩むんじゃなく、そこにある課題を見つけて解決していくタイプですね。

―とても大人な考え方ですね。自分の考え方や価値観がはっきりしている印象を受けますが、海外での生活も影響していますか?

あると思います。日本って本当に優しい国で、自分から何も言わなくても周りが何が好きなのか、どんな人なのかとか質問してくれる。だけどアメリカでは自分がどんな人間で何が好きなのかは自分から言わないと興味を持ってもらえないんです。俺ってこんな人だよって表現できるようにならないといけない。僕はサッカー部に所属していたのですが、我が強いメンバーが多くて、そこで生きていくために、自己主張するようになりました。日本だと鬱陶しいと思われてしまうかもしれないけど、それでもいい。はじめに自分を知ってもらっていた方がその後の摩擦も生まれにくい。「呂敏ってこういう人だもんね」って思ってもらえた方が生きやすいですしね。

“オオカミちゃん”出演を経て感じたのは…人生の答え合わせ!?

―自分を客観視できている呂敏さ

―自分を客観視できている呂敏さんですが、逆に大人ではない一面ってありますか?

ありますよ! ボーリングや勝負事で負けたら叫んじゃいますし。基本は感情のコントロールができるタイプですが、そういった時は難しいです(笑)。

―『オオカミちゃんには騙されない』でも、ボーリング場でエキサイトしていましたね(笑)。“オオカミちゃん”に出演して、感じたことや気づいたことはありますか?

大人になって、(女性)5人の方と真剣に向き合う機会ってなかなか無いですよね。なので本当に貴重な経験をさせていただきました。あとは、この年齢になると心が動きにくくなるということに気づきました。自分のスイッチを入れようと頑張っていたけど難しかった。これまでに経験を重ねてきて、みんなのいいところも合わないところも見えるからこそ、昔みたいに「可愛いから付き合いたい」という単純な理由だけでは一歩踏み出せないのが大人の恋愛なんだなって。ですが、今までの経験の再確認ができたのはよかったかな。自分がいいと思ったものってそう簡単には変わらない。「やっぱり俺ってこういうのが好きなんだな」「こういうことは苦手なんだな」みたいに、今までの人生で感じたことの答え合わせをしていくような感覚がありました。

―インタビューや撮影をしていて実感するのですが、呂敏さんは人見知りもなくフレンドリーですよね。周りとうまく関係を築くコツはありますか?

本当の自分はあまりおしゃべりなタイプでは無いんですよ。大人になってシーンに適応するようになったというか…。ですが、今日みたいな(CLASSY.ONLINE『彼と私のシェアコスメ』)企画の撮影では、一緒に撮影する方とお互い気持ちよく仕事がしたいので、積極的にコミュニケーションをとるように意識しています。オオカミちゃんに出演した時も、僕が一番年上だったので、斜に構えるとみんなも話しかけにくくなると思って自分から話すようにしていました。逆にカメラマンの時は物静かです。

まずは自分を大切にしないと、他人を思いやることができない

―周りをよく見て、周囲のことを

―周りをよく見て、周囲のことを考えて行動していた印象ですが、自分も周りも幸せに過ごすために自分なりに気をつけていることはありますか?

日本に帰ってきてすごく思うんですけど、日本って他人への思いやりが大切だという文化が強いじゃないですか。でも、他人ばかりに目をやって、自分が自分を大事にできていないと、相手を思いやる余裕なんてできないですよね。だからまずは自分を大事にするよう意識しています。自分が先、そのあと周りを大事にしてもいいんだって思うようになりました。自分の願望を通したり、自分をかわいがって機嫌を取ったりするのも大事。そうでないと自分が崩れちゃう。自分を大事にしてこそ、周りを思いやることができるんだと思っています。

あとは、挨拶、所作のひとつひとつを丁寧にするようにしています。仕事柄、世間から厳しい目で見られることもあって。悪いことをやってなくても、やっているように見えちゃうこともある。だからこそ、ひとつひとつ丁寧に取り組める人間でいようと思っています。

役者としてはようやく第一歩。次に出演したいのは…

―では、今後やっていきたいこと

―では、今後やっていきたいことはありますか?

まずは、ようやく役者として一歩進み始めたところなので、作品に対してもっと関われる立ち位置になることがひとつ。僕自身、連ドラだから出たい、大きい作品から出たいという気持ちより、観た人がふと人生の節目に思い出してくれるようなメッセージ性のある作品に関わりたいんです。なので作品の大小は問わず、自分の感性にマッチする作品に出演していきたいです。

―その価値観からすると、“オオカミちゃん”って少し軸が違うような気もしますがどうでしょうか?

僕も初めはちょっと違うかなって思っていたんですが、結果として「私もじゅりと呂敏を見て恋愛したくなりました」とメッセージをいただけると、出てよかったと思いましたね。自分の行動が誰かの新しい行動につながっていると思うと、よかったなって。おかげさまでまた拗らせてしまいましたが…(笑)。

―自分が共感したり、誰かに影響を与えるような作品に出たいということですね。

そうです。いつかは、自分で作品を作りたい。自分が出演もするし、撮影もする。そんな映画を撮りたいっていうのが、大きめの野望ですね。

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撮影/佐々木大輔(SIGNO) ヘアメーク/只友謙也(Linx) スタイリング/阿部絵莉香 取材/石津愛子 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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表紙モデル:山本美月

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