【注目BLドラマで主演】俳優・増子敦貴さん「初めは自分が攻め側かと…」受け役から見えてきた演技への思いとは?

ダンス&ボーカルグループGENICのメンバーとして活動する一方、俳優としてのキャリアも着実に積み重ねつつある増子敦貴さん。恋心をこじらせた不器用な二人の同居生活を描くドラマ『体感予報』では、初のBL作品に挑戦中。現在23歳、めきめきとキャリアを磨き上げている増子さんに、今の心境や作品に向き合う意気込みを教えてもらいました。

「まさか自分が主演になるとは」初のBLドラマにかける思い

——BL作品に初挑戦。増子さん

——BL作品に初挑戦。増子さん的『体感予報』の見どころを教えてください。
BL作品に触れること自体初めてだったので、出演のお話をいただいたときはびっくりしました。数々のBL作品が世界中から愛されているのは知っていましたが、まさか自分が主演になるとは想像もしていなかったので。びっくりした一方、役との出会いは運命だから責任を持って取り組まなきゃ、と気持ちが引き締まりました。

『体感予報』は、第1話から、(樋口幸平さん演じる)瀬ヶ崎瑞貴と(増子さん演じる)棚田葉が同居している設定から始まるのですが、恋愛ものでそのスタートは珍しいし、面白いですよね。そこからどんどん深掘りされて、お互いがそれぞれの魅力に気付いていくので、見ている方にもふたりのことをもっと知りたい、と感じてもらえる作品だと思います。これまでは、俺様系だったり、自分がリードする側の役をやらせていただくことが多かったので、攻めの瑞貴役のほうが演じるイメージが湧きやすかったんです。いわゆる受けは初めてだったので、撮影初日までドキドキしながら過ごしたのですが、(樋口)幸平もしっかり役作りをしてくれていたので、僕も役に入り込めましたし、いいバランスで撮影できました。

BLの「受け」を演じてみて…大切にお芝居する意識が芽生えました

——実際に受けを演じてみていか

——実際に受けを演じてみていかがでしたか?
受けというのは、物語を伝えていく上ですごく重要な役どころだと実感しました。キスシーンひとつとっても、ポジティブなキスなのか、どちらかが悲しさや不安を抱えているキスなのか、印象を左右するのは僕の表情や角度次第だな、と思って。なので、より繊細な表現方法を追求して、大切にお芝居する意識が芽生えましたね。初の受け役でプレッシャーもありましたが、幸平がごはんに誘ってくれたおかげで親しくなるスピードが早かったし、いい関係性で撮影に臨めました。すでに撮影は全て終わっているのですが、スタートからゴールまで順調に進んだので、ホッとしています。

樋口幸平さんとの撮影の思い出は…とっておきの“ツンデレ”エピソード

——瀬ヶ崎瑞貴を演じる樋口さん

——瀬ヶ崎瑞貴を演じる樋口さんとの撮影で、印象に残っていることはありますか?
本当に親しくさせてもらったし、いい関係性で撮影が進められたのはありがたかったですね。エピソードとして覚えているのは……僕の出演シーンは朝のうちに撮り終わって、幸平より先に現場を出る日があったんです。まだ撮影が残っている幸平に「頑張ってね!」と言って先に帰ったんですが、翌日現場に行ったら、衣装さんやヘアメークさんが「ダヨちゃん(=増子さん演じる棚田葉の愛称)がいなくなって、幸平、寂しそうにしてたよ」と教えてくれて。テンションも低かったみたいで、ツンデレなやつめ、と思いました(笑)。撮影中はずっとふたりでいて、中華街デートのシーンも現場は和気あいあい。早朝から肉まんを食べて、元気もりもりでした。僕は高所恐怖症なので、ゴンドラは正直怖かったのですが、その恐怖心は瑞貴と過ごす緊張感に変えられたかな、と。演じ切れたなと思っているので、ぜひチェックしてほしいです。

ドラマでは雨予報はバッドな日、でも…

——演じる棚田葉とご自身で似て

——演じる棚田葉とご自身で似ているな、と感じる部分はありますか?
心の声が多い部分は似ていると思います。葉は瑞貴に嫌われたくない、という気持ちから、その場のコミュニケーションは笑顔で返しつつ、本音は心の中で呟いていることが多いキャラクター。僕自身は周りから好かれたいとは思わないですが、嫌われたくはないんですよね。なのでそういう部分も含めて共通点かな、と。生きていればみんな、そういう部分があると思うんですよね。だからこそ、自分の本音をはっきりと臆することなく周りに伝えられる人は憧れます。

——CLASSY.ONLINEの撮影で、フレグランス撮影にもチャレンジしてもらいました。香りにまつわる思い出をひとつ教えてください。
個人的に好きなのは、雨の香り。今でも小学生の頃の雨の日の登下校が鮮明に記憶に残っていて、特に雨がアスファルトや土に触れたときの匂いが好きでした。世間的には雨予報はバッドな日ですが、増子敦貴としてはハッピーな日。なかなか共感してもらえませんが、雨、全然嫌いじゃないんですよね。

————

増子さんが登場したフレグランス企画は、後日アップ予定。こちらもぜひお楽しみに!

BLアワード2023 コミック部門第1位!
話題の原作を今最も旬な若手俳優2人が熱演!
ドラマ『体感予報』
10月12日(木)最終話放送

「明日は晴れなので、この男は俺を抱くだろう」−−爽やかイケメン気象予報士として人気の瀬ヶ崎瑞貴(樋口幸平)。彼の本性はとんでもない暴君。崖っぷちエロ漫画家の棚田葉(増子敦貴)と同居し家事全般からその他諸々のお世話をさせている。漫画家としてなかなか芽が出ない葉の衣食住を保証する約束で始まったこの生活は「瀬ヶ崎の言うことを全部聞く」という条件つきで…? 恋心をこじらせた不器用な二人の同居生活を描くBLドラマ。

>公式サイト
https://www.mbs.jp/taikan/

PROFILE

増子敦貴(ましこあつき)●2000年1月5日生まれ、23歳。福島県出身。avexのDNAを継承する新グループ育成プロジェクト=a-genic PROJECTを経て、男女7人組ダンス&ボーカルグループGENICとして2020年5月にメジャーデビュー。俳優としても活動し、これまでにミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、テレビ朝日系『機界戦隊ゼンカイジャー』ツーカイザー/ゾックス・ゴールドツイカー役、関西テレビ『合コンに行ったら女がいなかった話』、ミュージカル『東京ラブストーリー』などに出演。現在、NHK Eテレ『ビットワールド』、仙台放送『あらあらかしこ』の準レギュラーとして出演中。現在放送中のMBSドラマシャワー『体感予報』ではW主演を務めている。

撮影/望月宏樹 ヘアメーク/宮川幸(P-cott) スタイリング /立松秀顕(TEN10) 取材・文/坂本結香 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

Magazine

最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup