9月1日公開のホラー・ミステリー映画『スイート・マイホーム』に出演している窪塚洋介さんへのスペシャルインタビュー。後編では、窪塚さんが実践している〝ウェルビーイングなこと〟について話を伺いました。
――インタビュー前編では腸活に興味があり実践していると伺いました。健康管理のために食生活で気を付けていることを教えてください。
腸活に関して言えば、寝る時間の3時間前から固形物は食べない。それだけでも腸活になります。眠りの質が上がって深く寝られるので女性にとっては美容にもいいし、お酒を飲んだとしても二日酔いになりにくい。俺、結構暴飲してるほうなんですけど(笑)、二日酔いがほとんどないですね。それも日ごろの積み重ねなのかなと。願わくは、〝まごわやさしい〟と言われる“豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも〟をベースに食べる。でもいつも絶対にそうするって決めるとストレスフルだから、そこはストイックになりすぎずフレキシブルに。俺はいわゆるフレキシタリアンなので、夜に会食があれば普通に食べるし、国産和牛にしてるけど肉も食べてますね。
――仕事への向き合い方やプライベートの過ごし方など、メンタル面で意識している〝ウェルビーイングなこと〟があれば教えてください。
個人的なことも社会的なことも含めて、「起きている出来事はより良くなっていくために起こっているんだ」ととらえて生きているとストレスが軽減される。ストレスを感じないとは言わないけど、「まあ煩わしいけれど、これは良くなるために起こっているんだな」と思うと、その方向に引っ張られていくと思うんですよ。いわゆる引き寄せなので。自分の心が世の中を作っていて、自分と世の中は鏡だと思うから。その時は良くなくても、結果いい出来事に変わる。最初の一歩を踏み出す方向さえ間違えなければ、すべてをいい方向に持っていけるように歩いていけると思うんで、そこを気をつけています。生き方だったりライフスタイルだったり、自分で自分をマインドコントロールすることはみんな大なり小なりやってることだと思うし。最近、家ではコンポストを始めて生ごみを微生物の力で分解することをやってみたり、家庭菜園をやってみたりしてます。
――お仕事を離れて、リラックスするときは何をしますか?
お酒かな。さっきも言いましたが、結構飲むんですよ。我を忘れるくらい(笑)。ただそうやってガス抜きして、オンとオフを切り替えられれば。俺の場合は大阪に家があるので、東京には仕事に来ている感覚なんですね。新幹線に乗ってくる間に切り替えられる。ペースを作りやすいというのもいいですね。
――とはいえ多忙な日々が続くと、心身ともに疲れることもあると思います。自分をリセットするためにやっていることはありますか?
基本的にため過ぎないようにしてます。一日一日、区切って生きていくというか。昨日は過ぎたことだし明日はまだ来てないんだから、今日を生ききるという感じかな。無計画なわけじゃないけど(笑)。お酒も毎日飲むと体によくないから、週3日は空ける。連続で3日空けるのがいいと聞いて、最近はそうしてますね。そうすると週3日我慢すれば、週4日飲んでいい(笑)。うまいことたまらないように一日一日清算して、寝る前には今日も楽しかったとか、今日はこうだったけど明日はこうしようとか、リセットして寝れたらあまりたまらないんじゃないかな。忙しくて寝られないようなスケジュールであまり動いてないっていうのもあるけど。
俺、カレンダーがすごく好きなんですよ。大きいサイズの紙のカレンダーを上から見てるのが、時間を俯瞰している感じがして好きなんです。「明日はこれだ。まあまあ忙しいけどこの日は空くな。ここでゴルフ行けるな」ってスケジュールを組むのが好きで。たまには仕事が続けて入ることもあるけど、そのときは気合を入れようとか、どれくらいのペース配分でやればいいかが視覚としてわかる。で、終わったことは振り返らない。
――お酒が好きで、発酵食品にもこだわりがある窪塚さん。お酒は主に何を飲みますか?
よく飲んでいるのは千葉の地酒で、どぶろくみたいに白くて発酵していて、瓶を横にしておくと瓶が割れちゃうくらい発泡している無農薬の発芽玄米酒。めちゃくちゃ美味しいし腸活にもいいので、(齊藤)工と窪田(正孝)に教えたら、二人とも酒が飲めないんだけどこれは飲めたんだよね。頭も痛くならないし、寝られないとき、ちょっと飲むにもよくて、工が「僕はこれを冷蔵庫から切らしてません」って言ってました。
――「これがあると頑張れる!」という自分へのご褒美的なものはありますか?
Netflixロンドンの仕事をしたとき、カスタムROLEXのカッコいい店をロンドンで見つけて。夏3カ月、日本3カ月、冬3カ月という長期の撮影スケジュールで、夏には店を見つけてたんだけど、全部やり切って終わってから買おうと思って9カ月後に買いに行きました。ご褒美感もあったし思い入れもあったし、喜びにもなった。思いが入ったアイテムは自分を次のステージに連れて行ってくれると思うので、今も大事にしていますね。
窪塚洋介
‘79年5月7日生まれ 神奈川県出身 血液型 O型●’95年ドラマ『金田一少年の事件簿』で俳優デビュー。’00年ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』で注目される。’01年、映画『GO』に主演し日本アカデミー賞新人俳優賞と最年少で最優秀主演男優賞を受賞。その後も数多くの映画に出演。‘17年『Silence -沈黙-』でハリウッドデビューを果たし、’19年BBC×Netfrix London制作連続ドラマ『Girl/Haji』でメインキャストを演じるなど海外でも活躍。最近の主な出演作は映画『ファーストラヴ』『全員切腹』『Sin Clock』など。
『スイート・マイホーム』
監督・齊藤 工×主演・窪田正孝が挑む、予測不能のホラー・ミステリ―。極寒の地に住むスポーツインストラクターの清沢賢二は愛する家族のために念願の一軒家を購入。地下に建物全体を温める暖房施設がある家で新居生活をスタートさせた一家だが、「家」を中心に様々な思惑と怪異が折り重なり恐怖へと転じていく。一家がたどり着いた驚愕の真相とは?出演/窪田正孝 蓮佛美沙子 奈緒 窪塚洋介ほか。監督/齊藤 工 原作/神津凛子『スイート・マイホーム』(講談社文庫) 脚本/倉持 裕●9月1日(金)公開
撮影/杉本大希 ヘアメーク/佐藤修司(botanica makehair) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)