大ヒット映画『SUNNY』が世界初の舞台化、懐かしの80年代J-POPによるジュークボックスミュージカルとして6月~7月に東京・大阪で上演されることが決定。今回のミュージカル『SUNNY』が意外にもお芝居での初共演となる元宝塚トップスターの花總まりさんと瀬奈じゅんさん、豪華な2人のインタビューを2回にわたりお届けします!
――ミュージカル『SUNNY』出演が決まったときの気持ちを教えてください。
花總 宝塚時代は近くて遠い存在だった瀬奈じゅんちゃんと共演できることがとても嬉しかったです!
瀬奈 私も「花總さんとご一緒できるなんて嬉しい!」というのが最初の感想です。
――今回の『SUNNY』の見所をうかがえますか?
花總 私たちの役の学生時代を若いキャストが演じてくださって2つの時代がミックスするという、今までにないコラボレーションが絶対に面白いはずです!
瀬奈 映像で表現していた2つの時代をどうやって舞台で表現するのか、注目しています。今回が初めての舞台化ですから。
花總 懐かしの昭和ポップスがたくさん出てくるところもいいですよね!
瀬奈 バブリーダンスで大人気のakaneさんの振付も見応えがあると思います!
花總 キャストやスタッフの方が様々なジャンルから集まりますので、今まで経験したことのない雰囲気で舞台を作れることが楽しみです。
瀬奈 私としては、今回の花總さんのお役が今までの花總さん像とかけ離れているのも見所だと思います。今までにない花總さんを一緒に作っていけたら嬉しいです。
花總 私も、新しい自分に出会えそうって今から感じているの(笑)。
瀬奈 見所、尽きないですね(笑)。
花總 そうね(笑)。見所満載です!
――宝塚では一期違いですが、一緒にお芝居をされるのは初めてだそうですね。
花總 同じ舞台に立ったことはありますが、芝居作品での共演は初めてなので期待がふくらみます。
瀬奈 私もとても楽しみにしています!
花總 でも、今ふと思ったんだけど。最初はちょっと照れくさいんじゃないかなって(笑)。
瀬奈 想像すると…照れくさいですね(笑)。
花總 今まではコンサートなどで会ったときに、舞台袖で少しお話しする程度でした。でも最近『SUNNY』のポスター撮影や取材で会うことが多かったので、急に話す機会が増えたんです。だから、普段のおしゃべりは慣れたけど…。
瀬奈 「慣れたけど…」の続きは何ですか? 私、失礼はないですか?
花總 ないない(笑)! 普段の会話は慣れたけど、お互いが役になったときの会話は慣れていないから新鮮だよね!ってこと(笑)。
瀬奈 よかったです(笑)。
花總 役で会話するとき、どんな気持ちになるんだろう…。なんだか、楽しみになってきた(笑)!
瀬奈 私も、ワクワクしてきました(笑)!
――最近仲を深めているようですが、お互いイメージと違っていたところはありますか?
瀬奈 花總さんは変わらないですね。
花總 本当? 変わらない?
瀬奈 一期違いですので、花總さんが本科生で私が予科生として音楽学校時代を過ごしました。生活面では常に一人で行動される孤高の方というイメージと、学業の音楽会や文化祭で歌われていたときの高貴な方というイメージは今もそのままご健在です!
花總 でも、しゃべると全然違うんじゃない?
瀬奈 そうなんです。よくお話しするようになってわかったのですが、高貴な中に意外と庶民的なところもあるということです。
花總 私は庶民的ですよ (笑)!
瀬奈 高貴さと庶民的のギャップが魅力的で、やられています(笑)。
花總 私は宝塚時代から庶民的ですけど、接点がなかったから気づかなかっただけだと思います。
瀬奈 組が違うと、廊下ですれ違うだけですからね。
花總 近寄れない!と思って、廊下で遠くから見つめていました(笑)。
瀬奈 え? 花總さんが、ですか?
花總 男役トップスター!!というオーラがすごかったですからね! 遠くから見つめるだけでした。
瀬奈 (笑)! 私は花總さんのオーラを感じていましたが、私も出していたのでしょうか?
花總 お互いがオーラを出していて、近寄れなかったのかもね(笑)。話すきっかけがあったら話していただろうけど。
瀬奈 本人は出しているつもりはないのですが…当時は出ていたのかもしれないです(笑)。
花總 でも、お互いに宝塚を卒業してだいぶ経ちましたからね。
瀬奈 あの頃に身に付けていた鎧は外しました。
花總 私も昔、外しました(笑)。年齢もほぼ一緒だし、気負うことなく話せているのが嬉しいです!
瀬奈 そうですね。一期上の先輩というのを感じさせずに接してくださるのがありがたいです。それに甘えて、素の私としてお話しさせていただいています(笑)。
――最後に、舞台を楽しみにしている皆さんへ一言お願いします。
花總 若いキャストの子達との共演、akaneさんの振付、懐かしの昭和ポップスを織り込んだショー、これらをミックスした今までにない舞台です! 皆さまには、元気、活力、生きる力を与えられると思っていますので、是非観に来ていただきたいです!
瀬奈 私たちの世代だけでなく若い世代を演じる方たちもいるのですが、凝った舞台機構を駆使して時代を行き来する、とても楽しいミュージカルです。何より私自身がこの舞台を楽しみたいですし、観に来てくださった皆さまにも楽しい気持ちになっていただきたいと思っています。是非観にいらしてください!
ミュージカル『SUNNY』
‘11年の韓国の大ヒット映画『SUNNY』を今回世界で初めて舞台化! バブル経済絶頂期の’80年代と現代の日本。’80年代ヒット曲にのせて、淡い青春時代と大人になってそれぞれの事情を抱えている彼女たちの今が交差する。■脚本・演出:西田征史 ■振付:akane ■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐仁/川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、飯沼帆乃佳、菊田万琴、 浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃 ■公演日程:〔東京〕6月26日(月)~7月5日(水)東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)〔大阪〕7月9日(日)~13日(木)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
花總まり
’91年宝塚歌劇団に77期として入団。’94年に入団3年目というスピードで雪組トップ娘役に就任。’96年、日本初演となる『エリザベート』でタイトルロールを演じ、’98年に再演。’06年退団。トップ娘役就任期間は12年を超え歴代最長記録となる。’15年東宝ミュージカル『エリザベート』で再び主演を務め、’16年、’19年、’22〜’23年公演でも主演を務める。今年4月の『おかしな二人』など多数の舞台作品に出演。
瀬奈じゅん
’92年宝塚歌劇団に78期として入団。卓越したダンスで下級生時代から注目され、‘05年に月組トップスターに就任。’09年退団。退団後は東宝ミュージカル『エリザベート』、ミュージカル『アンナ・カレーニナ』のタイトルロールをはじめ、『ラストダンス~the musical越路吹雪~』、ミュージカル『エニシング・ゴーズ』等の舞台作品や、ドラマ『今日から俺は!!』等の映像作品でで活躍。8月にブロードウェイミュージカル『ビートルジュース』に出演。
撮影/木村 敦 ヘアメーク/野田智子(花總さん)、藤原リカ<Three PEACE>(瀬奈さん)スタイリング/戸野塚かおる(花總さん) 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)