ビジネスシーンやきちんとした言葉遣いが求められる場所で、言葉遣いに迷った経験はありませんか? 相手に何かをお願いしたい、伝えたいといった時に正しい言葉を知らないと、相手に不快な印象を与えることもあるでしょう。
そこで今回は、“アラサー女性なら間違えたくないビジネス言葉”をご紹介します。
■「今、暇ですか?」
「暇」とは“仕事のない時間”や“自由に使える時間”のことを指します。また、「今、暇ですか?」は相手に時間をとってお願いしたいことがあり、まずは都合が良いかどうかを確認する時などに言う言葉です。
しかし、職場ではストレートに「今、暇ですか?」とは聞きにくいものですよね。また、「暇ですか?」と言われたら、相手の心証を悪くしてしまう可能性もあります。
そんな困った時に使えるのが言い換え言葉です。以下より「今、暇ですか?」の正しい言い換え語彙をご説明します。
■「今、暇ですか?」を言い換えると?
「お手すきですか?」
「お手すき」は「お手隙」と書き、「手に隙がある」ことから「手が空いていること」を意味する言葉です。
たとえば「今、お手すきですか?」「お手すきでしょうか?」といったように使います。
素直に「今、暇ですか?」と言うと相手に失礼な感じがしますが、「お手すきですか?」と言うと上品に聞こえます。
「お時間はございますか?」
「お手すきですか?」と同じく、「今、暇ですか?」を上品に言い換えた言葉に「お時間はございますか?」があります。こちらも覚えておくとビジネスシーンなどで役に立つでしょう。
さらに、先輩や上司にお願いごとや相談ごとがある場合、「お手すきですか?」「お時間はございますか?」といったフレーズと併せて“大まかな用件”も伝えるとより親切です。たとえば「〇〇の件で相談したいのですが、お手すきでしょうか?」といった具合に。
大まかな用件の内容を伝えると、相手としても優先度やかかりそうな時間の推測ができます。上記の言い換え語彙と併せて伝えられると、なおいいですね。
また、以下より番外編として「暇」という言葉の言い換え語句についてご説明します。きちんとした言葉遣いが求められる場面では、以下のような言葉を使えるといいですね。
■「暇」の言い換え語句
「寸暇」
「寸暇(すんか)」とは「わずかな暇」のことを言い、例えば「寸暇を惜しんで仕事する」といった形で使われています。これは、“わずかな暇すらももったいないと思い、没頭するう様子”を表す言葉です。
よく「寸暇を惜しんで~」を「寸暇を惜しまず~」と間違える人がいますが、「寸暇を惜しまず」は誤った使い方なので混同しないよう注意しましょう。
「閑暇」
「閑暇(かんか)」とは主に文章で使われる言葉です。「やることがない状態」「暇があること」を意味する言葉で、たとえば「閑暇を持て余す」「閑暇を得る」「買い物をして閑暇を過ごす」といったように使います。
ちなみに「閑暇」の対義語は「多忙」です。予備知識として知っておくといいでしょう。
「閑古鳥が鳴く」
お店などに人がいない状態を「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」と言うことがあります。この「閑古鳥」とはカッコウのことで、カッコウは山や森など静かな場所で鳴きます。つまり「閑古鳥が鳴く」とは「カッコウが鳴くほど静かで寂しいところ、またはそのさま」という意味の言葉なのです。
よく「暇」という意味で使われがちですが、「暇がある」というよりも「商売が流行らない」ことを意味する言葉なので、使い方に注意しましょう。
いかがでしたか? できるだけ多くの言い換え語彙を知っておくと、さまざまな場面で役に立つでしょう。また、その場にふさわしい言い換え語彙を使うことで、会話の相手にも知的な印象を与えられるはずですよ。ぜひ覚えておいてくださいね。
参考文献
齋藤 孝『大人の語彙力ノート どっちが正しい?編』(SBクリエイティブ)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Robert Kneschke、GaudiLab、g-stockstudio、Mangostar、asiandelight、kiuikson)