アラサーともなると、冠婚葬祭の行事に参列する機会が増えてくるでしょう。冠婚葬祭の行事では、普段は使わないような言葉が使われることも多く、つい読み方に戸惑ってしまいますよね。
そこで今回は、“結婚式で使う読み間違えたら恥ずかしい漢字”をご紹介します。特に耳にすることの多い漢字をまとめましたので、ぜひこの機会に覚えておきましょう。
1.「祝詞」
「祝詞」には2つの意味があり、それぞれの意味によって読み方も変わってきます。
まず1つめの意味は、漢字のとおり「祝いの言葉」。そして2つめが「神前で神に祈る時に唱える言葉」という意味です。たとえば神前結婚式において、斎主(いわいぬし)と呼ばれる祭事を執り行う人が、2つめの意味である「祝詞」を読み上げます。
2つの意味に対する読み方、もうおわかりでしょうか?
1つめの意味の場合は「しゅくし」、2つめの意味の場合は「のりと」と読みます。「祝辞」と書いて「しゅくじ」と読む言葉があり、こちらと読み方を混同しがちなので注意しましょう。
2.「大安」
「大安吉日」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。また、カレンダーに「大安」と書かれているのを見たことがあるという人も多いでしょう。
「大安」とは「六曜」の一種で、「六曜」は暦(こよみ)の日付を6種類の吉凶日に分けたものです。中でも大安は、六曜の中で最も縁起が良い日とされ、結婚式の日時を決める際にも大安を選ぶ人が少なくないと言います。
そんな「大安」の正しい読み方は……
「たいあん」です。お店に「大安」と書かれていると、つい「大安売り」と勘違いして読んでしまう可能性もあるので気を付けましょう。
3.「祝儀」
身近な人の結婚式に列席した際に、「ご祝儀」としてお金を包んだ経験がある人もいるでしょう。「祝儀」とは「お祝いの気持ちを表すために贈る金品または品物」、「祝いの儀式」という意味があります。
「祝」を「しゅく」と読むため、「しゅくぎ」と読み間違えがちですが、正しくは……
「しゅうぎ」と読むのが正解です。
ちなみに「祝儀」を入れる袋を「祝儀袋(しゅうぎぶくろ)」と言いますが、弔事の際に金品を包む袋のことは「不祝儀袋(ふしゅうぎぶくろ)」と言います。
4.「華燭」
「華燭」とは「華やかなともしび」のことを言います。また「華燭の典」とは「華やかで素晴らしい宴」という意味で、人から贈られる言葉であり、自らの結婚式について使う言葉ではないそうです。「華燭の典」=「自らの結婚式」と誤用されることも多いため、使い方に注意しておきたいですね。
そんな「華燭」の正しい読み方は……
「かしょく」です。
「燭」は「蝋燭(ろうそく)」のように「そく」と読むこともあるため、「かそく」と読み間違えないようにしましょう。
いかがでしたか? 冠婚葬祭にまつわる言葉、特に「祝儀」「大安」といったよく使われる漢字が読めないと、漢字力のあるなし以前に“社会人としての常識”を疑われてしまうことも……。
思わぬところで赤っ恥をかかないためにも、正しい読み方をしっかりと覚えておきましょう。
参考文献
村石利夫『日本語「間違い」辞典 温厚?温好?一所懸命?一生懸命?どっちが正しい!?』(ベストセラーズ)
文/大内千明 画像/PIXTA(ピクスタ)(Ushico)、Shutterstock( Josiah_S、Dr. Gilad Fiskus、minianne、Tharnapoom Voranavin)