なんとなく「こう読むだろうな」と思っていても、実際に正しい読み方を知らない漢字は意外と多いもの。
そして読み方があいまいなまま覚えていて、いざという時に読み間違えてしまい、恥をかいてしまった……という経験をしたことがある人もいるのでは?
そこで今回は、“読み間違いの多い漢字”をピックアップしてご紹介します。あなたはいくつ正しく読めるでしょうか?
1.「言質」
ビジネスシーンやテレビドラマなどで「言質をとる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「言質」とは「あとで証拠となる約束の言葉」のことで、つまり「言質をとる」とは「あとで証拠になる言葉を相手から引き出す」という意味の言葉です。
「言質」では「質」を「しつ」と読み間違えてしまう人が多いのですが、正しくは……
「げんち」と読みます。
「げんしつ」と読んでしまいませんでしたか? ちなみに「人質(ひとじち)」「質屋(しちや)」などは「質」を「しち」と読みますよ。
2.「雑魚」
「雑魚」とは「色々な種類が入りまじった小魚」を意味する言葉です。その他にも「(名の知れ渡った)大物に対して、取るに足りない小物」や「つまらない者」をたとえていう時にも「雑魚」という言葉が使われます。
そんな「雑魚」の正しい読み方は……
「ざこ」です。
「雑」は「ざつ」と読み、また「魚」は「ぎょ」などと読むため、「雑魚」を「ざつぎょ」「ざっぎょ」などと読み間違えてしまう人が少なくないそうです。言葉の意味と一緒に覚えておきましょう。
3.「贈賄」
どちらの漢字にも「貝」がつくこちらの言葉。「贈賄」は「わいろを贈る」ということを意味します。ニュースなどでこの漢字を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そんな「贈賄」の正しい読み方は……
「ぞうわい」です。
「ぞうしゅうわい(贈収賄)」や「わいろ(賄賂)」など、「贈賄」と漢字の並びが似ている言葉と間違えやすいので、混同しないようしっかり覚えておきましょう。
4.「木偶」
「木偶」には「木彫りの人形」または「あやつり人形」といった意味があります。この漢字を見たままで「もくぐう」と読むのは不正解です。
あまり「木偶」単体では聞き馴染みのない言葉かもしれません。「木偶」を用いた言葉で日常的に聞くとすれば「木偶の坊」でしょうか。「木偶の坊」は「役に立たない人」「人の言いなりになっている人」という意味の言葉です。
「木偶」は……
「でく」と読みます。ちなみに、「木偶(でく)」のことを「でこ」と読む地方もあるそうです。
読み間違いの多い漢字、あなたはいくつ正しく読めたでしょうか? 今回、読み間違えていた漢字があれば、ぜひこの機会にしっかりと覚えておきましょう。
普段から正しい読み方を調べておくことで、いざという時に読めなくて困った……という事態を避けられるはずですよ。
参考文献
村石利夫『日本語「間違い」辞典 温厚?温好?一所懸命?一生懸命?どっちが正しい!?』(ベストセラーズ)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Dean Drobot、Andrey_Popov、Atstock Productions、Khakimullin Aleksandr)