堀田茜さん30歳、フェムケアを考える「身体の話を〝恥ずかしい〟と思う意識自体、捨てなきゃいけない古い感覚」
堀田茜が30歳になり「これ知らないと恥ずかしいかも…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く新連載!この話、ほったらかしにしなくて良かったと思える日が必ず来るはず!
【vol.1】自分のカラダとどう向き合う?
今回のゲストは...森田敦子さん
【今月の茜のモヤモヤ案件】
「昔から生理が重いほうで、フェムテックには興味がありました。年齢的にもまわりに妊活している友達も多くなってきて、改めて自分のカラダのことが気になるように。日本でフェムケアが認知される前から携わってきた、森田さんにぜひお話しを伺いたいです!」
日本で話題になる前から、フェムケアに注目していたのはなぜですか?(茜)
茜:ここ数年で「フェムケア」「フェムテック」という言葉が急速に広まりました。でも具体的に何を考え、実践すればいいのかイマイチわからない。森田さんが今のお仕事の活動をスタートされた頃はまだフェムケアという言葉すらなかったと思いますが、そんなときからフェムケアを広めようと考えたのはなぜですか?
森田:24歳のときに体を壊したのが大きな理由です。航空会社で働いていたのですが、80年代の当時は女性がバリバリ働き出した時代。私もがむしゃらに全力で毎日働く毎日だったのですが、気付かぬうちに無理をしすぎていたようで病気を患ってしまいました。そこから健康について真剣に考えるように。2年の休職を経て復帰しましたが、身体に負担をかけてまで働くことが苦しくて退職し、療養中に出会った植物療法をフランスの大学で学ぶことにしました。学び進めていく中で性科学という学問にも出会うことになるんですけれど、日本のこの分野があまりに遅れていることに衝撃を受けて…。
茜:日本はそんなに後れを取っていたんですね。
森田:男性主導の社会だったからですよね。今でこそ生理休暇ってよく聞く制度ですが、これはごく最近の話。当時は男性が月経痛を理解するどころか、生理でお腹が痛いことを周りに言うことすら憚られた時代。辛ければ薬を飲んでおしまいの風潮でした。性のことを話題にすること自体がタブーでしたから。
茜:たしかに…以前はそういう風潮もあったかもしれませんね。
森田:でも私は学問を通して、人は食欲、睡眠欲、性欲、この3つがあって成り立つものだと改めて思い知らされ、中でも日本では理解が遅れている性の部分の重要性に注目。自分が女性であることを受け入れ、女性としての身体を知り、ケアすることが健康につながると知りました。大きな病気から体の免疫力が落ちたことで、髪が抜け落ち、妊娠出産はもう無理と言われた私が、自分で植物療法やフェムケアを取り入れたことで、今は誉めてもらえるほどにツヤツヤの髪が生えて、40を過ぎてから子供にも恵まれたんです。この喜びを伝えたいし、誰かに私と同じ辛い思いをさせてはいけないという使命感から、帰国後フェムケア事業で起業することにしました。
− 女性はもっと自分を優先していい。私の今があるのは自分で自分の身体を守ったから − 森田敦子
− 身体の話を〝恥ずかしい〟と思う意識自体、捨てなきゃいけない古い感覚ですよね − 堀田 茜
森田敦子さん
植物療法士/サンルイ・インターナッショナル代表。ライフケアブランド「ワフィト」、フェムテックブランド「アンティーム オーガニック」、フェムケアメディア「ウームラボ」を立ち上げるなど幅広く活躍。また「ルボア フィトテラピースクール」を主宰し、数多くの植物療法士を輩出している。著書に「感じるところ」(幻冬舎)他多数。Instagram:@atsuko1705
※堀田茜さん、森田敦子さんともに衣装は私物です
撮影/杉本大希 モデル/堀田 茜 取材/野田春香 再構成/Bravoworks.Inc