初の日本オリジナルキャストで2月より上演がスタートするミュージカル『ドリームガールズ。主演を務める望海風斗さんインタビュー後編では、ウェルビーイングなライフスタイルについてお聞きします!
――望海さんには以前もウェルビーイングなライフスタイルについてお聞きしたことがあり、退団直後は「後回しにしてしまった家族とこそ、一緒に過ごしたい」、退団1年後頃は「自由になった時間を楽しめるようになった」とおっしゃっていました。最近はどうお過ごしですか?
ついこの間までコンサートだったので、ウェルビーイングとはほど遠い生活をしていました(笑)。そんな忙しい毎日を支えてくれたのは家族です! どんなときでも何かあると助けてくれるのは親ですね。何歳になっても親は親だと改めて感じました。私が親孝行しているのではないのですが(笑)、家族と過ごしたいという願いは叶えられたんだなと思いました。
――インスタでも幼い頃の弟さんが登場するなど、ご家族の仲の良さが感じられますね!
一人でいる時間が好きな人の集まりなので、いつも一緒にいるわけではないんですよ。弟は今海外にいますし、父は1人キャンプしています (笑)。でも家族のグループLINEがあって、そこに父の1人キャンプの写真が送られてきたりするとなんだか気持ちがほっとしますね。隣にはいなくても繋がっている感じが。
今は実家の近くに住んでいるので、宝塚時代より実際の距離も近くなりました。なので、時間があるときは実家に帰っています。そして、最近やっと本当の自分になって家族と過ごせている気がしますね。本当の自分というのは、娘としての私です。元男役あるあるなのか私だけの感覚なのかわかりませんが、男役のときは日常でも男役が残っているんです。なので、私自身が自分のことを息子だと思って家族と接していました(笑)。だから、家族は「やっと我が家に娘が帰ってきた!」と思っているんじゃないでしょうか(笑)。私も20年ぶりに家に帰った感覚があるので、とても新鮮ですし楽しいです!
――今回の公演も1カ月以上にわたる長丁場ですが体力や健康をキープするうえで実践している、フィジカル面でのウェルビーイングなことがありましたら教えてください。
眠ること! 睡眠は心身ともに回復させてくれるなと、改めて感じています。ゴールデンタイムに睡眠をとるようにしています。
――食事面で気を付けていることはありますか? お料理はされますか?
料理はあまりしないんです。ウェルビーイングじゃなくて、申し訳ないです(笑)。食事面でも母に助けてもらっていますね。母は私の健康が心配なようで「ご飯、作るよ!」と言ってくれるので存分に甘えています。
――お母様の手料理でお好きなメニューは?
ハンバーグ、ロールキャベツ、シュウマイの3つは子供の頃からの鉄板です! 時間ができたら自分で健康に気を付けた食事を作りたいとは思っていますが…今はお仕事を頑張りたいので、料理は母に担当してもらいます!
――「これがあれば機嫌がよくなる!」「これをごほうびに頑張れる!」というモノ・人・趣味などはありますか? 先日、元雪組の彩凪 翔さんと綾 凰華さんに同じ質問をしたときはお二人とも「仲間」というお答えでした。
私も仲間です!! 宝塚を退団してから、より仲間という存在の大きさを感じています。離れてしまって寂しいですが、一緒にやってきた仲間が今も宝塚で頑張っていること、退団した翔ちゃん(彩凪さんの愛称)やあやなちゃん(綾さんの愛称)が外の世界で活躍していること、どちらも励みになっています! 私の公演を観に来てくれるのは嬉しいですし、退団者の公演を観に行くのも大好きです。今は雪組の公演を観に行くのが楽しみで、それがあるから頑張れるというのはすごくありますね!
――「宝塚時代はセルフプロデュースに必死だったけれど、周りの人に客観的に見てもらい、アドバイスしてもらうと新しい自分を知ることができる」と以前のインタビューでお話ししてくださいました。最近の新たな発見がありましたら教えてください。
宝塚退団後は、まったく違う別の人生が始まると思っていました。でも実際は男役というフィルターがあるかないかぐらいの違いしかなく、自分自身は変わっていないんです。見た目は変わったと思いますけど (笑)、根本的なことは変わらないですね。今思えば当たり前のことですが、退団したときは「男役でない自分は誰になればいい?どこに行けばいい?」と、一年ほどさまよっていました。「男役ではなくなったから新しい自分を見付けなきゃ」とすごく意識していましたが、今はそれがなくなったなということに最近気づきました。
――先ほどお話しに出た20 th コンサート『Look at Me』を終えての感想もお聞かせください。
「これを毎日やれるの!?」と思うほど盛りだくさんにしてしまったので、後悔するくらい大変だったのですが(笑)、ファンの皆さまがすごく楽しんで一緒に盛り上げてくださったので、やればやるほど力が湧いてきました! 私自身いろんな経験ができましたし、強くなっているのを実感したので、本当に挑戦してよかったなと思っています。舞台も大好きですがコンサートは皆さまとの距離が近い気がするので、これからも定期的に開催したいです。やるからにはまた盛りだくさんにしたいので(笑)、また「やるぞ!挑戦したいぞ!」と気持ちが高まったときにできたらいいなと思います。
――インスタにアクリルスタンドの写真を時々アップされていますが、どれくらい持っていらっしゃいますか?
宝塚時代のアクリルスタンドはすべて一度封印したんです。辞めたので区切りとして。実家に送ったと思うので、探し出してきたら大勢でもっといっぱい遊べるのに!と思っています(笑)。今、手元にあるのは『Look at Me』の5人と『ガイズ&ドールズ』の主要キャスト4人です。自分を活気づけるために置いてみたり、気分で大階段に並べて誰がセンターがいいか決めたりしています(笑)。いつも家で遊んでいるわけではないですよ(笑)。アクリルスタンドだけでなく、季節を感じる置物を並べるのも好きですね。
望海風斗
‘03年、宝塚歌劇団に89期として入団。’17年 雪組トップスターに就任。真彩希帆とのトップコンビは宝塚随一の歌唱力と評される。‘21年4月 退団。同年、初コンサート『SPERO』を開催。’22年は『イントゥ・ザ・ウッズ』、『next to normal』『ガイズ&ドールズ』に出演し20 th コンサート『Look at Me』を開催。
ブロードウェイ・ミュージカル
『ドリームガールズ』
トニー賞6部門・グラミー賞2部門を受賞し、ビヨンセ主演で映画化された大ヒットブロードウェイ・ミュージカル。世界中で圧倒的な人気を誇る本作の初演バージョンを初の日本オリジナルキャスト版で上演。主演ディーナを務めるのは圧倒的な歌唱力で観客を魅了する元宝塚歌劇団トップスターの望海風斗。「Dreamgirls」「One Night Only」「(And I AmTelling You)I’m Not Going」など数々の名曲が登場、’60年代アメリカの華やかなショービジネスの世界を繰り広げる。【東京】2月5日(日)~2月14日(火)東京国際フォーラムホールC【大阪】2月20日(月)~3月5日(日)梅田芸術劇場メインホール【福岡】3月11日(土)~3月15日(水)博多座【愛知】年3月22日(水)~3月26日(日)御園座
撮影/大瀬智和 ヘアメーク/チエ(KIND) スタイリング/菊池志真 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)