誰もが感じたことのある女友達に対するネガティブな感情や、モヤモヤした気持ち。それって女は嫉妬深い生き物だから?それとも私の性格が意地悪なせい?いいえ。どうやら、モヤモヤの正体はもっと別のところにありそうです。
「社会に深く根付く〝女嫌い=ミソジニー〟を理解するといろいろなものが見えてきます」
女同士のあいだで感じるモヤモヤやネガティブな感情の正体は一体何?『女ぎらい』の著者でも知られる上野千鶴子さんに、解説してもらいました。
女の幸せは男次第ではない時代。女の友情?もちろん成り立ちます
今では女同士の友情を描く物語も増え、セックスを伴わない男女の友情を書いた作品も出てきています。それは、女性たちが「自分が主人公として生き、自分の幸せは男に依存しなくても叶えられる」と思えるようになってきたからではないでしょうか。 CLASSY.が掲げている「オシャレも人生も『自分で選ぶ』」というメッセージもそうですよね。
「女同士の友情は希薄だ」「女の敵は女」「女は嫉妬深い生き物だ」と刷り込まれてきたのは、女性を分断したほうが男性が女性を支配しやすかったから。男性は女性同士が結びつくことを怖がります。女の友情は希薄だなんていうことはありませんし、女のミソジニーは社会の構造が生んだもの。女は本質的に嫉妬深い生き物ではないとわかった以上は、女同士は争う運命なのだと諦めなくてもいいのです。
もちろん、だからといって「女の敵は男」ということでもありません。人類のうちの半分は男で、その中には愛すべき男たちもいます。男女を問わず、相手がどんな人生を送ってきたとしても、人生の節目の決断や選択など、その人の人生をリスペクトすることが友情が長く続く秘訣だと私は思います。結婚や出産をした女性にとっては、人生の優先事が家族や子どもになる時期もあります。でも、そんな時期はあっという間に終わり、子どもは親の元から離れていく。その時に戻ってくるのが女友達。私はそんな友達をいつも「おかえりなさい」と言って迎えています。
解説してくれたのは…社会学者・上野千鶴子さん
1948年富山県生まれ。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長。日本を代表する女性学の研究者として、東京大学名誉教授時代の2019年には東京大学入学式の祝辞で日本におけるジェンダー問題に触れ話題に。2023年1月2日にはミソジニーの解説をした特別番組「100分deフェミニズム」(NHK)が放映予定。
取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc
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