「R-1グランプリ」で2年連続準優勝を果たし、今最も勢いがあるピン芸人の1人であるZAZYさん。一度目にしたら忘れられない個性爆発のビジュアルと、ハマるとクセになるユニークなフリップ芸で唯一無二の存在感を発揮しているZAZYさんが、CLASSY.ONLINEに初登場。ZAZYさんが考える自分らしさやウェルビーイングのために心がけていること…インタビュー後編では、その内面に迫ります!
PROFILE
ZAZY(ざずぃー)●1988年6月27日生まれ。大阪府出身。NSC大阪校に33期生として入学し、2011年4月にデビューしたピン芸人。2013年に現在の芸名となった。奇抜な発想力を生かした紙芝居ネタで知られ、2021年、2022年に「R-1グランプリ」で2年連続準優勝を果たした。
“ZAZY”と“赤井”、自分を見つめる2つの視点
-インタビュー前編で「あまり落ち込まないタイプ」と言っていましたが、その考え方は昔からですか?
もともと、子どもの頃から物事を俯瞰で見る子だったんですよね。子どもの頃のイジメとか、親がすごく厳しかったとか、いろいろ幼少期に大変だったこともあるんですけど、全体を俯瞰で見てたからそんなに辛くなかったというか。それと同じで、仕事で失敗しても、俯瞰で見てる自分がいるんですよね。僕がミスしたところで、僕にしか影響ないじゃんって思ってます。誰かに仕事でめっちゃ迷惑をかけても、別に他人じゃないですか。たとえ家族だとしても、僕が仕事でめちゃくちゃスベッても、それで泣いてるかっていったら泣いてないやろうし(笑)。あとは、僕の中に「ZAZY」と「赤井(※注:ZAZYさんの本名である赤井俊之のこと)」の2人がいて、ZAZYとして仕事ですべったら赤井が俯瞰で見てるし、赤井としてすべったらZAZYが俯瞰で見てる。そういう切り替えがスムーズに行われていて、カメラの前だとZAZY強め、今みたいなインタビューのときだと赤井強め、とお互いを俯瞰で見ているので、大きく落ち込んだりせずにいられるのかもしれないです。
-まわりに振り回されない自分だけのスタンスがあるZAZYさん。ご自身が“自分らしいな”と思う生き方とは、どんな生き方ですか?
「人と違う」を選ぶことですかね。人と違うことをやって面白いとかすごいって言われるのもめちゃくちゃ嬉しいですし、何か新しいことをした時に「めっちゃZAZYしてるやん」って言われると、すごく嬉しいです。僕の脳内だけじゃなくて、ファンの方とか、スタッフさんとか、周りの人に”ZAZYっぽい”っていうのがある程度の共通認識として広まってきてるなって感じられるようになってきて、自分らしくいられているのかなって思います。
周りに「変な人」と思われても、2週間経てば”そういう人”になる
-自分らしさやZAZYっぽさを実現するために、心がけていることはありますか?
ZAZYモードがガンガンのときは、人と違うことをめちゃくちゃしますね。決して、仕事だからZAZY、プライベートだから赤井というわけでもないんです。テレビに出ているときも、「今はZAZYは60%でいいな」って考えたり、常にZAZYと赤井のバランスでやっていて。プライベートでも、服買うときとか、物事を決めたりするときにはZAZYが出てきますしね。そういうバランスをとってやっていくのが、自分らしいのかなって思っています。
-すでに自分の軸が見つかっているZAZYさんですが、まだ自分らしさが見つけられていないCLASSY.読者にアドバイスをするなら?
そうですね…友達とか、フォロワーとか、そういう周りの人に何か言われるんじゃないかとかは考えずに、好きなことをやってみたらいいんじゃないかと思いますね。ZAZYって芸名にしたとき、結構周りから「ZAZYってなんやねん」とか「意味わからんよ、絶対赤井のほうが、本名のほうがいいって」とか言われたんですよ。でも、他人が言ってくるのって、2週間くらいで終わるんです(笑)。2週間くらい経ったら、そういう人として受け入れられるというか。なので、何か好きなものがあったら「これ好き」って言っちゃえばいいんです。「意外!」とか「変なの」とか一回全員に言われるだけで、2週間経てばそういう人になれるから。それをいろんな場面で続けていったら、自分の軸というか、芯みたいなものが見つかっていくんじゃないかなって思います。なんかすんません(笑)。
-ありがとうございます。では、ZAZYさんが憧れている人はいますか?
いろんな方面で、いろんな方がいますね。岡本太郎さんとか、イチローさんとか、ユーミンさんとか…自分の好きなことにめちゃくちゃ熱中している人、120%のパワーでいく人は尊敬します。僕も単独ライブを控えていて、単独ライブは120%でめちゃくちゃやりたいんですよ。なのに、どっかで「ポケモンの新作おもしろそうやな」とか思っちゃう自分がいて。そこですよね、仕事として自分の好きなものに人生120%でいける人に勝てないんですよ。
芸風がブレずにここまで来れたのは松任谷由美さんの言葉のおかげ
-120%でやれるZAZYを目指したいですか?
目指したいです。目指したいですけど、倒れるまで頑張るとかはしたくなくて、自然とそうなれたらいいなって思います。きっとさっき挙げた方たちもそうじゃないですか。好きなものに一生懸命ゆえに120%になっちゃってるだけというか。120%でやろう!って考えながら120%でやってるわけじゃないというか。だから僕もお笑いに一生懸命な結果、120%になった人になりたいです。
-ZAZYさんにとって、今の価値観にたどり着いたターニングポイントはありますか?
幼少期からずっと、通知表に「赤井くんはユニークな子」みたいに書かれてたので、それがアイデンティティだったっていうのはありますね。芸の面でいうと、5、6年くらい前に松任谷由美さんにお会いした時に、めちゃくちゃ面白いって言ってくださって。「あなたはもうオーバーカルチャーしているから。このまま続けていくだけで、カルチャーが追いついてくるから、そうしたらガンガン行けるから、芸風を曲げない方がいい」みたいなことを言ってくださったんです。それが今の芸風につながっているかもしれないですね。ユーミンさんの言葉がなかったら、3〜4年前の売れてない時期に、ブレちゃってたかもしれないので。
「周りを出し抜くより、みんなで売れた方がハッピーになれる」と気づいた理由
-最後に、ZAZYさんが周りも自分もハッピーでいるために心がけていることはありますか?
僕、1年くらいまでは周りを出し抜いてやろうって発想の人間だったんですよ。でも、ここ1年か1年半くらいのあいだに、同居している芸人のメンバーとか同期のメンバーたちが、結構仕事で活躍するようになってきて。そうすると、同期とか家のメンバーのつながりでお仕事をいただくことが多くなって、それで仕事が増えたんです。それで「あれ?これもしかしてみんなを出し抜くより、周りの人が売れたほうが、自分の仕事もハッピーに充実するんじゃない?」って思って。
-そう感じてから、何か具体的に変わったことはありますか?
まわりの芸人たちに「もっとこうしたら?」ってネタのアドバイスをしたり、「ここ面白かったよ!」って伝えたりするようになりました。それまでは、誰かが面白いと「こいつ面白いな、なんやねん腹立つな」って思ってて(笑)。よかったよって伝えたりすることはなかったですよね。嫌なことだけ伝えて。「あれおもろないで」とか「あそこスベッてたよな」とかばかり言ってました(笑)。でも違うなって。たとえばマネージャーさんが毎日めっちゃ疲れててハッピーじゃなかったら、ZAZYの仕事なんかもう別にいいわ、はよ帰って寝よってなっちゃうじゃないですか。でも、毎日が充実してハッピーになればなるほど、仕事にも一生懸命になってくれて、僕の仕事いっぱい取ってきてくれると思うんですよね(笑)。
12月26日(月)開催!
ZAZY大単独LIVE「大祭鳥」
公演日程:2022年12月26日(月)
時間:開場18:30/開演19:00
会場:紀伊國屋ホール
(東京都新宿区新宿3丁目17−7 紀伊國屋書店新宿本店4F)
出演者:
ZAZY
ゲスト:お見送り芸人しんいち(グレープカンパニー)、トニーフランク、男性ブランコ 他
会場チケット:前売:4,000円/当日:4,500円
配信チケット:イベント割対象1,000円
撮影/千葉タイチ 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)