普段からテレビのニュース番組や、インターネットのニュースサイトを閲覧しているという人もいるのではないでしょうか。
ニュースの中にはさまざまな漢字が出てきますが、実は読めるつもりでも間違って覚えている……。そうした、読み方が難しい漢字が少なくありません。
そこで今回は、“ニュースでよく見るけれど、読み間違えやすい漢字”をご紹介します。
1.「粗利益」
企業の収支報告に関するニュースで「粗利益」という言葉を耳にすることがあるでしょう。
「粗利益」は「売上総利益」のことを言い、商品の売上金額から、原価を差し引いた金額のことを言います。「粗利益」と「売上総利益」は同じ意味で、「売上総利益」が正式名称ですが、ビジネスシーンでは「粗利益」と使われることが多いです。
つい「そりえき」と読み間違えやすいこちらの漢字。「粗利益」は「あらりえき」と読むのが正解です。
ちなみに、売上金額に対する粗利益の割合のことを「粗利益率(あらりえきりつ)」と言います。
2.「脆弱」
「脆弱」とは、文字通り「脆く(もろく)弱いこと」を意味する言葉です。
インターネットでの不正アクセス問題などのニュースで「セキュリティの脆弱性」「脆弱性対策」といった言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
そんな「脆弱」の正しい読み方は……「ぜいじゃく」です。
「きじゃく」と読んでしまいがちな言葉ですが、「き」と読むのは「危」という漢字であって、「脆」には「き」という読み方はありません。
3.「入水」
「入水」とは漢字のとおり「水に入ること」を意味する言葉で、「にゅうすい」と読みます。
ただ、「入水」にはもうひとつ「水の中に身を投げ入れて自殺すること」という意味もあり、この場合の「入水」は「にゅうすい」とは異なる読み方をするのをご存知でしょうか。
この場合の「入水」は……「じゅすい」と読むのが正解です。
読み方によって意味が異なってくるので、混同しないよう注意しましょう。
4.「生抜き」
「なまぬき」「きぬき」「いきぬき」などと読み間違えられることが多い、こちらの漢字。
「生抜き」には「最初から現在まで、ずっとそこに所属していること」「生まれた土地でずっと育つこと」という意味があります。
たとえばスポーツ関係のニュースで、最初に所属したチームから今まで一度も移籍などをしていない選手のことを「生抜きの選手」と言うことがあるでしょう。
そんな「生抜き」の正しい読み方は……「はえぬき」です。
なお、「生抜き」は「生え抜き」と表記されることもあります。
いかがでしたか? ニュース番組やネットニュースなどを見ていると、どうしてもニュースの内容だけを追ってしまいがちですが、意外と読めない漢字が出てくることもあるものです。
もし読み方がわからない漢字が出てきた時は、正しい読み方を調べておくといいでしょう。
参考文献
根元 浩『杏仁豆腐はキョウニンドウフが正しい!大人が読み間違うと恥ずかしい漢字』(中央公論新社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(Dean Drobot、Roman Samborskyi、Rawpixel.com、PlusONE、Monkey Business Images)