黒谷友香さんに聞く「半島で実現する“新しい働き方と暮らし方”」の魅力とは?

千葉・房総半島と東京の二拠点を行き来して暮らす女優・黒谷友香さんが、半島生活の魅力に迫るべく、和歌山・紀伊半島へ! 和歌山県白浜町に隣接する「すさみ町」に大阪から移住し、観光案内所「FRONT110」を立ち上げた源口葉月さんと、“半島生活”をキーワードにクロストーク。若くして半島暮らしを決めた理由は? 新たな生活拠点を選ぶときに大事なことは? 経験者のふたりが語る本音に注目です。

“二拠点生活”と“移住”、2人が選んだそれぞれのスタイル

黒谷さん:和歌山県は何度か訪れ

黒谷さん:和歌山県は何度か訪れたことがありますが、すさみ町は初めて。海に浮かぶ稲積島の景色は絵画みたい。源口さんがこちらに暮らし始めてどれくらい経つんですか?

源口さん:約2年です。私は大阪出身で、最初の1年は大阪とすさみ町の二拠点生活。今は用事があってたまに大阪に戻るくらいで、生活の拠点はすさみ町。黒谷さんは、すごく若い頃から二拠点生活をされているんですよね?

黒谷さん:19歳のときに房総半島で乗馬をしたことがきっかけで、東京と房総半島の二拠点生活をスタートしました。それからずっとなのでもう25年以上。続けているというか、“ごく自然に続いてきた”という感じです。

源口さん:房総半島への“移住”は考えていないんですか?

黒谷さん:私の場合は仕事に集中できる東京、自然を愛でながら暮らす房総半島、2つの拠点があってこそ自分らしくいられる。どちらかだけという選択肢は、今のところ考えていなんです。源口さんがすさみ町に移住したきっかけは?

源口さん:元々、奈良県でタウン誌を作る地域企業で働いていました。当時、地元の農家の方に取材などをしていたのですが、ゼロから物作りをするこだわりや経験を積んでこその知恵や勘、生き様が本当にかっこよくて。“地に足のついた、そんな生き方をしてみたい”という憧れから退社。同じ年の夏に、すさみ町に移住していた会社員時代の後輩を訪ねてこの街に遊びにきたのですが、サーフィンで鎖骨を折ってしまい……。そのとき町の方々にすごくお世話になったんです。皆さん本当にあったかくて。すさみ町を盛り上げようという地元の人の想いにも触れ、大阪に戻った入院中に気が付いたら“すさみ町の可能性”について考えている自分がいました。

暮らす場所を選ぶ時、何を重視する? キーワードは”人の温かさ”。

黒谷さん:運命的ですね。直感と

黒谷さん:運命的ですね。直感とか相性のよさって、二拠点や移住を考えるうえですごく大切な気がします。もちろん、それぞれの生活スタイルで決断が難しい場合もあるけれど、感性の反応って正直だなと思うんです。私も初めての房総半島で抱いた“ここに暮らしたい”という想いが今まで変わらず、途切れず続いている。当時、乗馬を教えてくれた方の“人と植物と動物が共存する”という理念が響いて、それが房総半島に居を構えるきっかけに繋がっています。やっぱり、人の力も大きい。今日もFRONT110を訪れてすぐ、この町の人の温かさが伝わりましたよ。皆さん笑顔が素敵で穏やかで、親近感もたっぷり(笑)。

源口さん:嬉しいです! 今日はすさみ町の役場の方もお手伝いに参加してくれているんです。黒谷さんに会いたい、というのも大いにあると思いますが(笑)。

黒谷さん:役場の方まで! ありがたいですね。絶景の広がる芝生でのバーベキュー、美しい海でのSUPやサイクリングにキャンプ。FRONT 110のような、親しみやすい方々が運営する、地元の魅力を存分に楽しめる体験をプロデュースしてくれるスポットがあると、その土地に観光以上の興味や愛着が湧きそうです。

源口さん:ありがたいことに、FRONT110のスタッフとのコミュニケーションを求めて、すさみ町に遊びに戻ってきてくれる方も多いんです。FRONT110はすさみ町に愛着を持っていただき、訪れる方と地元の人の温かい繋がりを育む場所でありたい。2階にはコワーキングスペースもあるので、二拠点や移住を考えている方に“すさみ町で暮らす、働く”のリアルな提案も行なっています。

心を育み健やかでいられるのは、豊かな自然と人との触れ合いのおかげ

黒谷さん:コロナ禍をきっかけに

黒谷さん:コロナ禍をきっかけに、働き方や暮らし方、人とのコミュニケーションを見直したり、自然の癒やしの力を求める方が増えましたよね。人間の本質と向き合うというか。私も仕事が忙しくても心健やかにいられるのは、房総半島での馬や自然との触れ合い、仲間たちとの時間の力が大きいと思っています。

源口さん:わかります。私は不便さを楽しむ今の暮らしがすごく肌に合うし、やりがいも感じているんです。すさみ町は知らない人はいないぐらいの小さい町。仕事が終わって家に帰ると、近所の農家の方が玄関前にお米を置いといてくれたりする。せっかくだから大切に味わって食べよう、その親切を何かで返そうと、思いやりが循環するのも、すさみ町に住む幸せ。お節介をやいてくれる人がいるありがたさを感じます。

黒谷さん:思いやりも環境も循環するって心地よい暮らしに大切なことですよね。豊かな自然の中での温かなコミュニケーションは、心の余裕も育んでくれるような気がする。海がきれいで、大好きな馬や可愛い動物に触れ合えるアドベンチャーワールドも近くにあって。1日では足りないくらい魅力がいっぱい。すさみ町にまた遊びに来たいなって素直に思いました。

源口さん:ぜひ! 冬はバーベキューメニューにイノブタとレタスのしゃぶしゃぶが登場しますが、絶品です。すさみ町はレタス発祥の地でもあるんですよ。

黒谷さん:知らなかった! そういった新しい学びや出会いも、二拠点生活や移住の魅力ですね。

源口葉月さん●地域コーディネーター。大阪とすさみ町の二拠点生活を経て、約1年前にすさみ町へ移住。観光案内所「FRONT110」の立案者であり、すさみ町の活性化に向けてイベントやコワーキングの提案など、積極的に活動。

絶対行きたい! すさみ町のおすすめスポット2選

紀伊半島の魅力を楽しむのにぴったりのすさみ町で、ぜひ足を運びたい注目スポットを選りすぐり。

紀伊半島の“美味しい”を絶景とともに堪能できる「FRONT110」

稲積島の目の前。太平洋に浮かぶ

稲積島の目の前。太平洋に浮かぶ稲積島と海のブルー、グリーンの芝生の美しいコントラストの中で、バーベキューを楽しむことができるFRONT110。キャンプグッズはすべてレンタルでき、地産地食の食材セットの販売もあるので、他の好みの食材やドリンクなどを用意すればあとは手ぶらでOK。ビーチキャンプ、SUP、サイクリング、カヤックなど、すさみ町の自然と食を堪能できるメニューを豊富に用意。観光案内所としての機能も備えているので、すさみ町の魅力を知りたければまずはここへ!

和歌山県西牟婁郡すさみ町周参見4581-14
TEL0739-34-3200
営業時間9:00〜18:00
年中無休

大人のための絶景カフェ「BUSH DE COFFEE」

すさみ八景や和歌山県朝日夕陽百

すさみ八景や和歌山県朝日夕陽百選にも選ばれる、婦夫波(めおとなみ)観潮・恋人岬にある「BUSH DE COFFEE」。婦夫波は狭い海峡に東西から寄り添うように打ち寄せ合う波の様子からネーミング。カフェの店内に入るとすぐに広がる、太平洋の大パノラマ。窓側のカウンター&テラス席からは、遠くを眺めれば穏やかな海、真下を見れば岩に打ち付ける荒々しい波と、海の二面性を楽しむことができます。ママと子どもたちがのんびり食事を楽しめる広いキッズルームも人気。

和歌山県西牟婁郡すさみ町見老津2-1
TEL0739-33-7400
営業時間11:00〜18:00
木曜休み

【半島は日本の台所】


日本全国の半島の食文化を新発見するために誕生した、“半島応援メディア”。新鮮で、美味しくて、おしゃれ…いままで知らなかった半島の食の魅力を、多方面からたっぷりお届けします。
もっと紀伊半島のこと知りたい人はこちら
twitter @japan_hanto(https://twitter.com/japan_hanto)
Instagram @japan_hanto(https://www.instagram.com/japan_hanto/)
公式Twitterからは、毎週木曜日に各半島の特産品が当たるプレゼントキャンペーンを開催中です!

構成/CLASSY.ONLINE編集室

Magazine

最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

Pickup