【瀬戸康史&千葉雄大スペシャル対談】同い年の2人が、舞台で兄弟役に!

俳優の瀬戸康史さんと千葉雄大さんが、8月7日より上演される舞台『世界は笑う』で共演! お芝居でしっかりからむのは今回が初めてというお二人への特別インタビュー、前編では今回の舞台のお話を中心に伺いました。

――劇作家・演出家のケラリーノ

――劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんが書き下ろした新作舞台『世界は笑う』。昭和30年代初頭の新宿を舞台に喜劇人たちの人間ドラマを描いた群像劇で若手からベテランまで多彩なキャストが揃いました。稽古の雰囲気はいかがですか?
瀬戸「僕がKERAさんの作品に出演するのは3作目なのですが、今まで以上にみんなでいろいろ話し合ってディスカッションしながら作っています。共演のラサール(石井)さんや銀(粉蝶)さんがお話してくださるのをみんなで車座になって聞いて、当時の雰囲気というか、香りみたいなものを自分の中にしみこませています」
千葉「諸先輩方が面白すぎて、自分の出番がない時に稽古を拝見してるだけで贅沢と言うか。特等席でお芝居を見せていただいてるような感じですごく楽しいし、特に瀬戸さんには隣でいろいろ気にかけていただいて…(笑)」
瀬戸「緊張してるのかなと思って(笑)」
千葉「そんなことないんですけどね。でも『緊張してる?』って、めっちゃ言われる(笑)」
瀬戸「最初の頃は人見知りを爆発させてたから」
千葉「確かにそうでした(笑)」

――稽古前のワークショップでは

――稽古前のワークショップでは作品の時代背景を共有するために当時の新宿や喜劇人たちの映像を見たそうですが、どんな印象を持ちましたか?
瀬戸「めちゃくちゃだなって思いました(笑)。いい意味でも悪い意味でも今はいろんなことが整えられていますが、当時は街も人がやってることも何もかも無法地帯のようで…。どっちがいいのかわからないけど、今の時代とのギャップを感じました。自分ならどっちの時代がいいか、ですか? 僕はわりとキレイ好きなので、もしその当時に生まれていたらストレスですごい病みそう(笑)」
千葉「戦争を経た後、また構築していく段階っていろんなことが曖昧で、かつ、みんな一生懸命で——。僕たちはある程度整った時代に生まれてるから比べることはできないけど、あのがむしゃらさみたいなところはすごく人間っぽいなと思います。ある種、ブラックな笑いもあるんだけど、その洒落っ気は魅力的なのかな」

――お二人は同い年で10年前か

――お二人は同い年で10年前から面識はあったけれど、しっかりお芝居でからむのは今回が初めてだとか。お互いについて、今までの印象と稽古を通じて新たに感じたことを教えてください。
瀬戸
「千葉ってシャイだったり人見知りな部分はあるんですけど、潔さというか爆発力があるなって僕はずっと思っていて、今回もそう思いました。稽古を見ていて、切り替える力って言うのかな…爆発力があるって改めて感じました」
千葉「瀬戸さんは同い年だけど先輩のような存在として会ったので、そういう感じでお仕事をご一緒してました。今までは九州男児というか、すごく真面目な印象だったんですが、お芝居を見てると『この人、ちょっと変な人だな』って思ったりして(笑)」
瀬戸「なんでだよ(笑)」
千葉「今作で共演する伊藤沙莉ちゃんが映画で瀬戸さんとご一緒されていて、瀬戸さんの話を聞いたら『マジでおもしろい人』って言ってたので、早くそんなところが見たいなって思ってます(笑)」

――では、お互いの「ここがカッ

――では、お互いの「ここがカッコいい!」と思うところは?
瀬戸「さっき言ったことに近いかもしれないなあ。普段がおとなしいぶん、力を溜めていて、舞台上とか自分が表現しなきゃいけないところでちゃんと爆発する。そのプロフェッショナルな感じはすごく羨ましいです。僕はそういう差があまりなくてずっとフラットな人間なので、職人みたいでカッコいいなと思います」
千葉「瀬戸さんはご自身でもフラットっておっしゃったけど、真面目な感じが面白かったりします。何かやってやろうとして面白いんじゃなくて、自然に役の心理を表現しているのは俳優としてすごいなと思います。さっきは九州男児って言ったんですが、実は人懐っこくて年上の先輩からの愛され力がマジであるんですよ。結構、ジェラシーです(笑)」

――稽古中の今、実感している今作の面白さはどんなところだと感じていますか?
瀬戸「今作は会話劇でもあって脚本を読んでるだけでも面白いうえに、いろんなキャストが動いてしゃべって表現することでさらに面白くなっています。これがどんどん磨かれて本番ではどうなるのか楽しみですし、ワクワクしてます」
千葉「喜劇のお話ですけど喜劇人の一生を描くわけではなく、喜劇人たちと彼らを取り巻く人たちの人生や彼らが生きた時代を描いています。今のコンプライアンス重視の時代からは逸脱した破天荒な時代の面白さというか、今なら笑っちゃいけないことも当時は笑っているし、昭和の話ではあるけれど、今見ても共感できる普遍的なものが描かれていると思います」

瀬戸康史
‘88年5月18日生まれ 福岡県出身 血液型A型●’05年よりドラマや映画、舞台に活躍。‘17年の舞台『関数ドミノ』で文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。最近の主な出演作は『ルパンの娘』シリーズ、ドラマ『私の家政夫ナギサさん』、WOWOWオリジナル『男コピーライター、育休をとる。』、Amazonprimeオリジナル『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』、映画『コンフィデンスマンJP英雄編』『愛なのに』、舞台『23階の笑い』『日本の歴史』『彼女を笑う人がいても』など。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』出演中。

千葉雄大
‘89年3月9日生まれ 宮城県出身 血液型O型●’10年よりドラマや映画、舞台に活躍。‘16年の映画『殿、利息でござる!』で第40回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。最近の主な出演作はドラマ『いいね!光源氏くん』シリーズ、『おっさんずラブ-in the sky-』『アバランチ』、映画『スマホを落としただけなのに』シリーズ、『子供はわかってあげない』、舞台『ポーの一族』『あの夜を覚えてる』など。WOWOWオリジナルドラマ『ダブル』出演中。

 

COCOON PRODUCTION 2022+CUBE 25th PRESENTS
『世界は笑う』
ケラリーノ・サンドロヴィッチの新作書き下ろし。昭和30年代初頭の新宿を舞台に、笑いに魅せられ取り憑かれた人々の奇想天外な人間ドラマを描く。混沌とした時代を生きる喜劇人たちの哀しくて可笑しい群像劇。作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演/瀬戸康史 千葉雄大 勝地 涼 伊藤沙莉 大倉孝二 緒川たまき 山内圭哉 マギー 伊勢志摩 廣川三憲 神谷圭介 犬山イヌコ 温水洋一 山西 惇 ラサール石井 銀粉蝶 松雪泰子●【東京】8月7日(日)~8月28日(日)Bunkamuraシアターコクーン【京都】9月3日(土)~9 月 6 日(火)京都劇場Bunkamura  https://www.bunkamura.co.jp キューブ https://www.cubeinc.co.jp/

【瀬戸さん着用衣装】ジャケット¥35,200パンツ¥36,300(ともにUNDECORATED/UNDECORATED ☎03-3794-4037)シャツ¥30,800(SEVEN BYSEVEN/Sakas PR ☎03-6447-2762 )
撮影/中田順子 ヘアメーク/RYO (瀬戸さん)、堤 紗也香 (千葉さん) スタイリング/小林洋治郎<Yolken>(瀬戸さん)、寒河江 健 (千葉さん) 取材・文/駿河良美 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)

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表紙モデル:山本美月

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