“気負わず、構えず、何事もなかったかのように30歳を迎えたい”俳優・稲葉友さんの素顔に迫るインタビュー

現在29歳の俳優・稲葉友さん。5月27日(金)公開がスタートした映画『恋い焦れ歌え』では長編初主演を務め、トラウマを抱えながら葛藤する難しい役どころを演じています。今回は、素顔の稲葉さんにもっと近づきたい…!ということで、もうすぐ30歳を迎える今の心境や、俳優としての心構えについて教えていただきました。

30代なりの楽しさがありそうで、歳をとるのも悪くないな…って

−−もうすぐ30代に突入ですが

−−もうすぐ30代に突入ですが、わくわく感/もの寂しさ、どちらが大きいですか?

うーん、結構何とも思っていなくて(笑)。節目だとは思うので、インタビューでも聞いてくださることが多いんですが、30代になったらこうしたいとかも特にないんです。年齢を重ねることは自然なことですし、あまり気負い過ぎると自分らしくないと思うので、なるべくフラットに…何事もなかったかのように30歳を迎えたいですね。同世代の友人にはもう結婚して子どもがいる人もいるんですけど、お祝い持って仲間同士で集まったりすると、親戚の集まりか!?ってほど和やかな空気感があって(笑)。歳を重ねるのも悪くないな思いました。

−−理想的な年齢の重ね方をしているなと思う先輩は?

毎週ラジオのレギュラーでLiLiCoさんと一緒にお仕事させてもらっているんですけど、いつ会っても“人生これから!”と言わんばかりのエネルギーがあるんです。なので僕なんて、挑むことも傷つくこともまだまだ…。他にもかっこいい先輩たちがたくさんいるので、見習いながら進んでいきたいです。

父親から役作りの助言をもらうのが小さな夢

−−年齢とともに演じる役柄も変

−−年齢とともに演じる役柄も変わっていくと思いますが、30代で挑戦したい役柄は?

ずっと学校の先生役を演じてみたいと思っていて。今回『恋い焦れ歌え』の設定が小学校の臨時職員役なので一応叶いはしたんですけど…学校ものではなかったですね(笑)。僕の親が学校の先生なので、いつか学校ものを演じるために役作りで父親と「親父の時代の学校ってどうだった?」なんて会話ができたらいいなと思っています。

あとは多様性が言われる世の中になってきたぶん、役も多種多様になってきたから、何でもやれる身体でいたいとは思います。テニスでも卓球でも打ったらすぐ真ん中に戻る!みたいのあるじゃないですか、あれです。どこにでもすぐに踏み出せる重心を常に持っておけば、どんな役でも挑みやすくなるのかなって。どこにでも傾けるよう、準備をし続けていたいなと思います。

それ精神面でのことより身体性がメインかもしれません。ストレッチとトレーニングをして動く体にしておけば、動かない体も演じられる。筋肉もある程度ベースがあれば、大きくするのも絞るのもしやすい。自分の体への理解度が増すと、いざ役が来た時に準備がしやすいかなと感じています。

自分の“今のニュートラル”を探る作業を大事にしています

−−では、精神面で意識している

−−では、精神面で意識していることはありますか?

家事を集中してやること(笑)。舞台の千秋楽が終わって1〜2日お休みができると、捨てるものは捨てて、部屋も細かく掃除して、髪の毛もちょっと切って…って色んなものを削ぎ落とす作業をするんですけど、それによって自然と気持ちがニュートラルな状態になるんです。家族が小田原に畑を持っているので、そこに行ってひたすら畑作業をすることもあります。さっき、真ん中に戻るって話をしましたが、役を経る度に自分の“ニュートラル”が少しずつ変わっていくんです。毎回同じ場所に戻るわけではなくて、少しずつ変化していく。その「新しいニュートラルはここなんだな」って自覚する作業として、いろんなものを削ぎ落とす作業や、畑仕事が大事なんですよね。

−−最後に、稲葉さんと同世代で

−−最後に、稲葉さんと同世代であるCLASSY.読者にメッセージをお願いします。

初めて主演を務めた映画『恋い焦れ歌え』はすごく力強い作品なので、きっと観た人の心を動かしてくれると思います。ぜひ映画館で観ていただけると嬉しいです。同世代同士、頑張りましょう!


映画『恋い焦れ歌え』2022年5月27日(金)渋谷シネクイントほか全国順次公開

Netflix映画部門1位を獲得した記録的BL実写映画『性の劇薬』のフューチャーコミックス、『百円の恋』『アンダードッグ』のスタジオブルーがタッグを組んだ衝撃作。身も心も凌辱された小学校臨時教員と彼を追い詰める孤高のラッパー。社会からはみ出し、心に傷を持つ者たちが生きるために葛藤と戦い、その先にある“真実の愛”に触れる。

出演:稲葉友 遠藤健慎 さとうほなみ 高橋里恩 ほか
原作・監督・脚本:熊坂出

© 2021「恋い焦れ歌え」製作委員会

https://koi-uta.com/

【衣装詳細】
カーディガン¥13,200Tシャツ¥8,800〈ともにエバース〉パンツ¥22,900〈テイクオン〉サンダル¥33,000〈クルニ〉(すべてシアン PR tel.03-6662-5525)ソックス¥2,420(ザ・ロールデザイン/スタンレーインターナショナル tel.03-3760-6088)

撮影/木村 敦 ヘアメーク/岡本典子 スタイリング/添田和宏 取材・文/伊藤綾香 構成/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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表紙モデル:山本美月

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