読むことはできるけれど、書こうとすると正しい漢字が思い出せないことはありませんか。日常的に使っている言葉でも、実際に書けるかどうかはまた別の話。自分では正しく書けているつもりでも、実は間違っていた!なんていうこともあるでしょう。
そこで今回は、意外と書き間違いが多い漢字を5つピックアップしてみました。
1.「はなよめしゅぎょう」
料理に洗濯、掃除など結婚してから困らないよう、今のうちから家事のスキルを高めておこうと頑張っている女性も多いのでは。そうした「はなよめしゅぎょう」ですが、「花嫁」はともかく、「しゅぎょう」という言葉は意味によって使う漢字が異なります。
「はなよめしゅぎょう」の場合、「花嫁修業」と書きます。
「修業」という漢字はそもそも、学問や芸・技能を習得する際に使う漢字です。そのため、「花嫁修業」になります。ちなみに「武者修行(むしゃしゅぎょう)」の場合は「修行」と書き、主に「悟りを開く」「精神をきたえる」といった場合に使われる漢字です。言葉の意味から、どの「しゅぎょう」が当てはまるのかを考えると、正しく覚えられるでしょう。
2.「ひとなみが続く」
「ひとなみ」という言葉は、それぞれ表される漢字によっていくつかの意味があります。
例えば、大勢の人が動く様子を波に例えた今回のような場合「ひとなみ」は「人波」と書きます。
一方、「人並み」という言葉もあります。「人並み」は、「(ある能力や行為、生活水準などが)世間一般の人々と同程度であること」を意味する言葉です。「ひとなみ」と一言で言っても、漢字が違えば全く異なる意味になるので、間違えずに使い分けたいですね。
3.「おおぶりの雨」
かなり強く激しい雨が降っている様子を表す「おおぶり」。
漢字で書くと「大降り」です。
「雨が降る」の「降る」を使うのが正しいですが、中には「大振り」と間違えてしまう場合も……。野球のバットなど、何か物を振る場合には「振る」を使うのが正解です。ちなみに「大ぶり」と書くと、「大ぶりの茶碗」など、サイズを表す言葉になります。
4.「かりずまい」
自宅の建て替えやリフォーム中に、自宅とは別に短期間住む家のことを「かりずまい」と言います。家を借りるのだから「借り住まい」と間違えがちですが……。
正しくは「仮住まい」です。
あくまで自宅とは別の「仮の住まい」という意味に由来しています。ちなみに、普段住む自宅として家を借り、住む場合には「借り住まい」です。
5.「うきめ」
失恋や人との別れ、勝負に負けることなど「苦しい経験」のことを「うきめ」と言います。例えば、「追放のうきめにあう」などと使われるでしょう。
「うきめ」を漢字で書くと「憂き目」になります。
また、「憂」は「憂う(うれう)」「憂える(うれえる)」と言った読み方をすることから、つい「憂き目」を「うれきめ」と読んでしまう人もいるので気をつけましょう。
あなたはいくつわかりましたか? 意味もなんとなくわかっていて、字面として見たことがあるにもかかわらず、意外と間違いやすい漢字は多いものです。ぜひこの機会に、正しい漢字を覚えてみてくださいね。
参考文献
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(ESB Professional、Aleksandra Suzi、Makistock、Popartic、GaudiLab、dotshock)