文/大内千明 画像/Shutterstock(jakkaje808、Toa55、hecke61、mark stephens photography、Olga_i、William Perugini)
小学校で習い、読んだり書けたりした漢字でも、特殊な読み方をする場合や、普段聞きなれない言葉だと読み間違えてしまうもの。
そこで今回は、“小学校で習った読めそうで読めない漢字”を5つご紹介します。あなたはいくつ読めるでしょうか?
1.「外題」
現在では、歌舞伎の題名と言う意味で使われる「外題」。元々は「本の表紙(外)に記した題名」と言う意味で使われていました。
つい「がいだい」と読み間違えてしまうことがありますが、「外題」の正しい読み方は「げだい」です。
例えば「外道」を「げどう」と読むほか、主に仏教の用語で「外」を「げ」と読む言葉も多くあります。
2.「入唐」
歴史の授業などで、目にしたことがある人もいるでしょう。「唐の国に渡ること」を「入唐」と言います。
「入唐」という漢字をそのまま素直に「にゅうとう」と読む人が少なくありませんが、正解の読み方は「にっとう」です。
「入唐使(にっとうし)」「空海が入唐する」などのように使います。
3.「間鴨」
マガモとアヒルを掛け合わせた、食用として用いられる鳥を「間鴨」と言います。一見、あまりなじみのないような言葉に見えますが、実は、一度は名前を聞いたことがあるであろう、あの動物のことなんです。
「間鴨」は「あいがも」と読みます。「合鴨」のことを「間鴨」とも書き、意味としては同じです。
「間鴨」と書かれると、思わず「まがも」と読んでしまいそうですよね。実際に「まがも」の場合は「真鴨」と書くようです。
4.「有髪」
「有髪」とは、僧や尼などが髪を剃らないでいることを意味する言葉です。
よく「ゆうはつ」と読まれがちですが、正しくは「有髪(うはつ)と読みます。
「有髪」のように「有」を「う」と読む言葉は仏教由来のものが多く、例えば「有為転変(ういてんぺん)」「有耶無耶(うやむや)」も「有」を「う」と読むので併せて覚えておきましょう。
5.「駿馬」
「足が速く優秀な馬」のことを「駿馬」と言います。「馬」を「うま」と読むことから、「しゅんうま」と読みが違える人が多い漢字です。
正しくは「駿馬(しゅんめ)」と読みます。
「馬」を「め」と読むのは呉音での読み方で、その他に「ば」は「漢音」の読み方、「ま」は慣用読みなのです。
いかがでしたか? 漢字自体はそれほど難しくないものの、読み方が特殊だったり、普段あまり聞き慣れない言葉だったりすると、つい「どう読めばいいのかな?」と迷ってしまうかもしれません。
もし読み方があいまいで、正しい読み方がわからない……という漢字があれば、辞書などで読み方を調べてみるといいでしょう。
参考文献
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
Magazine
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more
View more