“当て字”とは、漢字本来の意味ではなく、“音”や当て字にする対象物の印象などから当てはめられた漢字を言います。そのため、漢字だけを見ても読み方の想像がつかないものもあるでしょう。
そこで今回は、想像力が試される当て字をピックアップしてみました。それぞれの漢字から連想して、当て字の正しい読み方を考えてみてくださいね。
1.「子守熊」
「子守をする熊」と書く動物。木の枝を抱きかかえるようにぎゅっとしている姿がなんともキュートで、南の島に生息しています。
そう、正解は「子守熊(コアラ)」です。ちなみに、「袋熊」も「コアラ」と読みます。お腹の袋で赤ちゃんコアラを育てることが、「子守熊」や「袋熊」の当て字の由来なのでしょう。
2.「紅鶴」
長く細い脚と紅色の体が特徴的な鳥といえば……。
「紅鶴」と書いて「フラミンゴ」と読みます。「紅鶴」という言葉自体、初めて見たという人もいるかもしれません。そのまま体の特徴を表した当て字になっています。ちなみに、フラミンゴの語源はラテン語の「flamma(炎)」からきているようです。「紅鶴」と書くと、なんだか一気に和風な印象になりますね。
3.「赤茄子」
これってそのまま「赤い茄子のことじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、茄子とは別の、皆さんにも馴染みのある野菜なんですよ。
正解は「赤茄子(トマト)」と読みます。「茄子」という野菜自体が存在するため、なんだか混乱してしまいそうですよね。「赤茄子」とはトマトの異称のことで、ほかにも「唐柿」「小金瓜」などの異称があります。ちょっとした雑学知識として、頭に入れておくと会話のネタになるかもしれません。
4.「闘球」
とあるスポーツの名前を当て字にしたものです。「球」とつくということは、どうやら球技のようですが……?
正解は、「闘球」と書いて「ラグビー」と読みます。ラグビーは、ルール上相手に飛びかかったり、タックルをするイメージから「闘う」という漢字が当てられているのかもしれません。まさに文字通り、激しい闘いのような攻防を繰り広げるラグビーのイメージにピッタリです!
5.「鎧球」
こちらも球技からの問題です。「鎧」を身に着けて行う球技といえば……?
そう、正解は「鎧球(アメリカンフットボール)」です。アメフトでは、試合の際にヘルメットやマウスピース、ショルダーパッドやスパイクなど様々なアイテムを身に着けています。その姿がまるで「鎧」のようだというイメージから、「鎧球」という当て字がつけられたのでしょう。
学校で習った読み方とはまた異なり、想像力が試される当て字たち。一般的に使われている漢字には自信があっても、当て字は意外と読めないものが多い……なんてことも。また、逆のパターンで当て字を読むのが得意という人もいるでしょう。ちょっとリフレッシュしたい時や、「最近、頭を働かせていないかも……?」と感じた時は、クイズ感覚で当て字の読みを考えてみると、楽しめるかもしれませんよ。
参考文献
大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)
文/大内千明 画像/Shutterstock(MasterPhoto、Prixel Creative、Ollyy、Minerva Studio、A. and I. Kruk)
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