デビュー当時から現在にいたるまで、長きに渡り花ちゃんと向き合い続けるトップヘアメークアップアーティストである平元敬一さんが今回のゲスト。お互いを熟知するからこその濃密トークもご堪能あれ♡
今回のゲストは…ヘアメーク 平元敬一さん
Profile
25年という長いキャリアを経てもなお進化と変化を楽しむクリエイター。卓越したテクニックと審美眼で、モードからコンサバ、和装まで死角なし。トップモデルや女優たちからのラブコールが絶えず、雑誌にCMにと多忙を極めるなかサロンワークも精力的にこなす。
可能性の塊でしかない花ちゃんにふたつの女性像を演じてほしい
花 初めてご一緒したのは私が12歳のとき。あれから…もうすぐ20年!
敬一 花ちゃん、まだデビューして間もなかったんだよね。顔じゅうにパールやストーンをちりばめたり、スプレーで髪の毛真っ白にしたり、かなり作り込んだ撮影だった。なのに表情ひとつ変えず平然としてて。この子、大物になる、ってカメラマンと感心したのを今でも覚えてる。
花 その後、再会したのが16歳。その後はなんだかんだと…もう何百回ヘアメークしてもらったかわからない。
敬一 何千回じゃない? だけど花ちゃんのすごいところは、それだけやっても新しい引き出しがあるところ。ここぞというときには「おぉ!」と思わせてくれる。意外性が楽しいんだよね。
花 自分でもそこは意識してる。ちょっと意表を突きたくなっちゃう。敬一さんも、毎回違うじゃない。最初にすごい! と思ったのは、ヘアメークの工程が、ほかの誰とも違うとこ。で…いちばん可愛くなる(笑)。
敬一 ルーティンみたいなことは絶対しないね。だから順番だって決まりはナシ。口元をポイントにしたいときは最初にリップ塗っちゃったりするし。そうすると他がバランスを取って自然とメリハリがつくから、これは読者のみんなにもおすすめのテクニックかな。
花 ほとんど触らないときも、作り込むときも、敬一さんの日はちゃんと松島花になる。いちばん自分らしい顔にしてくれる人に出会えた!って感激したの。
敬一 いやー、こんなに褒めてもらったことないから嬉しいね!
花 普段、こんな話はしないもの。いっぱい褒めたから次は敬一さんの番(笑)。今日も素敵にお願いします♡
凛とした強さを感じさせるのはシンプルの中に宿るエレガンス
敬一 花ちゃんといえばエレガンス。撮影でも華やかなイメージを求められることが多いよね。盛る、プラスする、という表現になりがちなエレガンスだけど、それはもういっぱい見てきた。着飾って、キラキラさせてみたいな、よくある手法じゃ面白くない。松島花だから表現できるシンプルなエレガンスを狙いたかった。
花 気持ちや仕草で女性像はいかようにもなる。それだけでグッと湧き上がってくるものだし、目指す場所へ導いてくれるものとしてヘアメークの力は絶大。
敬一 メークは胸元のパールからインスパイアされたパーリーなハイライトがアクセント。ヘアはエレガントにしすぎず、ストレートをベースにかなりラフな感じにしてみた。
花 直球のエレガンスじゃないんだな、と感じたから、あまり表情は作らずに、気怠いニュアンスに。イメージしたのは大人の女性が考えごとをしているような、決めすぎない一瞬。どうですか(笑)?
敬一 そう、この表情だよね!
花 求められているものをそのまま出すのがいいときと、ちょっと意外性を狙ってみるときと。今日は後者かな。
敬一 これこそまさにセッションだよね。
美しい骨格と無垢な透明感でボーイッシュを気取ってみる
花 思いきって…切っちゃいました(⁉)。
敬一 90年代のスーパーモデル、リンダ・エヴァンジェリスタがイメージソース。ここまでの短さは初めてだけど、やっぱ似合うね。あ、安心してください。ウィッグです(笑)。ショートって中性的だったり、セクシーだったり、人によって表現できるものが全然違って面白い。今日は少年っぽさを狙ったけど、ほんのり女らしさもあるこの感じもいいね。
花 首筋がきれいに出るからかな。もっと大人になったら髪色明るくしてベリーショートにしてみたいの。私の顔立ちなら、冒険してもOKそうじゃない?
敬一 似合うよ。まあ、あと20年後かな。
花 カラーレスでナチュラルなのにモダンなこの肌も敬一さんっぽくて好き。
敬一 肌は塗りすぎちゃダメ。老けて見えるし、ヨレたり崩れたりする。
花 そういえば、敬一さんはコンシーラーを使わないよね。
敬一 カバーしたいところにのせるのはファンデーションでいい。ハイライト的に自分の肌色を使って、あとは濃い色のパウダーを日焼けしがちな部分にサッとまとわせる。ヘルシーさも出るんだよね。
花 ベースに自分の肌より明るい色は使わない。このテク、みんなもぜひ覚えて!
\松島 花ちゃんからコメント/
遊びたいさかりの20代…敬一さんと一緒の日は内心イェイ! とガッツポーズ。だって敬一さんのヘアメークは朝まで踊っても崩れ知らずだったから(笑)。自分でも再現したくて同じ道具を揃えましたが、テクニックまではいまだ習得できていません。敬一さんのヘアメークはいつだって完璧。私はただただポージングに集中すればいい。私のことを私以上に熟知していると言っても、決して過言じゃない、それくらい信頼できる敬一さんに出会えたことは、かけがえのない大きな財産です。
モデル/松島 花 ヘア&メーク/平元敬一 撮影/三宮幹史(trival) スタイリング/三好 彩 取材/西道倫子 再構成/Bravoworks.Inc