今月悩み相談を受けていただけるのは「中村 勘九郎」
’81年10月31日生まれ 東京都出身●十八代目中村勘三郎の長男。’86年1月歌舞伎座『盛綱陣屋』の小三郎で初お目見得。翌年1月『門出二人桃太郎』で二代目中村勘太郎を名乗り初舞台。’12年2月新橋演舞場『土蜘』僧智籌実は土蜘の精、『春興鏡獅子』の小姓弥生後に獅子の精などで六代目中村勘九郎を襲名。歌舞伎公演にとどまらず、映画、テレビ、写真集など幅広い分野で活躍。’19年NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』では主演の一人、金栗四三役を演じる。歌舞伎以外の近年の主な出演作は、映画『銀魂』『銀魂2掟は破るためにこそある』、舞台『真田十勇士』など。
今月のアラサー女子の相談は…「彼の金銭感覚が心配!」
ご相談事
付き合って3年の彼と来年結婚する予定ですが、唯一心配なのが金銭感覚。ブランド物をすぐ買っちゃうので今はよくても子供ができたり家を買う時もこの浪費ぶりだと不安…。ウザがられずに財布の紐を締めさせるコツが知りたいです!(31歳・マスコミ勤務)
おこたえ
心配事は結婚前にきちんと話したほうがいい
中村さんの回答「あなたの金銭感覚が心配だ」ってちゃんと言うしかない
何にお金を使うのか、優先順位の問題ですよね。結婚して子供ができたり家を買うとなった時でも彼がブランド物を買い続けてしまうなら、ダメな男を見つけてしまったと思うしかない(苦笑)。僕だったら楽だったかもね(笑)。僕は生まれてから今まで、自分がいくらもらっているか知らないんです。母は役者にお金のことを考えさせると芸が小さくなると言ってましたし、結婚後は妻も教えてくれない。でも僕はとても知りたいです!(笑)
服や時計が好きなのは、彼の趣味だと思うんです。一概にそれを否定するのはかわいそうだけど、先行きが心配というなら「あなたの金銭感覚が心配だ」ってちゃんと言うしかないんじゃないですか?趣味で服や時計を買うのはいいけれど、生活に余裕がなくなるのは困るってことを結婚前にちゃんとお話ししたほうがいいですよ。それを彼がウザいと受けとるのなら、結婚自体を考え直したほうがいいんじゃないかなあ。奥さんになる人のことをウザいと思っちゃいけないでしょ。結婚したら家族になるんですから、銀行口座を一緒にして、あなたがお金を管理するのもいいかもしれません。口座を一つにまとめたほうがお得なプランがあるとか言って(笑)。もしかしたら付き合い始めた頃は「その時計いいね」とか「カッコいいね、その服」とか、彼をほめすぎたんじゃないですか?男は調子に乗っちゃうと後戻りするのは難しいから、ほめすぎないようにしないとね(笑)。
アニメの声優は夢の一つ しかもポケモン役というのが嬉しかった
アニメを観て育ったのでアニメの声優は夢の一つでした。23年の歴史ある作品で、しかもポケモン役というのはすごく嬉しかった。家族にもすぐ伝えたら、子供たちがめちゃめちゃ喜んでくれて。友達の反応を誇らしく僕に語ってくれる子供たちを見て、「いい仕事だな〜」と思いましたね(笑)。収録はコロナ対策もあり一人でしたので、先に録音されていた皆さんの声にまず感動しました。特にポケモンたちの声には「すげーっ!」って感激して、一旦、収録を止めてもらったほど(笑)。終始、楽しく収録させていただきましたが、声だけで伝えるのは容易なことではなく――。僕が演じたザルードは森に棲む幻のポケモンなので、常に警戒心を怠らないという野性味を意識したら、体勢も自然にザルードのようになって、靴も脱いで裸足になっていました。完成作は楽しんで観ました。ココの成長にとても感動しましたね。森の映像も美しく、岡崎体育さんプロデュースの音楽もポケモンの世界観にピッタリ。青春時代にウルフルズを聴いていた者として、トータス(松本)さんの歌が流れた時は泣いちゃいました。ポケモンが人間の子を育てるという不思議な親子の絆を描いた物語は、家族で楽しめるクリスマスプレゼントになったと思います。
僕も父親ですが、性格はとても面倒くさがり屋です。好きなことは面倒ではないので、歌舞伎はもちろん、芝居が好きという原動力で動いていますけど。電話、LINE、メールは面倒で返事が返せないので、いろんな方にご迷惑をかけていると思います(苦笑)。子供たちに対しては稽古とか芝居には当たり前に厳しいですが、普段は一緒に遊んで喧嘩もして、妻からも一緒に怒られてます(笑)
『劇場版ポケットモンスター ココ』
’98年の第1作から今回で23作目となるポケモン映画。森を舞台に、ポケモンに育てられた少年・ココと、ココを育てたポケモン・ザルードの親子の愛を描いた今までにない絆の物語。ココ役には上白石萌歌、中村勘九郎は森で見つけた人間の赤ん坊を森の掟を破って育てる幻のポケモン・ザルードを演じる。特別出演として山寺宏一、中川翔子も参加。音楽は岡崎体育がプロデュースを手がけ、メインテーマはトータス松本(ウルフルズ)とのコラボが実現。他の声の出演/松本梨香(サトシ)、大谷育江(ピカチュウ)ほか監督/矢嶋哲生 ●全国東宝系にて公開中。
撮影/平井敬治 ヘアメーク/宮藤 誠 スタイリング/寺田邦子 取材・文/駿河良美 撮影協力/AWABEES