辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン2020 vol.7「萌え廃人になる吸引力!タイのイケメンBLカップルたち」

世界中を「萌え」で席巻しているタイBLドラマ。イケメンカップルたちがドラマの中だけでなく、リアルでも仲良しすぎる姿に萌え狂う女子が続出。その一人である辛酸さんが、タイBLドラマを代表する2作品のイケメンカップルについて熱く語ります!

辛酸なめ子の「おうちで楽しむタイBLイケメン4選」

いつの間にかイケメンを大量に輩

いつの間にかイケメンを大量に輩出する国になっていたタイ。カッコいいだけでなく、癒してくれるルックスのメンズが多いのは、仏教の教えが浸透しているからでしょうか。穏やかで謙虚で叡智を漂わせたタイのイケメンたちから目が離せません。
特に最近盛り上がりを見せているのが、タイBLです。個人的にも「2gether the series」を見てからその魅力にハマり、今では毎日何十回も「BrightWin」で検索し、2人の幸せを祈る日々です。主演のブライトとウィンの、今世紀最高ともいえる非現実的なかっこよさが訴求力の一つであることは否めません。
ただ恐ろしいことにタイBLの沼は底なしで、「2gether」以外にも魅力的な作品がたくさんありました。「2gether」だけでも廃人になりかけているのに、全部フォローしていたら社会生活が送れなくなってしまいます……。それぞれのカップルは「BrightWin」のように、「KristSingto」「TayNew」「MewGulf」「OhmFluke」「Offgun」「BounPrem」「PeteKao」などと(心身ともに)合体した愛称がついていて、推しカッブルとしてファンに尊ばれ、幸せを祈念されています。彼らは「恋愛に性別なんて関係ない」という意識の拡大を地球にもたらすために、宇宙から遣わされた存在かもしれません。全員追っていきたいところですが、萌え活はかなりのエネルギーを消耗することがわかり、体が持たないので代表的な2組のイケメンをピックアップさせていただきます

タイBLドラマの金字塔「SOTUS」のイケメンカップル

タイのBLブームの金字塔と呼ば

タイのBLブームの金字塔と呼ばれる2016年のドラマ「SOTUS」で主演した2人(2018年には日本でファンミーティングもあったんですね。知るのが遅すぎました……)。
こちらはタイの大学の厳しい新入生教育制度=SOTUSがテーマとなっているドラマです。2人は心を少しずつ通わせていく先輩と後輩の役。後輩のコングポップをシントー(写真下)が、先輩のアーティットをクリスト(写真上)が演じていますが、実際はシントーのほうが年上で現実でも同じカセサート大学の先輩後輩だそうです。後輩なのに、グイグイくる攻めの気配を漂わせたコングポップと、気を抜くと童顔で可愛いアーティット先輩の組合せが絶妙です。
「SOTUS」を観ると想像以上に厳しい制度で、「スクワット200回!」「ここにいる全員に罰を与える!グラウンド54周!」などといったムチャぶりを連発。アーティットが先輩からの洗礼として、コングポップに「僕は男が好きです、と3回叫べ!」などと言ったのが、彼の本能を目覚めさせてしまったのかもしれません。どんなに怒鳴られても瞳をキラキラさせ「僕の心はすでにあなたに捧げています」と先輩に忠誠を誓うコングポップの姿がピュアでけなげです(でも攻め)。「先輩の怖い顔もすごく可愛いですね」というコングポップの言葉に動揺したり、具合が悪くなってコングポップに看病され「ちゃんと治ったら僕に懲罰を与えても良いですよ」と言われたりして次第にほだされていくアーティット。このドラマの萌え要素の一つは、なかなか2人がくっつかない焦らされ感です。2人がついに両思いになった時のカタルシスは、厳しい訓練を乗り越えた後だからこそ感動が大きく、余韻がいつまでも続きます。タイのお祈りのひもを腕に結ぶという宗教的な儀式が神聖で、先輩と後輩の関係を尊いものにしています。
ドラマ内ではあまりイチャつくシーンがなかったからこそ、現実でその続きを期待してしまいます。前置きが長くなりましたが、そんな先輩後輩を演じたクリスト&シントーは、今もタイBLの生きる伝説としてカッコよさを保っています。タイのカルチャー誌「KAZZ AWARDS 2020」でベストカップル賞を何年も連続して受賞しています。ファンの間では「旦那と嫁」と呼ばれるほど安定感のある2人です。

「SOTUS」のクリス: ツンデレな役と素顔のギャップに萌える!

(クリス =本名:ピーラワット

(クリス =本名:ピーラワット・シェーンポーティラット)
子どもの頃からCM出演などの芸能活動歴があり、子役出身ならではの可愛い顔がそのままキープされているのだと納得。家族思いで、家計を助けるためにアルバイトや芸能活動に励んでいたという優しい男子です。シントーといると、「SOTUS」の怖い先輩の片鱗を感じさせない甘えキャラに。「僕はP’ Singtoのペロペロいう舌の音を聞かないと眠れないんだ」とか、可愛い顔で刺激的なエピソードを言ってくるギャップに萌えます。

「SOTUS」のシントー:リアルでも攻めな肉食系(?)男子 

(シントー =本名:プラチャヤ

(シントー =本名:プラチャヤー・レァーンロード)
独特なフェロモンが漂うシントー。その名はタイ語で「ライオン」を意味するそうですが、彼も狙った獲物は逃さない肉食系なのかもしれません。あるイベントで「僕たちのリアルな感情そのままです」とドラマについて語っていた2人。ドラマと同じく、シントーのほうが先にクリストを好きになったそうです。気づいたら彼のシャツのボタンをいくつも外していたとか。ドラマよりもリアルのほうが関係の進展が早いです。別のイベントでは「クリストの体はどこでも触っています」とか打ち明けたり、仕事の合間にクリストの乳首の位置を当てて遊んだり、日常も攻めモードを貫いていて、ファンの期待を裏切りません。カセサート大学在学中は、実際に経済学部のSOTUSチームのリーダーだったそうで、人望やカリスマ性を兼ね備えています。

続編も話題「2gether」のイケメンカップル

前々回で紹介させていただいた「

前々回で紹介させていただいた「2gether the series」と、その続編「Still 2gether」で主演する2人。青春ラブコメ「2gether the series」ではウィンが演じるタインが自分の偽の彼氏役をブライト演じるサラワットに頼み、いつの間にか本気になっていくという付き合う前後の胸キュンストーリーが描かれていました。続編「Still 2gether」では、恋人関係になり一緒に暮らしている2人の間にサークルの問題が持ち上がります。2週間、軽音部の合宿で不在になるサラワットに対しタインが永久の別れかと思うくらい淋しがり(「愛の不時着」の別れのシーンに匹敵)、一人でサラワット人形に話しかけて号泣する、という恋愛依存ぶりを見せて視聴者の涙腺を刺激。ふと気づいたのですが「SOTUS」では厳しい新入生教育制度や理数系の授業シーンが出てきたのに「2gether」ではほとんど勉強シーンが出てきません。サークル活動か恋愛しかしていない大学生……。でも、「SOTUS」が放映された2016年からの時代の変化を感じる部分もありました。「SOTUS」では同性を好きになってしまったことへの逡巡も描かれていましたが、「2gether」では「俺たちは性別なんて関係ない現代社会に生きてるんだからな」というセリフがあって清々しかったです。男女の区別なく恋愛している大学生たちがまぶしいです。そんな中でもひときわ輝いている美の化身、今世紀最大のイケメンがブライトとウィンなのです……。「KAZZ AWARDS 2020」では特別賞を受賞していて今後ますますブレイクしそうです。

「2gether」のブライト:美しさと匂わせで世界中のファンを翻弄

(ブライト<写真右>=本名:ワ

(ブライト<写真右>=本名:ワチラウィット・チワアリー)
アメリカ、タイ、中国の東西の美の遺伝子が結合。ギリシャ彫刻以上に美しくて高身長で筋肉もついていてスポーツもできて頭も良くて演技力もあって……と、すべてを兼ね備えている恵まれた青年のようですが、実際は苦労人のようで、家が貧しく奨学金を受けて大学に通い、たくさん働いて母親にラクをさせたいと語っている殊勝な男子です。
ブライトはサラワット役を演じて恋愛する気持ちは男女関係ないことを実感したそうで、実際、タイン役のウィンとはどういう関係なのか世界中で注目されています。無邪気な2人の匂わせに萌え狂い、仕事や勉強が手に付かなくなる人が多数。ドラマ撮影現場では、必要ない場面で突然ウィンにキスする姿も目撃されています。アドリブで「結婚しよう」とウィンにプロポーズしたり、頭を撫でたり……。ラブシーンが本気かどうかは耳の赤さで判定されます(かつての相撲八百長問題で「本気で戦っている力士は耳が赤くなる」と言われていたのと同じです)。イベント出演の時もウィンの耳に囁いたり、「I LOVE YOU」を表す手のポーズでウィンの腰に手を回したり、萌え系スキンシップが多いです。芸歴が長く、頭の良いブライトなので計算でやっている部分もあったりするのでしょうか……。そこも含めて素敵です。
トーク番組出演時にはウィンについて聞かれると「LOVE LOVE LOVE Nong(年下に使う呼称)」と愛を連呼していました。ただ最後に「みんな愛してます」と締めくくっていて、やり手というか、芸能界で生き抜いていくポテンシャルを感じます。

「2gether」のウイン:屈託のない愛情表現も可愛い癒しキャラ

(ウィン<写真左>=本名:メー

(ウィン<写真左>=本名:メータウィン・オーパッイアムカジョーン)
無邪気で明るくて育ちの良さが醸し出されているウィン。豪邸の動画も流出していますが、かなりのおぼっちゃま育ちのようです。ブライトも、ウィンの好きなところの一つに「エレガントさ」を挙げていました。「大きなネズミ」のように可愛いとも……。「Phii(先輩に使う呼び名)」のブライトといる時は少年のように可愛くて、ブライトの手に持っているものを奪ったり、目の前でふざけたり、いたずらをしかけたり、膝に座ってみたり、屈託なく愛情表現をしています。ファン対応も神がかっていて、2月にタイで行われたイベントの動画を観たら、ファンに呼びかけられたらそこまで行って笑顔を振りまいていて、疲れ気味のブライトのぶんもサービスしていました。ブライトも言っていましたが、ウィンはその場を明るくする存在です。俳優としては新人なのに、タイン役に切り替わると別人格になるのも素晴らしいです。いずれ家業を継がないとならないそうですが、ここまで才能があるのだからもったいないので、いつまでも兼業してブライトとカップル活動してほしいです。ちなみにファンに行きたい国を質問されて「日本」と即答していました。食べ物とショッピングが楽しみだとか……。ぜひ来日して、日本人の心を照らしてほしいです。

以上、タイの珠玉のイケメンカップルを紹介させていただきました。このカップリングが永遠に続いてほしいと願わずにいられませんが、最近なんとシントーとウィンが一緒にいる姿が立て続けにインスタグラムに投稿され、ネットに動揺が広がっていました。お仕事なのかプライベートなのか不明ですが、今後もこの2カップルの動向から目が離せません。
このように、ドラマを超えてリアルなストーリーがSNSや動画サイトで展開していくので、一度ハマったら人生の大部分を占められてしまうのがタイのイケメンの魔力です。でもこんなイケメンだらけの魔境なら、囚われるのも悪くないです。

「SOTUS」

「Seniority(尊敬)」「Order(秩序)」「Tradition(伝統)」「Unity(団結)」「Spirit(思いやり)」の頭文字をとった“SOTUS“という校内システムが存在する大学の工学部。新入生の教育を担当するアーティットを始めとする先輩たちの厳しい指導に納得できないコングポップ。年下わんこ後輩とツンデレ先輩が繰り広げる学園ラブストーリー。RakutenTVで配信中。詳しくはこちらから
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「2gether」

Twitter世界トレンド1位を記録するなど話題性、人気ともにタイBLドラマ史上No.1と評される超話題作。ゲイに振り回されるタインと軽音部兼サッカーチーム所属の超イケメン・サラワットという、タイプ違いのイケメンたちが紡ぎ出すラブストーリー。Rakuten TVにて毎週金曜日1話ずつ動画配信中! 詳しくはこちらから
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辛酸なめ子 イケメンや海外セレ

辛酸なめ子
イケメンや海外セレブから政治ネタ、スピリチュアル系まで、幅広いジャンルについてのユニークな批評とイラストが支持を集め、著書も多数。近著は『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)、『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』(祥伝社文庫)など。

撮影/村山元一(SIGINO)<辛酸さん> 構成/CLASSY.編集部

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