ミニマリスト・ブームやスティーブ・ジョブズの影響で、〝いつも同じ服〟を着ることがここ数年でポジティブに受け取られるようになってきました。ジョブズほどストイックでなくても、「自分の制服」を持つことは意外なほどメリットがあるようです。
ジョブズ、ザッカーバーグ、ラガーフェルドが「制服」を着た理由
スティーブ・ジョブズ
「いつも同じ服」といえばこの人!THE定番の組合せ
「イッセイミヤケのハイネックにリーバイス501、NBのスニーカーというのが言わずと知れた彼の制服。重要なのは、いつの時代も買える超定番アイテムをセレクトしていること。効率の良さを追求して選んだ結果、普遍的な美しさを持つアイテムにたどり着き、それがシンプルでオシャレ、そしてスマートな印象を作り出しています」(久野さん・以下同)
マーク・ザッカーバーグ
ジョブズに続く「いつも同じ服」のIT系億万長者
「スタイリッシュさと効率性をうまく取り入れているジョブズに対して、ザッカーバーグは圧倒的に効率優先の印象。仕事に全精力を注ぐため、ファッションに余計なエネルギーは使わない主義だと思います。そんな彼が選んだのは〝グレーTシャツ×デニム〟。世間がミニマリストの価値観に共感する方向にシフトしてきた今、プラスに受け取られています」
芸能界にもたくさんいる「同じ服」主義!
同じ服を着続ける理由は大きく分けて2つ
効率追求派と個性重視派 いつも同じ服を着る人は 2タイプに分かれます
いつも同じ服を着ている人は〝効率追求派〞、〝個性重視派〞の2つのタイプに分かれます。著名人ではジョブズ氏、ザッカーバーグ氏、北川景子さんが効率追求派。着る服を決めて制服化してしまえばいろいろな服を買う金銭的コスト、服を決める時間的なコストが減ります。忘れてはいけないのが心理的負担の軽減。〝毎朝服を決める〞という決断エネルギーの節約は制服化の大きなメリットです。ただ〝いつでも通用する同じ服を着よう〞と思うと流行に頼ることができず、服を選ぶハードルが上がるのも事実。そんな時はいつも同じブランドや同じ店、それも難しければいつも同じ商業施設で買う、というレベルに絞り込むだけでも意味があります。一方でラガーフェルド氏や向田邦子さん、平野ノラさんのような〝個性重視派〞は特定のイメージを強く訴求できるのがメリット。まずはテーマカラーを決めていつも同じ色を使う、または同じモチーフを取り入れるなど、部分的にルールを決めてしまうことが制服化の手前のステップとしてお勧めです。
解説してくれたのは久野梨沙さん
久野梨沙さん
パーソナルスタイリスト
日本服装心理学協会 代表理事
ファッションで人の心を知り、動かす「服装心理学」の第一人者。服装での印象コントロールや、外見コンプレックスから解放するアプローチに定評がある。オシャレの呪いを解き自由に楽しむためのオンラインサロン「服装心理lab.」主宰。https://www.hisano-risa.com
イラスト/酒井真織 取材/川西麻依子
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