「日本沈没」着回しDiaryが話題に!担当編集に制作秘話&裏話を聞いてみたら…【服見えてないけどいいの?実は伏線がある?】
“日本沈没”が「X」(旧:Twitter)でトレンドになるなど、各方面で話題をさらったCLASSY.10月号の「日本沈没まであと1カ月…防災女子の9月着回しDiary」。「着回してる場合じゃない!」「一体どうやったらこんな企画思いつくの?」…というみなさんの声にお応えして(?)、担当編集者が制作秘話を語ります!
多かった質問&意見1.どうやったらこんな企画を思いつくんですか?
『着回しDiary』はCLASSY.の看板コンテンツですし、楽しみにしてくださっている方も多いので、毎月必ず1本やるようにしています。他の雑誌だと、毎月やるというのは珍しいかもしれません。この号の第1特集は「スニーカー」。まず、常にスニーカーを履いているのってどんな人だろう?ということころから考え始めます。さらに9月の1カ月のお話なので、9月はどんなイベントがあるか?なども調べていきます。そこから、9月1日が「防災の日」であること、さらにフットワーク軽くいることが重要な主人公…ということで、「防災女子」に思い至りました。せっかくならスケール大きく、あの名著『日本沈没』をオマージュして、日本の危機を救う若きリーダーを主人公にしよう!と思いました。
SNSを通して、『日本沈没』の著者である小松左京さんのご遺族の方にも届いていたと知ったときはとてもうれしかったです(https://smart-flash.jp/entame/250140/)。
せっかくだから防災知識のコラムも入れたりして、実用性もあるページに…と妄想は膨らみ、自信満々でプラン会議で発表。編集長も「なるほど!!」と言ってくれました(笑)。「こんな企画が通る編集部ってすごいな」という声もありましたが、本当にスタッフ全員真剣に、楽しんで作っています。作っている側が楽しいから、読んでくださっているみなさんにもその熱量が伝わっているのだと、思っています!
多かった質問&意見2.服は見えてなくていい!?
よく「服が見えてない」「コーデが全然頭に入ってこない」と読者のみなさんに突っ込まれるのもCLASSY.の着回しの特徴です。撮影中カメラマンにも、「この構図だと、服があまり見えませんが…それでも大丈夫ですか?」と心配そうに聞かれますが、「はい、見えなくて大丈夫です」とはっきり答えています(笑)。なぜなら、写真のインパクトの方が大事だし、着ているアイテムは1カ月着回しているから他にも出てくるし、なんなら1ページ目に物撮りで一着一着ちゃんと載っていますから!だからちゃんと見えてなくたっていいんです。ちなみに今回の日本沈没着回しは、テーマがスニーカーだったのですべて足元まで入れなくてはならず…かなりカメラマンは大変だったと思います。普段は、いわゆる〝足切り〟カットもありですが、今回はそれはNGです。頭からつま先まで全身をちゃんと入れつつ、カットごとに変化をつけるのは至難の業。ちなみに今回は、地震の揺れを表現するために大胆にブレたカットを採用。でもちゃんと、「揺れてる…!?」というサブカットで足元のスニーカーをばっちり押さえています。こういった工夫も随所に散りばめられているんです!
ちなみに…ロケ場所にもかなりこだわってます
冒頭の会議シーンや、総理とハカセのもみ合いを制止するヒロナのシーンなど、いい味を出しているロケ場所は東京・白金台にある「港区立郷土歴史館」です。昭和13年(1938年)に建設された旧公衆衛生院という歴史ある建物。古い建物にしか出せない雰囲気が写真にも表れていると思います。建物見学無料なので、みなさんもぜひ行ってみてください!ほかにも、船が泊まっている海沿いの公園、都内某ビルの屋上など…通常のファッション撮影とは異なる、着回しDiaryならではのロケ場所も見どころのひとつです。
多かった質問&意見3.ハカセの正体は誰?
「X」でも話題になっていたハカセ。実は演じてくれたのは、ロケバスのドライバーさんです。経費節約のため、モデルさんではなくスタッフに演者をお願いするのは、着回しDiaryの常套手段。みなさんいつも本当にありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます(笑)!
「いわゆる“ザ”な感じのハカセにしたい」と、衣装にもこだわりまくりました。白衣はマストで、中はバンドカラーのシャツに謎柄のニットベスト、よれっとした茶色のウールのスラックスに、お便所サンダル…。こちらのイメージを完璧にスタイリングで表現してくれる、スタイリストさんにも頭が上がりません。毎回コーディネート(スタッフで行う衣装チェックのこと)の際は、みんなで大爆笑しています。
多かった質問&意見4.夢オチ…の終わりでいいんですか?
この着回しは、最後がまさかの夢オチです。先々代の編集長の時代は、「着回しでは何をやってもいい、だが夢オチだけはやるな」という部訓(?)があったとかなかったとか…。
ですが、ひとこと言わせてください!これはただの夢オチではないのです。物語の中で、ヒロナは彼のことを“マサシ”と呼んでいます。ですが、最後の夢オチのところでは“昌士”と呼んでいる。さらに、寝坊したヒロナが起きた時刻は…。異なる世界線?パラレルワールド?この物語が、ヒロナが、果たしてどうなったのか…結末は読者の皆さんの想像に委ねることにします。
というわけで、巷で話題の『日本沈没着回し』の制作秘話でした。読んでくださる方々のために、編集部はこれからも気合いを入れて企画を考え、一切の妥協なくページを作り上げます。今後もCLASSY.の着回しDiaryにご期待ください!
構成/CLASSY.編集部