「どんなに理解されなくても修羅の道を進む」演技派俳優・笠松将さんの未来へ向けた覚悟の理由

とっておきのジュエリーこそ、大切な人と共有したい——“シェアジュエリー”を提案する不定期連載に登場してくれた俳優の笠松将さん。クールなイケメン役も、裏がありそうな影のある人物も、自由自在に演じ切るカメレオン俳優の素顔とは? 連続テレビドラマ小説「らんまん」への出演でますます注目度が高まる笠松さんの等身大の姿に迫ります。

自分を貫く覚悟が決まったのは、身近なスタッフの一言がきっかけ

——昨年30歳を迎えられました

——昨年30歳を迎えられましたが、30代になって現場で求められることや、立ち居振る舞いに変化はありますか?
30代というか、20代後半くらいから変わりましたね。自分の仕事について真剣に考えることが増えました。プライベートではそんなことはないんですけど、仕事になるとスイッチが入ります。1mmの感覚の修正も絶対に怠りたくない。それをするかしないかで、他者に与える影響は変わらないんだけど、その調整を怠ったっていう事実が自分の中に残るのがキツい。僕がやっている仕事ってそういうものだと思うんですよね。

——現場でご自身の意見は発信する方ですか?
現場で思ったことは言います。ありがたいことに自分の思いをみなさんが受け取ってくださることが多いですが、1回だけ時間がなくて「今回はこうやってください」って提案されたものに対して、陽も落ちる寸前だったのもあって、納得ができないままやってしまったことがあって。その後、スタッフさんと食事をさせていただいた時に、「将くんだったらやらずに帰ると思った。あー、やるんだって、ちょっとがっかりしたね」って言われたんです。自分が一歩引いたら、もう二度とこの場所には戻って来れない、ということが明確になった瞬間でした。分かる人には分かるし、その分かる人に向けて勝負しているので、どんなに理解されなくても修羅の道を進まなきゃいけない、という思いも強くなりました。自分を貫くのは大変ですが、その覚悟やスタンスを決めた今は楽です。

——笠松さんご自身は、周りと比べることはありますか?
人と比べたりもしますよ。でも誰かと比べて落ち込むというよりは、足りないところを埋めていく感覚です。その人と比べて劣っているということは、どこかは優れているということ。比較して自分の悪いところばかりにフォーカスするんじゃなくて、いいところを見ることも大事だと思います。

【一問一答】笠松さんのパーソナリティにフォーカス!

——好きな食べ物と嫌いな食べ物

——好きな食べ物と嫌いな食べ物は?
好きなのは、酸っぱいもの。色んな料理にお酢をかけて食べたりします。酢飯、サンラータン、ポン酢……。全部好きですね。嫌いなものは、辛いもの。酸っぱくて辛いものは? という質問はナシです!

——今、行きたいところは?
……ないな。場所にも旅行にもあまり興味がなくて。あえていうなら、「ONE PIECE」のシッケアール王国かな。

——普段はどんな曲を聴きますか?
あいみょんさん。ミスチルさんも好きです。

——ハマっていることや気になっていることは?
読書。今は、『韓非子』と『論語』を読んでいます。どちらも面白いですが、『韓非子』の方が僕はより面白いなと思って読んでいます。

——役者でなかったら、どんな職業に就いていたと思いますか?
東京には来てないんじゃないかな。飲食店でバイトしていたので、自分のお店を持ちたいという夢を持ちながら、がんばっていたかもしれないです。

——最近、買ったものは?
撮影中のドラマの現場に、CHILL OUTを差し入れしました!

——ルームウェアはどんなものを着ていますか?
ファンの方からいただいたジェラピケ。着心地がいいから遠征にも海外ロケにも持っていきます。

——朝起きて1番にすることと、夜寝る前にすることは?
朝は猫に水をあげる。夜は猫のトイレの掃除。1日が猫で始まり、猫で終わります。

——ご自身の性格をひとことで言うと?
ひねくれ者。自分ではそう思ってます。

【撮影裏話】ユーモア溢れる笠松さんのお話に、終始笑いの絶えない撮影に

撮影前のフィッティングでは、ジ

撮影前のフィッティングでは、ジュエリーに合わせて「このルックの方が雰囲気に合いそう」と、スタッフと一緒にスタイリングを考えてくれた笠松さん。表情の豊かさはもちろん、ジュエリーの見せ方も想像を超えるものばかり。インタビューではファッションにまつわる質問に「ムズいな……」「この答えで合ってます? 違う?」と苦戦しながらも真摯に話してくれる姿が印象的でした。笠松さんの飾らない等身大のお話や意表を突く発言で、現場は終始笑いの絶えない明るいムード。自分にも仕事にも妥協のないストイックさと、周りを笑わせるユーモラスさ。どちらもバランスよく持ち合わせた魅力を存分に感じる取材でした。CLASSY.ONLINEの撮影後、同じ場所で別の撮影が入っていたこともあり、ケータリングのおにぎりを食べながら休憩を取っていた笠松さん。「僕に気にせず、撤収してくださいね」と何度も声をかけてくれ、気遣い上手な一面も。

PROFILE

1992年生まれ。愛知県出身。2011年に俳優を目指して上京。2013年から本格的に俳優活動をスタート。2020年には「花と雨」で長編映画初主演を果たした。以降、NHK大河ドラマ「青天を衝け」、Hulu「君と世界が終わる日に」、Netflix「全裸監督2」、WOWOW「TOKYO VICE」、Disney+「ガンニバル」など多くの作品で活躍。現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」にも出演。

撮影/木村 敦 ヘアメーク/MIZUHO(vitamins) スタイリング/柴原啓介 取材/坂本結香 編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)

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最新号 202412月号

10月28日発売/
表紙モデル:山本美月

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